小規模事業者持続化補助金(以下、持続化補助金)は、事業を実施して支払いを終えた後に受け取る補助金です。領収書をそろえるだけでなく、計画した取組を実際に行ったことと、そのために使った経費を実績報告で説明します。
入金までの順序は、事業・支払いの完了→実績報告→事務局の確認→補助金額の確定→精算払請求→入金です。実績報告を提出しただけでは、請求まで終わったことにはなりません。
この記事では、一般型・通常枠の実績報告から入金、その後の保管・報告までを説明します。具体的な期限は、2026年11月8日時点の第20回公募要領・第9版が基準です。別の回で採択された方は、その回の期限、補助事業の手引き、事務局の通知に従ってください。
上の図は一般的な流れです。第20回の賃金引上げ特例・賃金引上げ加点を選択した場合は、2028年3月31日より前に実績報告はできません。該当する方は、下の報告期限の分岐を確認してください。
持続化補助金の実績報告は、事業と支払いの完了後に提出する
事業完了は、どの時点で判断する?
まず確かめたいのは、計画した取組と補助対象経費の支払いが、どちらも補助事業期間内に終わっているかです。
設備を購入しただけ、サイトが納品されただけでは、取組を終えたことにならない場合があります。設備を使って計画した販路開拓を行う、制作したサイトを公開して事業に使う、広告を実際に掲載するなど、事業として実施した状況が必要です。事業の実施に関する規定を確認してください。
支払いにも注意が必要です。第20回の事業実施期限は2028年3月31日です。クレジットカードで3月中に購入しても、口座からの引落しが4月なら、期間内に支出が完了していません。カード払い・分割払い等は、引落しまで含めて確認します。
事業の完了前に、次の点を見直しましょう。
- 計画した納品・掲載・公開・使用まで終わっているか
- 対象経費の支払いと、必要な口座引落しが終わっているか
- 計画変更があった場合、必要な事前承認を受けているか
- 取組の結果と、各支出を示す資料が残っているか
これから事業を始める方は、交付決定と計画変更の注意点から確認してください。
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持続化補助金の採択後にすること|交付決定前の準備と注意点
持続化補助金の採択後にすることを、交付決定前の見積・日程準備から発注、変更、実績報告まで整理。第20回の期限と、賃金引上げ特例・加点の報告時期の違いも確認できます。
報告期限は「30日」と「最終期限」の早い方
まず、賃金引上げ特例・賃金引上げ加点を選択しているかを申請内容で確かめてください。選択していない方の実績報告は、補助事業が終了した日から30日を経過した日と、2028年4月10日のいずれか早い日までに提出します。終了には、補助対象経費の支払いも含まれます。
最終期限だけをカレンダーに入れると、早く事業を終えた場合の報告期限を過ぎるおそれがあります。まず実際の終了日を確かめ、二つの日付を比較してください。
| 早期終了の計算例 | 30日を経過した日 | 報告期限 |
|---|---|---|
| 2028年2月15日に事業・支払いが完了 | 2028年3月16日 | 早い方の3月16日 |
| 2028年3月20日に事業・支払いが完了 | 2028年4月19日 | 最終期限の4月10日 |
賃金引上げ特例・賃金引上げ加点を選択した方は別の扱いです。 終了予定日を2028年3月31日に設定する必要があり、事業自体を早く終えても3月31日より前に実績報告はできません。上の早期終了の計算例をそのまま当てはめず、4月10日の最終提出期限に向けて準備してください。公式FAQ Q6-1
期限までに必要な報告書等の提出を事務局が確認できなければ、交付決定取消しとなる旨が定められています。公募要領24〜25頁の期限と提出義務をもとに、添付資料の確認時間も含めて準備してください。
提出書類は、取組と支出がつながる形でそろえる
実績報告に必要な書類は?
実績報告書では、行った事業の内容と経費を報告します。支出内容が分かる関係書類も提出し、申請・交付決定された内容と、実際の取組・支払いを照合できるようにします。
第20回の公式FAQでは、実績報告書(交付規程・様式第8)、経費支出管理表(参考様式)、支出内訳書(様式第8・別紙)、支出を裏付ける一連の証拠書類等が案内されています。公式FAQ Q1-6を起点に、該当する書類を確認します。
基本となる資料を、次のまとまりで準備すると整理しやすくなります。
| 資料のまとまり | 何を確認するためか |
|---|---|
| 実績報告書 | どのような取組を実施し、どのような結果になったか |
| 見積・発注・契約の資料 | 計画に沿った対象・価格で、期間内に依頼したか |
| 納品・検収・請求の資料 | 依頼した内容と、納品・請求内容が対応しているか |
| 振込記録等の支払資料 | 誰に、いつ、いくら払ったか |
| 写真・広告・公開画面等 | 買っただけでなく、事業として取組を行ったか |
| 該当者の追加資料 | 特例・加点・経費区分等の条件を満たしたか |
これは準備する内容の整理です。必要書類は経費区分や申請内容で変わるため、全員が同じ書類を提出するわけではありません。採択回の手引きや公式の実績報告用チェックリストに沿って確認します。
見積から支払記録までのつなげ方は、取引書類の整理も参考にしてください。
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持続化補助金の見積書・相見積|必要書類と取引ごとの整理方法
持続化補助金の見積書・相見積について、第20回の税込50万円超の基準、中古品の別条件、1社しか取れない場合、見積の内訳、支払・証拠書類の保存を整理します。
設備の写真と、特例・加点の追加資料も確認する
第20回では、補助事業で取得する機械装置等について、台帳の整備や納品前後の写真、補助対象物件等への「第20回持続化」の表示も定められています。後から撮れない写真もあるため、納品後にまとめて考えるのではなく、実施中から準備してください。取得物の管理に関する規定に具体的な記載があります。
賃金引上げ特例やインボイス特例を利用した場合は、その要件を満たしたことを示す資料も確認します。要件を満たさなければ、上乗せ分だけでなく補助金全体が交付対象外になる場合があります。希望した特例の要件と必要手続きを、実績報告の段階でも確認してください。
賃金引上げ特例・賃金引上げ加点で採択された場合は、役員・専従者従業員を除く、補助事業実施場所の全従業員分の、実施期限日を終点とする連続12か月分の賃金台帳や、引上げ後の雇用条件を示す書類等も必要です。インボイス特例では申請時に未提出の登録通知書、小規模事業者卒業加点では終了時点の常時使用する従業員分の労働者名簿など、選択した内容によって追加資料が変わります。
公式の実績報告ページから回別の手引き等を確認できます。第20回の補助事業の手引きは、この記事の確認時点では掲載前です。公募要領で定められた義務を押さえつつ、提出時には自分の回の最新資料・操作手引きを使用してください。
入金までには、実績報告の確認と精算払請求が必要
差戻しに対応し、補助金額の確定を待つ
提出が終わったら、送信した報告内容と添付資料を保存し、申請システムの状況や事務局からの連絡を確認します。資料を準備・入力しただけでなく、提出まで完了しているかも確かめてください。
不備や不明点があると、訂正・再提出を求められます。指摘された取引について、金額、日付、宛名、納品内容、支払資料のつながりを見直し、事務局の指示に沿って対応します。
実績報告で要件を満たすと認められない経費があれば、交付決定通知に記載された金額より減る場合があります。交付決定額は、最終的に同額が振り込まれるという保証ではありません。実績報告の訂正と交付額の取扱いも確認しておきましょう。
確定通知を受けたら、精算払請求を行う
事務局による実績報告の確認が終わると、補助金額の確定通知を受けます。その後、精算払請求書を提出するのが、補助金を受け取るための次の手続きです。
公式案内では、振込先は交付決定を受けた補助事業者の名義である必要があり、口座情報を確認できる資料も添付します。通帳やネットバンキングの画面等について、必要な情報が読み取れるか、請求書の入力内容と一致するかを確認してください。
法人名、屋号、口座名義のカタカナ等を自己判断で省略せず、表示に沿って入力することが大切です。具体的な提出方法は、公式の精算払い請求案内と、採択回の操作手引きで確認します。
まだ振り込まれないときは、どこを確認する?
「実績報告を出したのに振り込まれない」と感じたときは、まず次の順に状況を確かめましょう。
- 実績報告は提出済みか。修正依頼が残っていないか。
- 補助金額の確定通知を受け取っているか。
- 精算払請求を提出し、口座情報に不備がないか。
入金までの日数は、報告内容の確認、修正対応、請求の状況等で変わります。特定の入金日を前提にせず、急いで確認する必要があるときは、採択回と各手続きの提出日を整理して担当事務局へ問い合わせてください。
入金後も、書類の保管と事業効果の報告が続く
補助金が入った後も、関係する帳簿・証拠書類は保管します。第20回では、補助事業が終了した日の属する年度の終了後5年間、閲覧に供せるよう保存する義務があります。
また、事業終了から1年後の状況について、事務局が指定する期限までに事業効果等状況報告を行います。実績報告を出したことで、この報告も済んだことにはなりません。事業終了後の効果報告の義務を確認し、通知を見落とさないようにしましょう。
取得した設備等の処分にも制限がある場合があります。補助金を受け取った後なら自由に売却・廃棄できるとは限らないため、対象財産の処分を考えたときは、実行前に事務局へ確認してください。
最初に、賃金引上げ特例・加点を選択しているかと、事業・支払いの完了状況を確認し、自分の実績報告期限を書き出してください。そのうえで取引ごとの資料を照合し、報告・確定・請求のどこまで終わったかを管理すると、入金までの手続きを追いやすくなります。
制度全体の対象者・申請・採択後の流れは、持続化補助金の総合ガイドで確認できます。
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小規模事業者持続化補助金の総合ガイド|対象・申請・採択後まで
小規模事業者持続化補助金第20回の対象者、補助額・自己負担、対象経費、様式4と申請期限、採択後から入金までを整理。必要な準備を関連記事へ案内する総合ガイドです。