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神戸のサクセスファン行政書士事務所

医療法人の解散・清算|兵庫県への認可申請と診療所廃止の違い

「診療所を閉めたので、医療法人も終わったと思っていた」「解散認可を受ければ、残った預金を分けてよいのか」。診療を終えるときは、施設を閉じる手続きと、法人を終了させる手続きを分けて進める必要があります。

診療所の廃止、医療法人の解散、清算の結了は別の段階です。解散した後も、債権・債務や残余財産を整理するため、法人は清算の目的の範囲で存続します。

この記事は、兵庫県所管の既存医療法人で、診療を終えて法人も終了させたい理事長・事務担当者の方を対象にしています。主に社団の医療法人が通常の解散認可を受ける場合を中心に、県への相談前に整理する事項と、認可後に残る手続きを説明します。合併や破産は、ここで示す通常の清算と同じ流れではありません。

診療所を廃止しても、医療法人は自動的には消滅しません

診療所の廃止は、その医療施設での診療を終えるための手続きです。一方、医療法人の解散は、法人が清算へ進むための段階であり、その時点で預金、借入、契約、未払金がなくなるわけではありません。

段階整理する対象それだけでは終わらないこと
診療所の廃止医療施設の開設関係法人の解散・清算、保険医療機関の廃止等
医療法人の解散解散理由に応じた決議・認可・届出等債権回収、債務弁済、残余財産の処分
清算の結了清算事務の完了結了の登記や県への届出も確認する

兵庫県の解散Q&Aでも、施設の廃止と法人の解散・清算を区別しています。まず、診療所だけを閉じるのか、法人自体も終了させるのかを明確にしましょう。兵庫県・医療法人解散認可の案内とQ&A

法人を存続させて別の医師へ引き継ぐ計画がある場合は、解散を前提にせず、医療法人の総合ガイドから承継時の確認事項を整理してください。

解散の理由によって、認可申請と届出が分かれます

医療法人の解散は、すべて「解散届」を提出すればよいものではありません。兵庫県は、医療法第55条に沿って、解散事由ごとの扱いを案内しています。

解散の主な理由県への手続きの考え方
社員総会の決議による解散(社団)知事の認可が必要。決議だけでは解散の効力は生じない
目的とする業務を実現できなくなったことによる解散知事の認可が必要
定款・寄附行為に定めた解散事由の発生解散の届出が必要。事前に県へ相談する
社員の欠亡による解散(社団)解散の届出が必要。役員の退任とは区別して確認する
合併、破産手続開始の決定、設立認可の取消しそれぞれの手続きに従う。通常の任意解散と一括しない

ここでいう社員は、社員総会を構成する人であり、診療所の従業員ではありません。また、理事長が亡くなった、退職したという事情だけで、すべて同じ解散理由になるわけではありません。現在の社員・役員の状況、定款、診療継続の可能性を示して、どの事由に当たるか確認してください。

社員総会の決議による場合、医療法は原則として総社員の4分の3以上の賛成を求め、定款に別段の定めがある場合の取扱いも設けています。議事録のひな形を埋める前に、自法人の定款と招集・決議の条件を確認しましょう。医療法第55条

兵庫県では、申請書を出す前の相談・ヒアリングが必要です

社員総会の決議による通常の解散認可の流れ。施設・保険等の廃止は別に確認します。

解散認可の申請では、兵庫県保健医療部医務課医療指導班への事前相談、理事長へのヒアリング、申請書案の提出・補正、本申請、医療審議会の審議、知事の認可という流れが案内されています。ヒアリングは必須で、来庁のほかオンラインも相談できます。

県の掲載スケジュールは、申請書案の提出期限が毎年5月末・9月末、認可がそれぞれ12月頃・翌年3月頃という目安です。審議会の日程や申請内容で変わるため、希望する廃止日から逆算して、早めに相談してください。認可日や清算結了日を記事の目安だけで確定することはできません。

電子申請は、開始時期と対象手続きを確認します

2026年11月3日の確認時点で、県の解散認可ページには、2027年度第1回目以降に電子申請を開始し、申請書案の入力期間を2027年4月1日~5月31日とする予告が掲載されています。

掲載Q&Aの電子申請の説明を見て、現在どの申請でもすぐ送信できるとは判断しないでください。申請を予定する回の提出方法と、本申請の案内を、事前相談時に確認しましょう。認可後の解散登記完了届などの電子届出とも区別が必要です。兵庫県・解散認可、医療法人の電子申請・届出一覧

認可申請では、解散理由と財産の見通しをそろえます

県の専用ページには、必要書類一覧と、申請書・議事録・残余財産処分案などの様式が掲載されています。主な準備資料は次のとおりです。

  • 医療法人解散認可申請書、解散理由書
  • 解散、認可申請、清算人の選任等を決議した社員総会議事録
  • 財産目録、貸借対照表、残余財産処分案
  • 役員及び社員の名簿、原本証明書
  • 該当する場合の死亡・病気に関する資料、退職金規程、債権放棄関係資料、診療所廃止届の写し等

財産関係の書類は、同じ基準日で数字をそろえます。県の必要書類一覧では、申請書案を5月に提出する場合は3月末、9月に提出する場合は8月末を基準とし、財産目録・貸借対照表・残余財産処分案を同じ日付で作る扱いです。金額が変わったときの差替えも案内されています。兵庫県・必要書類一覧

残余財産処分案では、今ある預金だけでなく、今後入金される診療報酬、資産売却、給与、賃料、未払金、解散・清算の費用なども見込みます。診療終了後にも支出が続く可能性があるため、税理士等と数字を確認し、金額の根拠を説明できるようにしておきましょう。

申請書案の提出前に、必ず診療所を休止するのですか

県のQ&Aでは、本申請までに残余財産を確定できるのであれば、申請書案の提出時に休止している必要はないとしています。一方、賃料負担などから認可前に廃止したい場合は、県への事前相談が必要です。

「先に閉めなければ申請できない」「認可まで絶対に閉められない」と一律に考えず、診療終了日、賃貸借の解約日、入出金の予定を合わせて相談してください。兵庫県・解散認可Q&A Q4・Q8

解散後は、清算人が債権・債務と財産を整理します

通常の解散では、定款や社員総会の決議等に従って清算人を確認します。清算人は、残っている事務を終え、債権を回収し、債務を弁済し、残余財産を引き渡す役割を担います。理事長を退いたら誰も法人の事務をしなくてよい、という状態にはできません。

登記と県への届出を、別々に管理する

県のQ&Aは、認可後の流れとして、解散・清算人就任の登記と届出、官報公告、債権債務の整理、残余財産の処分、清算結了登記・届出を示しています。

確認する県への届出主な添付・確認事項
医療法人解散登記完了届(様式16号)登記事項証明書
清算人の就任登記届(様式19号)登記事項証明書、履歴書、就任承諾書。理事以外を社員総会で選任した場合は議事録等
医療法人清算結了届(様式20号)登記事項証明書、清算結果・残余財産の処分内容等

登記をすれば県にも自動で届く、県に提出すれば法務局の登記も終わる、というものではありません。電子届出でも、登記事項証明書の原本は医務課へ郵送する案内があります。兵庫県・届出一覧

通常の解散登記と清算結了登記には、それぞれ解散・清算結了から2週間以内という登記期限があります。認可が必要な解散を、社員総会の決議日だけで起算して考えないでください。県の年間予定表と登記の法定期限は別のものとして、必要な日付・書類を法務局や司法書士等へ確認します。組合等登記令第7条・第10条

債権者への公告・催告を省略しない

医療法では、清算人の就職から2か月以内に少なくとも3回の官報公告を行い、債権の申出期間を2か月以上設けるとされています。分かっている債権者には、個別の催告も必要です。「借入先は把握しているから公告は不要」とは判断できません。

認可を受けた直後にすべての清算が完了するわけではないため、この期間を含めた日程を組みます。債務を完済できないことが清算中に明らかになった場合には、医療法上、清算人に直ちに破産手続開始の申立てをする義務があります。通常の清算として無理に進めず、早期に弁護士へ相談してください。医療法第56条の8・第56条の10

残余財産は、定款と持分の有無を確認してから扱います

残余財産は、債務や清算費用を整理した後に残る財産です。口座残高をそのまま自由に分けられるわけではありません。現在の定款、持分の有無、設立時期やその後の変更を確認し、誰に帰属させるのかを検討します。

持分のない医療法人では、残余財産の帰属先に医療法上の制限があります。既存の持分のある医療法人では、経過措置や定款の確認が必要です。「医療法人だから全部寄附する」「出資したから必ず出資割合で分ける」と、どちらにも一律に決めつけないでください。医療法第44条第5項、厚生労働省・持分なし医療法人への移行に関する手引き

県の残余財産処分案や議事録の記載例には、出資額に応じた分配の例があります。しかし、この文面がすべての医療法人に使えるわけではありません。ひな形の処分方法をそのまま転記せず、自法人の定款・類型に合う内容を県と専門家へ確認してください。兵庫県・残余財産処分案

退職金、債権放棄、財産の分配・寄附に伴う税務判断も別に必要です。例示された金額を相場や認められる金額と捉えず、税理士等の確認を受けます。

診療所・保険・雇用・契約の終了も、担当を分けて確認する

法人の解散・清算と並行して、施設や事業に関する手続きも整理します。

確認する事項主な確認先
診療所の廃止、診療用エックス線装置等施設所在地を所管する保健所等。神戸市は市の医務薬務担当・各保健センター
保険医療機関の廃止等近畿厚生局の管轄窓口
税務申告、残余財産・退職金・債権放棄の税務税理士・税務署等
職員の退職、労働・社会保険社会保険労務士・関係行政窓口。紛争は弁護士
賃貸借、リース、借入、保証、債務整理契約相手、金融機関、必要に応じ弁護士等

施設の廃止届と保険医療機関の廃止届は提出先が異なります。薬品・麻薬、設備、廃棄物なども、取扱状況に応じて確認してください。神戸市・医療施設の手続き、近畿厚生局・保険医療機関の申請・届出

患者への案内や紹介先、診療録などの保管、診療終了後の連絡窓口も、施設を閉める前に整理しておく事項です。法人の書類だけを先に片づけず、医療提供を終える準備と日程を合わせましょう。

最初の相談に持っていく資料

まずは、次の資料・予定をそろえると、解散理由と必要手続きを確認しやすくなります。

  1. 現行定款、登記事項証明書、設立・変更の認可関係書類
  2. 社員・役員の名簿、持分の有無が分かる資料
  3. 直近の決算書、預金・未収金・借入・未払金の一覧
  4. 賃貸借、リース、雇用、保証など継続する契約
  5. 診療終了・施設廃止の予定日、すでに提出した届出の控え
  6. 清算人候補と、すでに相談している専門家

サクセスファン行政書士事務所へ相談する場合は、解散を考える理由と、診療所の廃止が予定段階か完了済みかをお知らせください。県への認可申請・届出など行政手続きについて、対応可否・依頼範囲・費用を確認できます。登記申請の代理、税務、債務整理や紛争まで行政書士が単独で扱う前提ではありません。

電話:090-3542-8440

確認日:2026年11月3日。申請時は最新の県の案内、実際の定款・財産・債務の状況に照らして確認してください。