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神戸のサクセスファン行政書士事務所

障害福祉サービス受給者証とは?手帳との違いと申請から利用まで

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「障害者手帳を取ったのに、サービスを使うには受給者証も必要と言われた」「まだ手帳がないので、相談してよいか分からない」。初めて障害福祉サービスを利用するときは、手帳と受給者証の関係で迷うことがあります。

障害福祉サービス受給者証は、利用するサービスの種類や量、支給決定の有効期間などを示すものです。障害者手帳とは別の手続きで交付され、手帳を持っているだけでサービス利用が始まるわけではありません。 一方、障害や疾病の確認方法によっては、手帳がなくても対象になります。

この記事では、成人の本人・家族が初めて利用する場合を中心に、相談先、申請の進め方、受給者証が届いてから確認することを説明します。使いたいサービスの名前がまだ分からなくても、暮らしや仕事で困っていることから相談を始められます。

受給者証と障害者手帳は、何が違う?

障害者手帳は、障害の状態について各制度に基づく認定・判定を受けたことを示すものです。「障害者手帳」は、身体障害者手帳・療育手帳・精神障害者保健福祉手帳をまとめた呼び方です。

これに対して障害福祉サービス受給者証は、市区町村がサービス利用の必要性などを確認して行う「支給決定」の内容を示します。

比べるもの 主な役割
障害者手帳 障害の状態を確認し、各種の支援を受ける際に用いる
障害福祉サービス受給者証 支給決定されたサービスの種類・量・期間などを示し、サービス利用時に事業所へ提示する

たとえば手帳を持っていても、居宅介護や就労移行支援などを利用するためには、希望するサービスについて支給申請を進める必要があります。受給者証が交付されても、希望する事業所への入所や採用まで決まったわけではありません。事業所との調整・契約は別に行います。

なお、自立支援医療や指定難病の医療費助成にも「受給者証」という名称の証書があります。これらを持っていても、障害福祉サービスの支給決定を受けたことにはなりません。窓口では、証書に書かれた正式名称と「どの支援を使いたいか」を伝えてください。

根拠:厚生労働省「障害者手帳について」、支給決定事務処理要領(2026年7月版、7・114~118ページ)

手帳そのものの種類や取得手順を調べたい方は、障害者手帳3種類の違いと申請のガイドをご覧ください。

手帳がない場合も、障害・疾病の確認方法を相談する

受給者証の対象になるかは、「手帳があるか」だけでは決まりません。成人の場合、国の事務処理要領では次のように確認方法が分かれています。

  • 身体障害者として利用する場合:身体障害者手帳で確認します。
  • 知的障害がある場合:療育手帳で確認します。手帳がない場合は、市区町村が必要に応じて知的障害者更生相談所に意見を求めて確認します。
  • 精神障害・発達障害がある場合:精神障害者保健福祉手帳のほか、精神障害を理由とする年金の証書、自立支援医療受給者証(精神通院)、医師の診断書などによる確認方法があります。
  • 対象となる難病等がある場合:対象疾病に該当し、制度で定める障害の程度に当てはまることを、診断書や特定医療費(指定難病)受給者証等で確認します。障害者手帳は必須ではありません。

これは、制度の対象となる障害・疾病を確認するための説明です。診断書や手帳があれば、希望するすべてのサービスを使えるという意味ではありません。 サービスごとの対象条件や、本人に必要な支援の内容も確認されます。

手帳を申請中の方も、交付まで何もせず待つ必要はありません。お住まいの市区町村の障害福祉担当窓口に、手帳の申請状況と今ある資料を伝え、「対象の確認に何を使えるか」「並行して進められる準備は何か」を聞いてください。診断書を新たに取得するのは、必要な内容や様式を確認してからにすると、取り直しを避けやすくなります。

根拠:厚生労働省の事務処理要領(7~8ページ)。難病等の対象疾病は厚生労働省の最新案内で確認できます。

相談から受給者証の交付・利用開始まで

基本は「相談 → 申請と必要な調査・計画案 → 支給決定・受給者証 → 事業所との調整・契約 → 利用開始」です。調査や計画作成を進める順序、予約の方法は自治体やサービスによって異なります。

成人の初回利用の基本的な流れです。細かな順序・必要な認定・期間は自治体やサービスで異なります。受給者証の交付だけで、希望する事業所の利用が決まるわけではありません。

1.困っている場面と希望を伝える

最初の相談先は、お住まいの市区町村の障害福祉担当窓口です。地域の相談支援窓口を案内してもらうこともできます。

「どのサービスを申請するか」を自分だけで決めてから行く必要はありません。「一人で買い物や調理を続けるのが難しい」「働きたいが、どんな環境なら続けられるか分からない」といった具体的な場面を伝えます。

家族が相談を手伝う場合も、本人の希望と、家族が負担に感じていることを分けて伝えると、必要な支援を考えやすくなります。電話で話すのが難しいときは、自治体の公式案内から、来所・筆談・問い合わせフォームなど利用できる相談方法を確認してください。

2.サービスと事業所を検討し、支給申請をする

相談を通じて必要なサービスが見えてきたら、事業所の情報を集め、市区町村へ支給申請をします。見学を希望する場合は、申請状況を伝えて事業所へ相談しましょう。

この段階では、支援内容に加えて、通える範囲、利用したい曜日・時間、受入れ状況を確かめます。見学・利用相談と、公費でサービスを利用するための支給申請は別です。 見学ができたことだけで利用開始日を決めず、自治体・相談支援・利用予定事業所で日程をすり合わせてください。

3.必要な調査と、サービス等利用計画案の作成を進める

市区町村は、本人の心身の状況や暮らし、現在受けている支援、利用の希望などを確認します。必要なサービスについては、認定調査や医師意見書等を踏まえて「障害支援区分」を認定します。

障害支援区分は、必要な支援の度合いを示す指標です。手帳の等級とは別で、すべてのサービスで認定を受けるわけではありません。

  • 居宅介護・生活介護などでは、障害支援区分の認定が必要です。
  • 就労移行支援・就労継続支援・自立訓練などでは、区分認定は必要ありません。ただし、生活状況などの確認は行われます。
  • グループホームは介護の有無や類型などで異なり、同行援護にも区分認定を行わない場合があります。

利用する支援をまとめる「サービス等利用計画案」は、指定特定相談支援事業者に依頼して作成するのが基本です。本人が望む暮らしや、解決したい困りごとを相談し、申請するサービスの内容を考えます。

相談支援事業所が見つからないときは、そのこと自体を市区町村へ相談してください。 身近な地域に事業者がない場合や、本人等が事業者以外による計画案を希望する場合には、「セルフプラン」を提出する方法があります。対象サービスによる例外もあるため、利用したいサービスを伝えて取扱いを確認します。

セルフプランは、書類だけ自分で書けばよいという選択ではありません。事業所との連絡調整や、その後の見直しを誰と進めるかも相談しておきましょう。通常の計画相談支援による定期的な確認が、そのまま付くものではありません。

4.支給決定を確認し、事業所と契約する

市区町村がサービスの種類や量などを決定すると、受給者証が交付されます。計画相談支援を利用する場合は、相談支援事業者が決定内容に基づく事業所調整を行い、サービス等利用計画を作成します。

利用予定の事業所に受給者証を提示し、支援内容、利用日、費用などの説明を受けて契約します。受給者証に書かれた内容と、実際に契約する内容を確認してから利用を始めます。

これらの基本的な手続きは、厚生労働省の事務処理要領(9~14・53~55ページ)に示されています。自治体の具体的な案内例として、神戸市の利用手順や柏市の申請案内も確認できます。

いつから使えるかは、最初の相談で確認する

受給者証が届くまでの期間は、必要な調査や認定、計画案の準備、自治体の手続きによって変わります。「申請から必ず何日」と全国共通の日数で予定を立てることはできません。

利用を始めたい時期がある方は、最初の相談で次の点を聞いてください。

  • 自分が希望するサービスでは、どの調査・認定が必要か
  • 申請書や計画案をいつまでに提出すればよいか
  • 決定の見込み時期と、利用開始日を確定できるタイミング

自立訓練や就労移行支援、就労継続支援A型などでは、暫定支給決定による利用を経て、継続利用の適切さを確認する場合もあります。受給者証が短い期間で交付されたときは、その理由と次の手続きを確認しましょう。

また、就労継続支援B型を初めて希望する方には、2025年10月から原則として、先に就労選択支援を利用する仕組みがあります。 50歳以上の方や障害基礎年金1級の受給者、就労経験があり年齢や体力の面で一般企業での雇用が困難になった方は、事前のアセスメントを経ずにB型を利用できる対象です。近隣に就労選択支援事業所がない場合などには、就労移行支援事業所等によるアセスメントを受ける取扱いもあります。B型の利用を考えていることを伝え、自分がどの手順になるかを最初に確認してください。

就労選択支援の対象・例外は厚生労働省の説明資料(77ページ)に示されています。

申請書類を集める前に、相談用メモを作る

正式な必要書類は、申請する自治体・サービス・障害等の確認方法によって異なります。他の自治体の一覧を見て、同じ書類をすべて取得する必要はありません。

まず窓口で、次の資料について「自分の場合に何が必要か」を確認してください。

  • 支給申請書と、サービス等利用計画案等の様式
  • 手帳・診断書など、障害や疾病を確認する資料
  • 利用者負担上限月額を決めるための所得・課税状況等の資料
  • 本人確認・マイナンバー確認に使うもの

課税状況を自治体側で確認できる場合など、書類の提出が省略できることもあります。主治医に書類を頼む前には、障害等の確認用なのか、区分認定のための医師意見書なのかも確かめましょう。

一方、次のメモは相談をしやすくするための任意の整理例です。正式な申請書類ではなく、分かる範囲だけで構いません。

伝えたいこと 書き方の例
困っている場面 買い物、調理、外出、仕事など、何をするときにどんな助けが必要か
本人の希望 自宅で暮らし続けたい、働く準備をしたい、通える場所を探したい
今ある支援 家族の手助け、通院先、利用中の制度・サービス
手元の資料 手帳の種類、申請中かどうか、持っている受給者証等の正式名称
時期と相談方法 利用を始めたい頃、同席してほしい人、話しやすい連絡方法

調子のよい日だけでなく、難しい日には何が起きるかも書いておくと、支援が必要な場面を伝えやすくなります。

申請資料の考え方は厚生労働省の事務処理要領(38~40ページ)、提出資料・省略の地域例は柏市の申請案内と利用負担の案内をご覧ください。

受給者証が届いたら、サービス・量・期間・費用を確認する

受給者証のレイアウトは自治体によって異なりますが、まず次の内容を確認します。

  • サービスの種類:使いたい支援が決定されているか
  • 支給量:利用できる日数・時間数などと、希望する使い方が合っているか
  • 支給決定の有効期間:いつからいつまでか。複数のサービスがある場合は、それぞれ確認する
  • 利用者負担上限月額:サービス利用料の自己負担の上限がいくらか

交付日と、サービスの支給決定期間の開始日は同じとは限りません。また、障害支援区分の有効期間と、各サービスの支給決定期間が異なる場合もあります。表紙の日付だけで判断せず、使うサービスの欄を見てください。

希望と違う内容や分からない記載があれば、自己判断で利用日数を増やす前に、市区町村と相談支援事業者へ確認します。

利用料の上限と、食費などの実費は分けて考える

障害福祉サービスの利用料は原則1割負担ですが、所得に応じた月額上限があります。1割相当額が上限より少ない月は、その少ない額が利用料の負担になります。

自宅で暮らす成人が、居宅介護や通所の就労支援などを利用する場合の基本的な上限は、次のとおりです。

所得区分の目安 負担上限月額
生活保護受給世帯 0円
市町村民税非課税世帯 0円
市町村民税課税世帯で、所得割16万円未満 9,300円
上記以外 37,200円

この場合の所得判定は、本人と配偶者を範囲として行います。「親と同居している」という理由だけで、親の収入まで含める仕組みではありません。税額の計算には調整があるため、手取り額や年収だけで自己判定せず、決定された上限額を確認してください。

上の表は、グループホーム・宿泊型自立訓練・施設入所・療養介護の費用を判断するための表ではありません。利用するサービスや年齢によって、課税世帯の区分や所得をみる世帯の範囲が変わります。療養介護では医療費等の扱いも異なるため、利用先を伝えて確認が必要です。

また、サービスの種類によっては、食費・家賃・光熱水費・日用品費などが別にかかります。受給者証の上限が0円でも、すべての支出が無料になるとは限りません。 契約前に「サービス利用料」と「その他の費用」を分けた説明を受けてください。

根拠:厚生労働省「障害者の利用者負担」、利用者負担認定の手引き(2026年6月版、7~12ページ)、神戸市の利用者負担の案内

続けて利用するときや、暮らしが変わったとき

受給者証は、一度交付されれば期限を気にせず使い続けられるものではありません。継続を希望する場合は、支給決定の有効期間を確認し、自治体が案内する時期に更新の手続きを進めます。

サービスの追加や利用量の変更を希望する場合も、現在の受給者証の範囲を確認したうえで、必要な申請を相談してください。氏名・住所・連絡先や、負担額の算定に関係する事項が変わった場合は、速やかな届出が必要です。

転居する方や施設入所を予定している方は、支給決定を行う市区町村がどこになるかも事前に確認しましょう。更新や転居の手続きを「事業所に伝えたので済んでいる」と思い込まず、自治体への手続きが必要かを確かめておくと安心です。

根拠:厚生労働省の事務処理要領(101~107ページほか)

神戸市にお住まいの方の相談先

神戸市では、区役所保健福祉部と障害者相談支援センターが、使いたいサービスや困りごとの相談先として案内されています。相談支援センターでは、電話・来所・訪問で相談を受けています。担当するセンターは、お住まいの区によって異なります。

神戸市以外の方は、お住まいの自治体の障害福祉担当窓口を確認してください。

最初の相談では、「成人の障害福祉サービスを初めて利用したい。今はこの場面で困っている。何から申請すればよいか知りたい」と伝えれば、話を始められます。受給者証の名前を覚えることよりも、本人が望む暮らしと、必要な助けを伝えることから始めましょう。

制度・公式案内の確認日:2026年11月5日