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神戸のサクセスファン行政書士事務所

創業計画書の売上見通しを根拠から作る|単価・客数から返済まで

「客単価×客数で計算することは分かった。でも、その客数を何人にすればよいのか」。創業計画書の売上見通しで手が止まるのは、この部分ではないでしょうか。

売上の根拠を作るには、計算式に入れた数字を一つずつ取り出し、何を調べ、何を確かめた結果なのかを説明します。 まだ確かめられていない数字は、仮定として分けておきます。

さらに、「買ってくれる人がいるか」と「その量を実際に提供できるか」を別々に確かめます。最後に、原価・経費を引いた利益から返済や生活費を賄えるか、入金まで資金が持つかを確認しましょう。

この記事では、数字と資料をつなぐ方法を、一人で営む美容業の架空例と、飲食・EC・内装工事・運送の違いから説明します。記入例の数字に合わせるのではなく、自分の事業の見通しを作るための読み方です。

売上の前に「誰が、何にお金を払うのか」を決める

創業への想いや経験は、売上の数字と切り離さずに考えます。ただし、「経験が長いから売れる」では、購入までの道筋が見えません。

まず、次の順に一行ずつ書いてみてください。

  1. 経験・強み:どの仕事を担当し、何を提供できるのか。
  2. 顧客の困りごと:誰が、どんな場面で困っているのか。
  3. 提供する価値:商品やサービスによって、その困りごとがどう変わるのか。
  4. 届け方:その人はどこで知り、どう比較し、どう予約・購入するのか。
  5. 売上の単位:一回、一件、一個、一か月の何を数えるのか。

例えば、予約制の美容業で「短時間で整えたい人へ、所要時間を示したメニューを提供する」と考えるなら、価格だけでなく、施術時間、予約できる時間帯、見込み客への案内方法も数字に関係します。これは事業を考えるための例であり、そのような需要が実在すると確定したものではありません。

ここが曖昧なまま月商を決めると、価格は高付加価値サービスなのに、客数は短時間・大量提供を前提にするなど、数字同士が合わなくなります。何を売るのかを具体的にすると、調べる数字も決まります。

単価・客数・頻度・成約率・提供能力に根拠を付ける

日本政策金融公庫の『創業の手引』(2026年5月)では、売上予測の材料として前勤務先の実績、創業予定地の市場調査、顧客候補などを挙げ、業種に応じた計算方法を示しています。資料名を並べるだけでなく、どの数字の説明に使うのかまで対応させましょう。

以下は、その考え方を自分の事業へ当てはめるための整理方法です。公庫の必須提出書類一覧や内部採点表ではありません。

単価は、料金表と「実際に選ばれる組み合わせ」で考える

料金表に6,000円のメニューがあることと、平均客単価が6,000円になることは別です。低価格のメニュー、割引、追加注文、セット販売の割合によって平均は変わります。

平均客単価=各メニューの価格×利用割合の合計

説明用に、5,000円のメニューを60%、7,500円のメニューを40%の人が選ぶと仮定すると、平均は6,000円です。

5,000円×60%+7,500円×40%=6,000円

この計算のうち、料金表で説明できるのは価格です。利用割合を説明するには、試験販売、予約の内訳、条件の近い過去の販売記録などが必要になります。

近隣店の価格調査は、価格帯の比較には使えます。しかし、その価格で自分の商品が売れることまで証明するものではありません。調査日、対象地域、サービス内容の違いも残してください。

また、税込・税抜、送料込み・別、値引き前・後を混ぜないようにします。計画書の単位と会計処理について不明な点があれば、相談時に確認しましょう。

客数は、どこから来る人なのかを分ける

客数は「一日○人」という合計だけでなく、集客経路ごとに考えると確かめやすくなります。

  • 自分が適法に利用できる顧客情報から、利用意向や予約を確認できている人
  • 店頭や地域での案内を見て来る人
  • Web検索、SNS、広告などを通じて来る人
  • 取引先や既存顧客からの紹介で来る人

予約記録は予約の存在を説明できますが、キャンセルや未入金の可能性までは消せません。問い合わせの記録は関心の存在を示しますが、購入の約束とは区別します。

SNSのフォロワーや商圏人口も、顧客候補を考える材料です。ただし、対象地域にいる人、価格や内容が合う人、実際に購入する人が何人いるかは別に検討します。フォロワー1,000人を、そのまま見込み客1,000人として売上に入れないことが大切です。

同じ人がSNSと紹介の両方に含まれていないかも確認してください。

来店頻度は「人数」と「延べ回数」を分ける

一人が月に二回来れば、顧客は一人でも来店は二回です。継続利用型の事業では、次のように分けられます。

月の利用回数=利用する顧客数×一人当たりの月間利用回数

根拠には、再予約の記録、利用間隔、継続契約、条件の近い過去の記録などを使います。例えば「二か月に一回」の利用を月平均に直すと0.5回ですが、開業初月から全員が均等に来るとは限りません。

初回利用と再利用を別に積み上げるなら、一人の初回来店を両方へ入れないようにします。継続が前提の計画では、途中で利用しなくなる人や、来店間隔が延びる場合も確かめておきましょう。

成約率・購入率は、分母と期間をそろえる

受注型の仕事なら、次の式が使えます。

受注件数=対象となる商談件数×成約率

ECなら、公庫の手引にも示されているように、集客数、購入率、客単価を組み合わせて売上を考えられます。

ここで重要なのは、「何件のうち何件か」です。名刺交換した件数、具体的に見積もりを出した件数、条件を詰めている件数では、成約率の意味が違います。Webでも、閲覧回数、訪問数、訪問者数を途中で入れ替えてはいけません。

試験販売で10件中2件が購入したなら、その試行の購入割合は20%です。ただし、知人中心、特別割引、短い実施期間などの条件があれば、そのまま通常販売へ当てはめられるかは未検証です。

調査メモには、対象、期間、価格、集客方法、分母、成立件数を残します。計画の率だけを残すより、あとから見直しやすくなります。

提供能力は、設備数だけでなく人と時間から確かめる

需要があっても、対応できる量を超えては売れません。施術、製造、工事、配送などでは、次を確認します。

  • 一件当たりに必要な作業時間
  • 準備、片付け、移動、事務作業の時間
  • 実際に働く人数と勤務時間
  • 同時に使える設備・車両の数
  • 仕入れ、外注、発送などの上限

根拠は、作業時間の測定、勤務予定、設備仕様、仕入先や外注先の回答などです。設備の最大能力を、そのまま毎日の稼働実績として扱わないようにします。

参考:日本政策金融公庫『創業の手引』2026年5月、冊子29〜34ページ

需要と提供上限を別々に計算する

ここからは、一人で施術する美容業を例にします。金額、顧客数、時間、費用はすべて説明用の仮定です。実在の事務所案件、公庫の記入例、業界相場ではありません。

一人で施術するなら、椅子が三台でも三人分にはならない

仮に、準備と片付けを含めて一枠60分、一日に提供できる枠を6枠、営業日を月22日とします。この例は、一人が一度に一人を担当する前提です。

提供上限=6枠×22日=月132回

椅子が三台あっても、この人員と作業方法のまま132回を三倍にはできません。逆に、作業を分担して同時進行できるなら、その工程と人員を具体的に組み直して計算します。

132回は、設定した条件で埋められる枠の上限です。132回の予約が入るという需要の根拠ではありません。

需要側の見込みを置き、上限と照合する

平均客単価を6,000円、月の来店回数を創業当初55回、軌道に乗った後90回と仮定すると、月商は次のとおりです。

項目創業当初軌道に乗った後
平均客単価6,000円6,000円
月の来店回数55回90回
売上高33万円54万円
132枠に対する利用割合約42%約68%

ここで「上限以内だから妥当」と判断して終わらせてはいけません。55回や90回を、誰が、どこから、どの頻度で利用してくれるのかで説明します。

例えば、開業前の自分の試行サービスなどを通じて接点がある顧客候補と、新規の初回来店を分け、次のように仮置きできます。

  • 創業当初:顧客候補60人×月0.5回+新規の初回来店25回=55回
  • 軌道後:顧客候補80人×月0.75回+新規の初回来店30回=90回

この内訳も、数字を分解するための仮定にすぎません。 顧客候補の人数は利用意向や予約、頻度は再来店の記録、新規分は集客経路の実績などで検証します。候補者全員が利用する前提になっていないか、初回来店と再来店を重ねて数えていないかも見直してください。

仮に、需要側では月160回を見込めても、今の提供上限は132回です。人員や工程を変えるのか、予約を翌月へ回すのか、受けられない注文を見込むのかを決めなければ、160回分をそのまま売上にできません。

一方、予約は平日昼と土日で偏ることがあります。月全体の枠に余裕があっても、希望が集中する時間帯に受けられるかは別に点検しましょう。

業種が変わると、数量の単位と確認する資料が変わる

公庫の手引には、飲食・理美容などの設備と回転数、小売の来店客数、ECの集客数と購入率、運送の設備能力など、異なる計算方法が掲載されています。どれか一つの式へ無理に当てはめず、自分の売り方に合わせます。

次は、その考え方を実際の資料確認へつなぐ例です。

業種売上を分ける単位前提を確かめる資料・記録の例
飲食昼夜・曜日別の客単価×来店客数メニュー構成、現地の通行・来店調査、試験営業、席数と厨房・接客の対応能力
美容メニュー別単価×施術回数予約・再来店の記録、施術時間、担当人数と勤務予定
EC集客数×購入率×客単価流入経路別の計測、注文・返品記録、在庫と発送可能数
内装工事工事の種類別受注単価×対応件数見積書、発注・契約の状況、現場工程、材料・外注の見積もり
運送運賃の単位×実行できる配送数・便数取引条件、配送ルートと所要時間、運転者・車両の稼働予定

飲食では、席数が足りても厨房や接客が追いつかないことがあります。ECでは、広告で集客を増やすなら広告費も増え、注文が増えても欠品や返品があれば計画との差が出ます。

内装工事の「一件」は、同じ金額・期間の仕事とは限りません。受注予定と契約済みを分け、施工可能な時期、支払いを受ける条件まで見ます。運送も、一個当たり、一便当たり、一日当たりなど、実際の契約と同じ単位で計算してください。

売上の計算と、営業に必要な許認可・人員等の条件は別に確認します。 工事や運送の種類によって制度が異なるため、この表だけで営業できるとは判断しないでください。必要な条件を満たす時期を、開業・稼働開始の予定へ反映します。

創業当初から軌道後へ増える理由を、数字で説明する

公庫の創業計画書には、創業当初と「1年後又は軌道に乗った後」の月平均の見通しを記入する欄があります。後者には、その時期も示します。最新の様式は公庫の各種書式ダウンロードで確認できます。

売上が伸びると考えるなら、倍率だけでなく、何が、いつ、どれくらい変わるのかを書きます。

先ほどの例の55回から90回への増加なら、顧客候補が60人から80人へ増える理由、月間利用頻度が0.5回から0.75回へ変わる理由、新規来店が増える経路が必要です。

  • 開業前に始めた案内が、いつ予約につながる見込みか
  • 初回利用者の再来店が、何か月目から加わるのか
  • 取引先との開始予定は、どこまで決まっているのか
  • 人員・設備の追加が必要なら、いつ稼働し、費用はいくら増えるのか

公庫の記入例に増収の倍率が書かれていても、その例の前提に基づく数字です。自分の計画へそのまま移す基準ではありません。

軌道後に月90回を見込むとしても、初月から90回で計算すると、立ち上がり中の資金不足が見えなくなります。月ごとに55回、60回、70回と増えるのか、繁忙期や閑散期があるのかを、別の月別計画で確かめましょう。

売上から利益、返済、資金繰りへつなげる

売上の根拠ができたら、それを実現するための費用を同じ前提で置きます。仕入れ・材料・外注は見積もりや取引条件、人件費は人数・時間・単価、家賃は物件条件などから積み上げます。

広告費、予約サイト等の利用料、決済手数料、通信費、消耗品、保険など、自分の事業で必要になる支出も確認してください。売上を増やす施策に必要な費用を落とさないことが大切です。

利益が出ても、その額を全部返済には回せない

同じ美容業の架空例で、原価率を売上の10%、月の経費を21万円とします。21万円には支払利息と、現金支出を伴わない減価償却費2万円を含めたものとします。借入元金の返済、事業主本人の生活費は、この経費には入れていません。

この例では、来店が増えても人員や広告費を追加せず、原価以外の経費を据え置く単純化をしています。実際に増客のための広告、増員、設備追加などが必要なら、その費用も増やして計算します。

項目創業当初軌道に乗った後
売上高33万円54万円
売上原価3.3万円5.4万円
経費21万円21万円
利益8.7万円27.6万円

さらに、月の借入元金返済を5万円、生活費を15万円、税金等に備える取り分けを2万円と仮定します。

返済・家計・税金等の取り分け後の余裕額

利益+経費に含めた減価償却費−借入元金返済−生活費−税金等の取り分け

  • 創業当初:8.7+2−5−15−2=マイナス11.3万円
  • 軌道後:27.6+2−5−15−2=プラス7.6万円

創業当初は利益が8.7万円出ていても、この条件では返済と生活費等を賄えません。売上を増やす、価格・費用・開業規模を見直す、立ち上がりに備える資金を確保するなど、事業の組み立てに戻って考えます。

減価償却費を足しているのは、すでに経費として利益から差し引いている一方、この月に同額の現金が出る費用ではないためです。経費に含めていない場合に、さらに足してはいけません。設備を買うときの支払いは、別に資金繰りへ入れます。

元金返済と利息も区別します。この例では、利息は21万円の経費に含めたので、計算の最後にもう一度引きません。

公庫の手引でも、返済元金と家計費は経費に含めない整理が示されています。個人事業では事業主本人分を経費の人件費に含めず、法人の記入例では役員報酬を人件費に含めています。個人の生活費と法人の役員報酬を同じように扱わず、自分の事業形態に合わせてください。

利益と減価償却費から返済の見通しを考える方法は、公庫『創業の手引+ 美容版』の返済計画(冊子2ページ、PDF通し5ページ)も参考になります。

売上が下がったとき、どこまで持つかを見る

軌道後の売上54万円が20%下がり、43.2万円になった場合も計算します。20%は説明のための下振れ幅であり、公庫の審査基準ではありません。

原価率10%、経費21万円を変えないと、利益は17.88万円です。

43.2−4.32−21=17.88万円

返済・家計・税金等の取り分け後は、次のようになります。

17.88+2−5−15−2=マイナス2.12万円

売上が20%下がっても利益は黒字ですが、予定している支払いと生活費等を賄うには不足します。「黒字か」だけでなく、「必要なお金が残るか」まで見る理由がここにあります。

反対に、この例で余裕額をゼロ以上にするには、売上の90%から経費21万円を引き、減価償却費2万円を足した額で、元金返済・生活費・取り分けの22万円を賄う必要があります。

必要月商の目安=41万円÷90%≒45.6万円

単価6,000円なら、月76回の来店が一つの目安になります。ただし、これは必要額から逆算した目標であり、76回の需要があるという根拠ではありません。 客数の根拠に戻って、無理なく届くかを確かめます。

月平均だけでなく、入金日と支払日で並べる

先ほどの余裕額は、売上と原価・経費の現金部分がその月に入出金されるとし、売掛金・買掛金の増減や新たな設備購入などを省いた簡単な試算です。税金等の取り分けも、納付日そのものを表していません。

実際の預金残高は、次の式で別に確認します。

月末の資金残高=月初の資金残高+その月の入金−その月の支払い

例えば工事代金が翌月以降の入金なら、売上が立った月に材料費や外注費だけが先に出ることがあります。ECの売上も、決済事業者から振り込まれる日で考える必要があります。

同じ架空例で来店回数が55、60、70、75、80、90回と六か月かけて増える場合、取り分け後の余裕額は次のようになります。

月来店回数その月の余裕額
1か月目55回−11.3万円
2か月目60回−8.6万円
3か月目70回−3.2万円
4か月目75回−0.5万円
5か月目80回+2.2万円
6か月目90回+7.6万円

この試算では、累積不足は4か月目の23.6万円が最大です。5か月目から月ごとの余裕額がプラスになっても、それまでの不足がすべて埋まるわけではありません。

23.6万円だけ用意すれば足りるという意味ではありません。開業前の支払い、入金の遅れ、設備購入、税金等の実際の納付時期、下振れへの備えも加え、手元資金が最も少なくなる時点を見ます。取り分けたお金を別管理する場合も、納付時に二重に差し引かないようにしてください。

根拠資料は「数字・資料・条件・未確認点」でまとめる

ここまで検討した内容は、手元のメモへまとめると計画書に移しやすくなります。

書く項目記入する内容
数字何を、何人・何回・何円で見込むか
根拠資料資料名、作成・調査日、該当箇所
使える条件地域、顧客層、価格、営業日、集客方法など
残る仮定まだ確かめられていない点、今回と条件が違う点
次の確認誰に何を確かめるか、どの試行で調べるか

例えば「平均客単価6,000円」とだけ書かず、「料金表の二つのメニューを、利用割合60%・40%として計算。価格は決定済み、割合は試験販売で確認する」と分けます。これなら、数字のうち何が決まり、何が未検証なのかが見えます。

契約書や発注書なら、締結・発注の有無だけでなく、対象商品、数量、価格、開始時期、解約等の条件、入金日が、今回の予測と合っているかを見ます。意向書や口頭の予定を、確定受注と同じ欄に混ぜないようにします。

計画書には、金額と増減理由を短くつなげる

先ほどの架空例を、説明の形へまとめると次のようになります。

記載の組み立て例

創業当初の月商は、平均客単価6,000円×月55回=33万円と見込む。客単価はメニュー価格と利用割合から算出し、来店回数は既存の顧客候補からの利用と新規来店に分けて積み上げる。施術者一人で月132枠を提供できる計画とし、時間帯別の予約集中も確認する。軌道に乗った後は月90回、月商54万円を見込むが、その時期と増加理由は、予約・再来店・集客の記録で説明する。

これは文章の組み立て方を示す例です。そのまま転記せず、人数・割合の実際の根拠、軌道に乗る年月、費用の変化を自分の資料で補ってください。未検証の数字を、確認済みの実績として書き換えてはいけません。

計画書の欄に収まらない場合は、計算の内訳や資料との対応が分かる補足を用意すると説明しやすくなります。提出する資料や形式は、実際の相談・申込みの案内で確認します。資料の点数だけで十分・不十分が決まるというものではありません。

根拠がまだ弱いときは、最も影響する仮定から確かめる

開業前には、実績が十分にないこともあります。その場合は、都合のよい数字で埋めるのではなく、売上や資金不足を大きく左右する仮定から調べます。

例えば、単価は料金表で決まっていても新規客数が読めないなら、先に集客経路を試します。受注見込みはあっても工期が読めないなら、施工手順や外注の空き状況を確認します。

  1. いちばん不確かな数字を一つ選ぶ。
  2. 条件を決めて、利用意向の確認、予約受付、試験販売、作業時間の測定などを行う。
  3. 価格、対象、期間、件数と結果を記録する。
  4. 計画の数字へ反映し、下振れした場合も再計算する。

試行は、必要な許認可や場所のルールを満たす範囲で行ってください。前勤務先の顧客名簿や非公開資料を無断で持ち出さず、自分が適法に利用できる情報を使います。過去の実績を参考にする場合も、当時のブランド、立地、人員、広告費などの条件と、独立後の違いを書き添えましょう。

数字を見直した結果、予定の規模では続けにくいと分かることもあります。それも計画を作る意味の一つです。提供内容、価格、営業時間、人員、開業時期を変えると成り立つか、資金を使う前に確かめられます。

自分の計画を点検し、説明しにくい部分を相談へ持っていく

まずは、自分の売上の式を一つ書き、使った数字の根拠と、まだ確かめていない点を並べてみてください。公庫の創業計画書セルフチェックも活用できます。収支計画のチェックでは、売上・原価の計算根拠、経費の漏れ、返済の見通しなどを確認できます。

この公開チェックは、準備や見直しに使うものです。点数を付けて融資の可否を判定する内部審査表としては扱えません。

相談時には、計画書に加えて、数字の内訳、根拠資料、未確認点、売上が下がった場合の試算を持っていくと、何を確認したいのかが伝わりやすくなります。様式や作成の解説は公庫の創業計画の書き方、予約方法は公庫の来店・オンライン相談案内で確認できます。

創業計画書全体の項目から確認したい場合は、関連サイトの創業計画書の書き方も参照できます。

事業の強みや顧客へ届ける価値を、数字とつながる説明資料にまとめにくい場合は、サクセスファン行政書士事務所の経営デザインシート作成支援で、強み・将来像の整理、説明資料の作成・調整、関連する事業計画との整合確認という支援内容を案内しています。金融機関への同行・代理交渉や融資の保証を行うものではありません。

売上の見通しは、未来を言い当てる数字ではありません。何を確かめ、何がまだ仮定なのかを分かるようにして、事業を続けられる計画へ近づけるための数字です。

確認日:2026年11月4日。