【結論】
事業性融資のための経営デザインシートは、許認可の申請書ではなく、自社の強みや将来像を金融機関に説明するための思考補助ツールです。
この記事では、経営デザインシートの作成代行を検討している経営者に向けて、作成の流れ、相談前に整理したい情報など、必要な情報を提供ます。
担保や保証人に頼らず、事業の将来性で融資を受けたい。そう考えたときによく聞くのが、内閣府が提唱する「経営デザインシート」です。
ただ、これは申請書ではなく、自社の「これまで」と「これから」を言葉にして金融機関に伝える対話用の資料です。
位置づけを取り違えると、準備の方向もぶれてしまいます。
「銀行員にどう説明すれば自社の強みが伝わるか」
「自力で書けるのか、行政書士に頼むべきなのか」
経営デザインシートを調べ始めた経営者の方が、最初に悩むところです。
この記事では、シートの役割・作成の流れ・相談前に整理したい情報・自力作成と作成代行の判断材料を順番に案内します。
それでは一緒にみていきましょう。
この記事でわかること
- 経営デザインシートが許認可ではなく、事業性評価の対話資料として位置づけられる理由
- 作成の基本的な流れと、ヒアリングから完成までの期間の目安
- 金融機関や信用保証協会との対話を意識した相談前の整理ポイント
- 自力で作成する場合に手が止まりやすい部分と、行政書士へ依頼できる作業範囲
- サクセスファン行政書士事務所の作成代行報酬・支払時期・返金条件
- 作成後に経営判断の材料として見直すときの視点
事業性融資 経営デザインシート 作成 代行で最初に確認する実務ポイント
はじめに確認しておきたいこと
経営デザインシートは、作成すれば融資が受けられることを保証する書類ではありません。
事業性評価融資や信用保証協会との対話で活用できる資料ではありますが、最終的な審査は金融機関や保証機関が行います。
経営デザインシートは、事業性融資の現場では対話資料とされています。
経営デザインシートを事業性融資に使いたいと考えたとき、最初に迷いやすいのが位置づけの部分です。
ココがポイント
許認可の申請書として読むのか、対話のための説明資料として読むのかを取り違えたまま準備を始めると、必要な情報や金融機関とのやり取りの目的までずれてしまいます。
逆に、作成前に役割と進め方を分けておけば、無理に網羅しようとせずに、自社にとって本当に必要な情報へ集中できます。
経営デザインシートは決まった様式に機械的に書き込む書類ではなく、自社の「これまで」と「これから」を金融機関に伝わる形で提供する資料です。
これから経営デザインシートの位置づけ、事業性評価で使われる場面、整理する中身、作成から活用までの基本的な流れ、作成期間の目安など、相談前に整理しておきたい情報を、順番に見ていきましょう。
経営デザインシートは許認可ではない
はじめに位置づけをはっきりさせておきます。
経営デザインシートは、許可や登録、届出のように行政庁へ申請して承認をもらう書類ではありません。内閣府が公表している、将来を構想するための思考補助ツール(フレームワーク)として整理されています(内閣府公式情報)。
ココがおすすめ
自社の価値の生み出し方と将来像を一枚に整理し、金融機関や関係者との対話に使う資料、と考えるとイメージしやすくなります。
記入欄を埋めること自体が目的ではなく、整理した中身を相手に伝えられる状態にすることが軸になる資料です。
この性格を踏まえると、どんな場面で使われる資料なのかも見えてきます。
※本見出しの内容は、内閣府が公開する経営デザインシートの公式資料をもとに整理しています。
事業性評価で使われる場面
「自社の場合に経営デザインシートが本当に必要なのか」と迷う方は少なくありません。
決算書の数字には出にくい強みを、金融機関へどう伝えるかで悩む場面で意識されやすい資料だからです。
金融庁は、中小企業向けの融資判断で、財務情報だけに頼らず、企業の事業内容や成長性も踏まえて評価する「事業性評価」を後押しする姿勢を示しています(金融庁公式情報)。
担保や保証人だけで判断するのではなく、その事業がこれから何を生み出せるのかも見たうえで融資を考える、という発想です。
経営デザインシートは、その対話に持ち込みやすい資料として位置づけられています。
具体的には、次のような場面で活用が意識されます。
- 担保や保証人に頼らず、事業の将来性で融資を相談したいとき
- 決算書だけでは伝わりにくい、自社の技術・ノウハウ・顧客基盤を金融機関に説明したいとき
- 新規事業や第二創業に向けて、これからの方針を金融機関と共有したいとき
- 事業承継や経営の節目で、自社の価値の生み出し方を整理しておきたいとき
一方で、用意したからといって融資が確約される資料ではありません。
最終的な審査は金融機関や保証機関が行うため、シートは「結論」ではなく「対話の入口」と考えるほうが、過度な期待や落胆を避けやすくなります。
位置づけを押さえたうえで、では実際に何を書くのかを次に確認します。
※本見出しの内容は、金融庁および内閣府が公開する公式資料をもとに整理しています。
価値創造メカニズムの整理項目
経営デザインシートは、自社の価値を生み出すしくみを「これまで」と「これから」で対比しながら一枚に整理するフレームワークです。
書く順番は決まっておらず、書ける部分から埋めて、行きつ戻りつしながら全体を整えていきます。
整理する基本要素は、次の4つです。
見るべきポイント
経営デザインシートは「これまで」と「これから」のギャップを、自社の資源(人・モノ・知財など)を組み合わせる視点で埋めていく考え方です。決算書の数字を並べる作業とは性質が違うため、最初は書きづらく感じることもあります。
整理項目は3種類のひな型(全社用、事業用、事業が一つの企業用)に共通する基本骨格で、自社の状況に合わせて使い分ける形になっています。
3種類のひな型の選び方については、内閣府および中小機構J-Net21の解説で次のような目安が示されています。
複数の事業を持つ企業が会社全体の方向性を描く場合は全社シート(全社用)、複数事業のうち特定の事業に絞って将来構想を描く場合は事業シート(事業用)、単一事業を営んでいる企業の場合は事業が一つの企業用シートが、それぞれの目安として案内されています。
多くの中小企業・小規模事業者の場合、まずは「事業が一つの企業用」から検討するのが取り組みやすいとされています。どのひな型を選んでも、基本的な考え方とフレームは同じです。
出典:内閣府 知的財産戦略推進事務局「経営デザインシート」(https://www.kantei.go.jp/jp/singi/titeki2/keiei_design/index.html)、中小企業基盤整備機構 J-Net21マンガで分かる「経営デザインシート」(https://j-net21.smrj.go.jp/special/mangadewakaru/hgc8pd0000010juj.html)
作成から活用までの基本フロー
整理項目の中身を踏まえ、次に実際の進め方を確認します。経営デザインシートの作成は、決まった順番で書類を積み上げるというより、自社の現状を棚卸ししてから将来像を描き、その間をつなぐ施策を考える、という思考の流れで進みます(内閣府公式情報)。
サクセスファン行政書士事務所の作成代行を例にすると、基本的な流れは次のように整理できます。
見るべきポイント:注目したいのは、最後の「金融機関向けのブラッシュアップ」までを一つの流れとして設計することです。社内で完結した整理に留まると、いざ金融機関と話す段階で説明し直すことになりやすいためです。
この流れは、融資の審査手続きそのものとは別物です。経営デザインシートが完成しても、その後の融資申込みや審査は金融機関の手続きに沿って別途進みます。シートはあくまで対話の土台にあたる資料、というイメージで切り分けておくと混乱しにくくなります。
※本見出しの内容は、内閣府が公開する経営デザインシートの公式資料、およびサクセスファン行政書士事務所の代行サービス情報をもとに整理しています。
作成にかかる期間の目安
作成にかかる期間は、許認可のように行政庁の標準処理期間が決まっているものではなく、内容と社内体制によって幅が出ます。ここでは、サクセスファン行政書士事務所の代行サービスを依頼した場合の目安をもとに、全体スケジュールの考え方を見ていきます。
見るべきポイント
「シートそのものを作る期間」と「金融機関側で進む手続きの期間」を分けて押さえておくと、いつまでに準備を始めれば希望時期の融資相談に間に合うかを逆算しやすくなります。融資を急ぐ場合ほど、この切り分けが効いてきます。
3週間〜1ヶ月という幅は、ヒアリング1〜2回、ドラフト作成、表現の調整、社内での確認、最終仕上げまでを含んだものです。決算書や事業計画書、社内資料の手元での参照に時間がかかる場合は、その分だけ全体期間が後ろにずれます。
完成したシートを使って金融機関へ相談する場合は、そこから先は金融機関側のスケジュールに沿って動くことになります。融資相談の予約、必要書類の提出、担当者による審査、結果の通知という段階を経るため、シートの完成イコール融資実行ではない点も、あらかじめ前提として置いておきます。
出典:サクセスファン行政書士事務所(代行サービス概要)
相談前に整理したい資料と情報
「相談に行く前に、こちらで何を用意しておけばいいのか」と迷う方が多いところです。経営デザインシートは許認可ではないため、公式に定められた提出必須書類があるわけではありません。ただし、ヒアリングをスムーズに進めるためには、自社の強みと将来像を語る土台になる情報を、手元で整理しておくと進めやすくなります。
あくまで相談前の準備物として、用意しておくと役立つ情報を整理すると、次のようになります。
見るべきポイント:これらは、信用保証協会や金融機関へ提出する公式の必要書類とは別物です。あくまで、ヒアリングで自社のことを伝えやすくするための材料です。
完璧に揃えてから相談する必要はありません。書ける部分から手元にまとめておくだけでも、ヒアリングの方向性を絞りやすくなり、結果として作成期間のロスを減らせます。逆に、整理されていないまま臨むと、ヒアリングの中で何度も「次回までに思い出してください」となり、3週間〜1ヶ月の目安が後ろ倒しになる場合もあります。
※本見出しの内容は、内閣府が公開する経営デザインシートの公式資料、サクセスファン行政書士事務所の代行サービス情報、および兵庫県信用保証協会の公開資料をもとに整理しています。なお、ここで挙げた情報は相談前の準備物であり、信用保証協会や金融機関へ提出する公式必要書類とは異なります。
補正や手戻りにつながる確認漏れ
準備物が整っても、もう一段気をつけたいのが、書類や数値のちょっとした不整合です。経営デザインシート自体に行政庁の審査があるわけではありませんが、シートを金融機関や信用保証協会との対話で使う際、添付する事業計画書や決算書類との食い違いがあると、説明のやり直しや書類の差し替えが発生しやすくなります(兵庫県信用保証協会公開資料を踏まえた整理)。
典型的に気をつけたいのは、次のような確認漏れです。
見るべきポイント:これらは、経営デザインシート本体ではなく、その周辺の融資・保証関連書類で起きやすい確認漏れです。シートの中身だけ磨いても、添付資料の整合性で説明が止まる場面があるため、両方をセットで見ておくと手戻りを減らせます。
事実と異なる数字や説明を盛り込むのも避けたいところです。経営デザインシートには「将来の構想」を書く欄があるため、多少の見栄えを優先したくなる場面もあるかもしれません。ただし、実態と乖離した内容で融資申込みに進むと、金融機関側の確認が長引き、最悪の場合は信頼関係そのものを損ねかねません。
※本見出しの内容は、兵庫県信用保証協会の公開資料および融資・保証実務の一般的な留意点をもとに整理しています。経営デザインシート本体の審査ではなく、添付する融資・保証関連書類で気をつけたい点として扱っています。
行政書士 小野馨からのメッセージ
経営デザインシートは、許認可のように「正解の様式」を埋める書類ではありません。自社の強みと将来像を、金融機関に伝わる言葉に整えるための土台です。最初から完璧を目指さず、書ける部分から少しずつ言葉にしていく姿勢で十分です。
経営デザインシートを作るうえで最初に押さえておきたい実務ポイントを踏まえ、続いて、自分で作成するか、行政書士に作成代行を依頼するかを判断するためのポイントを順番に見ていきます。
自分で作成するか行政書士に依頼するかを判断するポイント
経営デザインシートは自社で作成することもできますが、金融機関に伝わる形へまとめる段階で手が止まる場面があります。代行依頼を検討するときは、作成費用だけでなく、どこまで任せられるか、どの条件で返金対象になるかも併せて見ておくと判断材料になります。
自力作成が向くケース、自力で負担になりやすい作業、行政書士に依頼できる作業範囲、代行報酬と支払時期、返金条件と返金対象外の注意点、無資格代行や虚偽記載のリスクを、順番に確認します。
自力作成が向いているケース
「そもそも自分で作っても問題ないのだろうか」と気になる方も多いところです。結論からいえば、経営デザインシートは行政庁への申請書ではないため、経営者ご自身が作成することは十分に選択肢になります(内閣府公式情報)。
そのうえで、特に自力作成と相性がよいのは、たとえば次のような状況にある方です。
- 作成にあてる時間を社内で確保できる
- 自社の強みや将来像を、自分の言葉でまとめたい意向がある
- 作成のプロセス自体を、社内の方針共有や経営の振り返りに役立てたい
- 金融機関との対話相手やテーマがある程度決まっており、説明の要点をすでにつかんでいる
こうしたケースでは、シートを書くプロセスそのものが経営の整理になり、外部に依頼するよりも納得感のある仕上がりにつながる場合もあります。逆に、時間が取りにくい、強みの言語化に手が止まりやすい、といった負担が見えてきた段階では、代行依頼の判断軸が見えてきます。
自力作成で止まりやすい部分
「自分でやってみよう」と思って書き始めると、ふだんの業務とは違う頭の使い方が必要になり、途中で手が止まる場面が出てきます。特に経営デザインシートの場合は、過去の延長線で書く部分と、未来から逆算して書く部分が混在するため、書き慣れていないと進めにくい資料です。
自力作成のなかで、特に止まりやすいのは次のような場面です。
見るべきポイント:どこで止まるかが見えると、「自力で進められる部分」と「外部の手を借りたい部分」を切り分けられます。すべてを自力でやりきる前提で抱え込まず、止まりやすい工程だけ相談するという選択肢もあります。
時間の面でも見ておきたいところです。経営デザインシートの作成にどれくらいかかるかは事業の規模や状況によって幅がありますが、概ね30〜50時間ほど見込まれるという整理もあります(経営者の作業時間目安)。社長の時間単価が高い場合、この時間を本業から外す影響も判断材料に入ってきます。
行政書士に依頼できる作業範囲
行政書士に作成代行を依頼した場合、任せられる作業を事実ベースで案内します。サクセスファン行政書士事務所の作成代行サービスでは、経営デザインシートの作成を一連の流れとして対応しています(記事前提データ:サクセスファン行政書士事務所)。
見るべきポイント:この範囲を見ておくと、自社で対応する作業と、外部に任せる作業のラインを引けます。前のH3で出てきた「止まりやすい工程」と照らし合わせると、どの部分を依頼すれば作成期間と本業の時間配分のバランスを取りやすいかが見えてきます。
一方で、融資の審査そのものや、金融機関への同行・代理交渉は本記事で扱う代行サービスの範囲ではありません。経営デザインシートの作成と、金融機関側の手続きは切り分けて考えてください。
代行報酬と支払時期
サービス範囲を踏まえると、次に気になるのは費用面です。サクセスファン行政書士事務所の経営デザインシート作成代行は、報酬額165,000円(税込)、お支払いは着手時に全額となります(記事前提データ:サクセスファン行政書士事務所)。事業規模や、整理する部門・事業の数によって金額が変動する場合があります。
見るべきポイント:押さえておきたいのは、報酬と法定費用が別物である点と、成功報酬が設定されていない点です。融資の成否や金額に応じて報酬が変動する仕組みではなく、書類作成の対価としての固定報酬です。
返金条件と返金対象外の注意点
金額の見通しが立つと、もう一つ気になるのが「途中で進められなくなったとき、支払った金額はどうなるのか」です。誤解を残したくない論点なので、サクセスファン行政書士事務所の作成代行における返金条件を、対象と対象外に分けて案内します(記事前提データ:サクセスファン行政書士事務所)。
見るべきポイント:返金が発生するのは、あくまで当事務所側の責任で完成不可能となった場合に限られます。融資審査の結果や、依頼者側の事情で進められなくなったケースは対象外となるため、依頼を検討する段階でラインを把握しておくと、後の認識ズレを避けやすくなります。
融資の結果については、シート作成代行の責任範囲とは別の話、と整理しておくと混同が起きにくくなります。経営デザインシートは事業性評価の対話資料として活用するものですが、審査そのものは金融機関や保証機関が独自に行うためです。
無資格代行や虚偽記載のリスク
依頼先を選ぶとき、もう一段見ておきたい論点があります。コンサルティング会社や民間サービスのなかには、書類作成代行を含む形で経営支援を提供しているところもあります。ただし、その内容が官公署や信用保証協会などへの提出書類の作成に及ぶ場合、行政書士法との関係を確認しておく必要があります(行政書士法 第1条の3/第19条)。
行政書士法第19条では、行政書士または行政書士法人でない者が、報酬を得て、官公署に提出する書類などの作成を業として行うことを制限しています。2026年1月1日に施行された改正行政書士法では、この制限について「いかなる名目によるかを問わず報酬を得て」という表現が条文に盛り込まれ、「コンサルティング料」「サポート費」といった名目であっても、実態として書類作成を担っていれば対象になりうる整理がより明確になっています(日本行政書士会連合会公開資料、e-Gov法令検索)。
見るべきポイント:すべての経営デザインシート作成が常に行政書士の独占業務になるわけではありません。判断のポイントは、作成物が官公署や信用保証協会などへの提出書類の一部として扱われるかどうかです。融資相談で添付する場合は、この点を依頼前に確認しておくと安心です。
「価格が安いから」「コンサルティング契約だから」という理由だけで依頼先を決めると、依頼者側にも思わぬ影響が及ぶ場合があります。逆に、依頼先が行政書士であることが確認できれば、書類作成と経営支援の境界をきちんと意識した対応を期待できます。
自分で作成するか、行政書士に依頼するかを判断するためのポイントを踏まえ、次の章では、完成した経営デザインシートを作成後の経営判断にどう活かしていくかを確認します。
※本見出しの内容は、行政書士法(e-Gov法令検索)、日本行政書士会連合会の公開資料をもとに整理しています。具体的なケースが行政書士法上の制限に該当するかどうかは個別判断となるため、依頼前の確認をおすすめします。
作成後に経営判断へ活かすための見直しポイント
経営デザインシートは、完成したその時点で役割を終える資料ではありません。金融機関との対話の場面でも、社内で将来像を見直す場面でも、繰り返し使える土台になります。
ただし、シートを作成したからといって、融資や経営効果が約束されるわけではありません。あくまで対話と判断のための材料、という位置づけを丁寧に押さえておくと、過度な期待や落胆を避けやすくなります。
金融機関との対話資料としての使い方、作成後に見直したい項目、2026年に進む制度変化の補足を、順番に確認します。
金融機関との対話資料としての使い方
金融機関にとっても、決算書の数字だけでは見えにくい強みや将来性をどう評価するかは、向き合っている課題です。金融庁は中小企業向け融資について、財務情報に加えて事業内容や成長性も踏まえる「事業性評価」の取組みを後押ししています(金融庁公式情報)。経営デザインシートは、その対話に持ち込みやすい資料として位置づけられています。
具体的な使い方としては、たとえば次のような場面があります。
- 融資相談の冒頭で、自社の価値の生み出し方を一枚で説明する
- 決算書や事業計画書と組み合わせて、無形の強みを補足する
- 事業の方向性が変わった際に、どこが変わったのかを金融機関と共有する
- 定期的な訪問や面談で、ありたい姿への進み具合を確認する
現状の財務を示すツールとしては、経済産業省が提唱する「ローカルベンチマーク」もあります。これは企業の現在の健康状態を、財務指標と非財務情報の両面から確認するためのツールです。実務では、ローカルベンチマークで現状を共有しつつ、経営デザインシートで将来像を語る、という二段構えで対話することもあります。
見るべきポイント:シートを「結論」として渡すのではなく、「対話の入口」として持ち込むほうが、お互いに事業の理解を深めやすくなります。金融機関側にとっても、シートをきっかけに質問や確認がしやすくなるためです。
※本見出しの内容は、金融庁および内閣府、経済産業省が公開する公式資料をもとに整理しています。
作成後に見直したい項目
対話資料として持ち込む使い方を踏まえると、作成して終わりではなく、節目で見直しておきたい項目が出てきます。とはいえ、許認可のような法律で定められた更新義務があるわけではなく、あくまで経営管理の一環としての見直し、と捉えると気負わずに取り組めます。
見るべきポイント:毎回ゼロから書き直す必要はありません。前回の経営デザインシートを土台に、変化のあった部分だけを丁寧に更新する形で十分に機能します。決算後や、事業環境が大きく動いたタイミングなど、節目を一つ決めておくと習慣化しやすくなります。
2026年の制度変化は補足に留める
本記事の主役からは少し外れますが、経営デザインシートを取り巻く制度面の動きにも触れておきます。あくまで背景情報としての位置づけで、本記事内で深く立ち入る論点ではありません。
見るべきポイント:どちらも、経営デザインシートの作成や活用に直接何かを義務づける制度ではありません。事業の将来性や無形資産を金融機関と対話する流れが、政策的にも後押しされている、という背景として捉えると、本記事の内容と結びつけて理解できます。
制度の細かな内容や、具体的な金利優遇・融資条件などは、金融機関や所管庁の最新情報を直接確認したうえで判断していただくのが安心です。経営デザインシートを準備しておくと、こうした制度の流れにも備える形になりえます。
※本見出しの内容は、金融庁、日本行政書士会連合会、e-Gov法令検索の公開資料をもとに整理しています。具体的な制度の運用や、個別の融資条件については、各機関の最新情報をご確認ください。
行政書士 小野馨からのメッセージ
経営デザインシートは、一度作って終わりの紙ではなく、自社の歩み方を見直すための土台になる資料です。完璧なものを目指す必要はありません。今ある材料を、金融機関に伝わる言葉に整えていく、その一歩から始めてみてください。
事業性融資のための経営デザインシート作成代行は、サクセスファン行政書士事務所へ
ここまでで、経営デザインシートが事業性評価融資の対話資料として位置づけられること、作成期間や相談前の整理ポイント、自力作成と作成代行の判断材料、作成後の見直しの観点までを確認しました。
自社の強みや将来像を、決算書だけでは伝わらない形で金融機関へ示したい。けれども、第三者に伝わる言葉に整え直す作業に手が止まる。そんなときに、経営デザインシート作成代行という選択肢があります。
見るべきポイント
事務所報酬と法定費用は別物です。経営デザインシート自体は許認可ではないため、申請手数料や登録免許税は発生しません。返金については、事務所責任で完成不能となった場合に限られる点と、融資審査の結果や依頼者側の事情で進められなくなったケースは対象外となる点を、依頼前に確認してください。
自力作成と作成代行の判断軸
経営デザインシートは行政庁への申請書ではないため、経営者ご自身で作成することも十分に選択肢になります。自力作成と相性がよいのは、作成にあてる時間を社内で確保でき、自社の強みや将来像を自分の言葉でまとめたい意向がある場合です。
一方、強みの言語化や、過去の延長ではなく未来から逆算した将来像の設計、金融機関に伝わる表現への調整で手が止まりやすい場合は、止まりやすい工程だけを相談するという選択肢もあります。社長の時間単価が高い場合、本業から作業時間(概ね30〜50時間ほどという整理もあります)を外す影響も、判断材料に入ってきます。
ご相談の流れ
サクセスファン行政書士事務所では、相談フォームから経営デザインシート作成代行のお問い合わせを受け付けています。当事務所は行政書士法第1条の3・第19条に基づく書類作成代行サービスとして対応しており、コンサル料・サポート費といった名目で書類作成代行を行うものではありません。
相談前に手元で整理しておくと進めやすい情報
- 自社の強み・無形資産(技術・ノウハウ・顧客基盤・人材・ブランド)
- これまでのビジネスモデルと、これからの方向性
- 直近の決算書・事業計画書(手元で参照できる状態)
- 融資・相談先の想定(どの金融機関と、どんな目的の対話に使うか)
完璧に揃えてから相談する必要はありません。書ける部分から手元にまとめておくだけでも、ヒアリングの方向性を絞りやすくなります。
相談フォームで問い合わせる
サクセスファン行政書士事務所|代表 行政書士 小野馨
よくある質問
経営デザインシートを作成すれば、必ず融資を受けられますか
いいえ。経営デザインシートは事業性評価の対話資料として活用するものですが、融資の確約資料ではありません。最終的な審査は金融機関や保証機関が独自に行うため、シートは「結論」ではなく「対話の入口」と位置づけたうえで、決算書や事業計画書と組み合わせて活用するのが現実的です。
経営デザインシートの作成期間はどのくらいですか
サクセスファン行政書士事務所の代行サービスでは、ヒアリング開始から完成まで概ね3週間〜1ヶ月が目安です。事業規模や、整理する部門・事業の数によって前後する場合があります。完成後に金融機関への相談・融資の申込みを行う場合は、その分の期間が別途必要になります。
自分で作成することはできますか
はい。経営デザインシートは行政庁への申請書ではないため、経営者ご自身で作成することも十分に選択肢になります。一方で、強みの言語化、未来から逆算した将来像の設計、金融機関に伝わる表現への調整で手が止まりやすい資料でもあります。自力で進める場合は、概ね30〜50時間ほどの作業時間が見込まれるという整理もあるため、本業との時間配分も判断材料になります。
行政書士に依頼すると、どこまで対応してもらえますか
サクセスファン行政書士事務所では、ヒアリングによる強み抽出、将来ビジョンの言語化、シートのドラフト作成、金融機関への説明資料としてのブラッシュアップ、関連する事業計画書との整合性確認までを一連の流れで対応しています。一方、融資の審査そのものや、金融機関への同行・代理交渉は本サービスの範囲ではありません。
コンサルティング会社と行政書士の違いは何ですか
経営デザインシートや関連資料が官公署・信用保証協会等への提出書類の一部となる場合、行政書士法第19条との関係を確認しておく必要があります。2026年1月1日施行の改正行政書士法では、「いかなる名目によるかを問わず報酬を得て」官公署提出書類の作成を業として行うことについての制限が条文に盛り込まれ、「コンサル料」「サポート費」といった名目でも、実態として書類作成を担っていれば対象になりうる整理がより明確になっています。依頼前に、依頼先が行政書士・行政書士法人かを確認しておくと安心です。
