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神戸のサクセスファン行政書士事務所

自動車運転代行業認定の総合ガイド|要件・必要書類・費用・開業の準備

自動車運転代行業を始めるには、主たる営業所を管轄する都道府県公安委員会の認定が必要です。営業を始める前に、人員、二種免許、安全運転管理者、保険・共済、車両の表示や利用者への説明まで準備します。

特に混同しやすいのが、お客様の車を運転する人と、後ろを走る随伴車の運転者の役割です。車両の保険も一つに考えず、どの車で、誰に、どのような損害が生じた場合を補償するのかを分けて確認します。

この記事では、全国共通の制度をもとに、認定が必要なサービスの判断から申請、営業開始後の管理まで解説します。手数料や受付方法などは地域の案内を例として示し、申請先で確認すべき点を整理します。

自動車運転代行業認定が必要なサービスとは

法律上の3つの条件を、事業全体で確認する

自動車運転代行業の業務の適正化に関する法律は、他人に代わって自動車を運転する営業のうち、次のすべてに当たるものを自動車運転代行業としています。

  1. 主として夜間、飲食店等から酒類の提供を受けて酒気を帯びた人に代わり、自動車を運転するサービスであること。
  2. そのサービスを受ける人を、代わりに運転する車へ乗せること。
  3. 通常、その車に営業用の自動車が随伴すること。

飲酒したお客様をその人の車に乗せて運転し、事業者の車が後ろを走る形が典型です。法律は「主として」「常態として」という事業の実態を見ているため、ある一件だけが昼間だったことを理由に、事業全体の認定が不要とは判断できません。

一方、車だけを回送するサービスや、随伴車を使わない別の運転サービスは、名前に「代行」が付いていても同じ結論になるとは限りません。この法律の対象外なら他の規制もない、という意味でもありません。予定する業務が分かれ目にあるときは、顧客、乗車する人、車の所有者、運転者、随伴の方法、料金の仕組みを図やメモにして警察署へ確認します。

根拠:自動車運転代行業法第2条・第4条

タクシーのように、随伴車でお客様を運べる認定ではない

認定を受けても、事業者の随伴車でお客様を有償運送できるわけではありません。飲食店からお客様の車が置かれた駐車場までの短い距離でも、随伴車で有償運送する行為は道路運送法上の問題になります。

「お客様は代行運転する車に乗る」「随伴車は業務のために伴走する」という役割を、受付時と従業者教育で共有してください。乗車場所までの案内方法や待ち合わせ方法も、営業開始前に決めておく必要があります。

この注意は、岡山県の自動車運転代行業の案内にも示されています。

自動車運転代行業認定の要件と欠格事由

認定は、個人でも法人でも申請できます。ただし、法第3条に該当する人や事業者は営業できません。申請者の経歴だけでなく、法人役員、損害賠償措置、安全運転管理者の体制も確認します。

確認する分野 主な確認事項
破産の状態 破産手続開始の決定を受け、復権を得ていない状態ではないか
刑罰・命令違反 拘禁刑以上、または法に列挙された規定違反の罰金について、執行を終わるなどしてから2年を経過しているか。最近2年間の所定の営業停止・廃止命令違反がないか
違法行為のおそれ・心身の状態 法令で定める違法行為を行うおそれや、業務に必要な認知・判断・意思疎通に関する基準に該当しないか
未成年者 営業について成年者と同一の行為能力があるか。相続人には法定代理人の要件による例外がある
損害賠償措置 保険・共済が国土交通省令の基準に適合するか
安全運転管理 各営業所に必要な安全運転管理者を選任する体制があるか
法人役員 役員に、法第3条第1号〜第5号に該当する人がいないか

罰金刑なら何でも同じ扱いになるわけではなく、条文に列挙された違反かが関わります。また、2年の起算点は単純に判決日ではありません。心当たりがある場合は、罪名・刑・執行等の内容と日付が分かる資料をそろえ、申請先に確認します。

心身の状態も、病名や障害の有無だけで一律に判断するものではありません。診断書の用途と様式を確認し、医師には実際に予定する業務を伝えてください。

運転代行業務に従事する人にも、法第14条の従事制限があります。代表者が認定を受ければ誰でも採用・配置できるという制度ではないため、従事者の確認と誓約書の準備も必要です。

根拠:自動車運転代行業法第3条・第14条、国家公安委員会関係施行規則第2条・第11条

自動車運転代行業の人員・免許・安全運転管理者を準備する

お客様の車を運転する人には、二種免許が必要

お客様を乗せてその車を代わりに運転する人には、二種免許が必要です。随伴車の運転者と同じ条件だと思って採用を進めないでください。

役割 開業前の確認
代行運転自動車の運転者 お客様の車を、お客様を乗せて運転する。必要な二種免許と車種・免許条件を確認する
随伴用自動車の運転者 事業者の随伴車を運転する。その車を運転できる免許と条件を確認する
安全運転管理者 営業所の安全運転管理を担当する。選任資格と実際に管理できる体制を確認する

免許の種類だけでなく、有効期間、車両の区分、AT限定などの条件も確認します。通常の伴走型の営業では、同時に動く2台を誰が運転するのかを具体的に決め、人が欠けたときの対応まで考えておきましょう。

制度と申請上の確認は、兵庫県警察の自動車運転代行業の案内でも確認できます。

安全運転管理者は、随伴車が少なくても営業所ごとに必要

自動車運転代行業では、随伴用自動車の台数にかかわらず、営業所ごとに安全運転管理者を選任します。一般の事業所について聞いた「車が5台以上から」という基準を、そのまま運転代行業に当てはめないでください。

管理者の要件は、原則として20歳以上で、運転の管理に関する実務経験が2年以上あることなどです。副安全運転管理者を置く場合は30歳以上となります。公安委員会の教習を修了した場合の経験期間の扱いや、同等以上の能力を認める場合の扱い、過去の違反や解任命令に関する条件もあるため、年齢と運転歴だけで選任できると判断しないようにします。

随伴車が10台以上20台未満なら副安全運転管理者1人、20台以上30台未満なら2人というように、台数に応じて副管理者も必要になります。増車の予定がある場合は、車両を買う前に人員体制も確認します。

安全運転管理者の資格の根拠は、道路交通法施行規則第9条の9です。

候補者の職歴、担当していた管理業務と期間、免許や運転記録の状況をまとめ、申請先が求める資料で資格を確認します。社長や運転者が兼ねる計画でも、肩書だけで要件を満たすわけではありません。

自動車運転代行業の保険は、顧客車と随伴車を分けて確認する

法令の損害賠償措置と、標準約款の補償内容を区別する

法第12条は、代行運転自動車の運行で生じる利用者その他の人の生命・身体・財産の損害について、基準に適合する賠償措置を求めています。国土交通省の告示による補償限度額は、対人が被害者1人につき8,000万円、対物が1事故につき200万円です。

さらに、標準自動車運転代行業約款第7条の2では、次の保険・共済を締結する内容が定められています。

車両 標準約款に定める補償限度額
代行運転自動車(お客様の車) 対人8,000万円以上、対物200万円以上、車両200万円以上
随伴用自動車 対人8,000万円以上、対物200万円以上

お客様の車そのものの損害に対する「車両200万円以上」と、随伴車の補償は、上記告示の対人・対物の数値と出典が異なります。「最低限の対人・対物保険に入れば、営業に必要な補償は全部済む」と考えず、採用する約款と契約内容を合わせて確認してください。

根拠:国土交通省関係施行規則第4条、国土交通省告示の補償限度額等、標準自動車運転代行業約款

保険の金額だけでなく、対象業務・車両・期間も確認する

運転代行を業務として行う場合の事故が補償されるかを、保険会社・共済へ明確に伝えて確認します。随伴車の台数に応じて契約する方式では、すべての随伴車の台数分が対象になる必要があります。

契約時には、次の点を申請資料と照合しましょう。

  • 事業者名と営業内容が、認定申請の内容と合っているか。
  • 代行運転自動車と随伴車の事故を、それぞれどの契約が補償するか。
  • 顧客車の損害、対人・対物の限度額、免責条件がどうなっているか。
  • 必要な随伴車・台数が対象になり、営業開始日から補償されるか。
  • 認定申請に使える契約締結証明書を取得できるか。

高額な車を扱う計画では、基準額に達していることと、事故時に事業として十分な補償があることも分けて検討します。金額だけで商品を決めず、予定する業務と車両を示して説明を受けてください。更新・増車・車両入替え時も、補償の空白がないよう管理します。

自動車運転代行業認定の申請先・必要書類・流れ

主たる営業所の所轄警察署を通じて申請する

  1. 業務計画を整理する:個人・法人の別、主たる営業所と他の営業所、営業地域、車両台数、開始希望時期を決めます。
  2. 人と補償を確認する:二種免許を持つ運転者、安全運転管理者、必要な副管理者、保険・共済の候補を整理します。
  3. 所轄警察署へ確認する:主たる営業所の担当窓口へ、要件確認、必要書類、申請方法、手数料、審査の目安を尋ねます。
  4. 申請書と添付書類を提出する:内容をそろえて申請し、審査中の照会・補正に対応します。
  5. 認定通知後、営業体制を完成させる:標識、料金・約款、車両表示、従業者教育、帳簿を整え、営業を開始します。

申請するのは、主たる営業所の所在地を管轄する公安委員会です。提出は所轄警察署長を経由します。法人登記の本店、実際の主たる営業所、車両を置く場所が違う場合は、それぞれの役割と所在地を伝えてください。

物件については、事業に使える契約か、実際の管理や書類保管ができるかを確認します。営業所面積や車庫との距離について、出典のない数値を全国共通の認定要件として使わないことが大切です。

書類を、事業者・役員・管理者・保険に分ける

区分 主な準備書類
申請共通 認定申請書、営業所・随伴車に関する事項、損害賠償措置を証する書類
個人申請者 本籍等の記載のある住民票、所定の誓約書、医師の診断書など
法人申請者 定款、登記事項証明書、役員名簿、役員の住民票・所定の誓約書・診断書など
安全運転管理者等 資格・実務経験を確認する資料、履歴書、住民票、運転記録など、申請先が指定する資料
未成年者など特別な事情がある場合 営業の許可、相続、法定代理人に関する書類など

この表をそのまま提出用チェックリストにするのではなく、所在地の最新案内で必要な種類・部数・発行時期を確定します。診断書や誓約書も、使う様式を入手してから医師への依頼や署名を進めると、取り直しを減らせます。

安全運転管理者については、運転免許を長く持っていることと、運転管理の実務経験を説明できることは別です。どの職務を、いつからいつまで担当したかを書き出し、認められる資料を確認してください。

必要書類の地域例は、京都府警察の自動車運転代行業認定申請案内に掲載されています。未成年者や法人役員の範囲など、事情が異なる場合は事前に担当窓口へ伝えましょう。

自動車運転代行業認定の費用と期間

兵庫県警の案内では、認定申請手数料は12,000円、認定までの期間はおおむね45日です。京都府警も12,000円・約45日と案内していますが、申請先の最新案内で金額、納付方法、処理期間を確認してください。

45日は、相談を始めてから開業するまでの保証ではありません。管理者の要件確認、免許や人員の確保、保険契約、書類取得は申請前に必要で、申請後に補正が生じることもあります。

予算は、公的手数料に加え、証明書・診断書の取得、保険・共済、車両・表示、事務所、人材、管理用の備品、専門家へ依頼する場合の報酬を分けて考えます。二種免許の取得から始める場合と、運転者・管理者がすでにいる場合では、費用と期間が変わります。

認定の申請をしない営業や、申請に対する通知前の営業は、法第32条第1号により30万円以下の罰金の対象です。開始予定日に間に合わないときは、申請中だからと営業を先行させず、取引先への案内や開始日を調整してください。

認定後の標識・料金表・約款と、2024年の制度変更

認定証は廃止され、標識を自分で作る方式へ

2024年4月1日から、従来の認定証の交付は廃止されました。認定した旨の通知を受けた後、所定の標識を事業者自身で作成し、主たる営業所の見やすい場所へ掲示します。認定制度そのものがなくなったわけではありません。

利用者から受け取る料金と、自動車運転代行業約款も、あらかじめ定めて営業所で見やすく掲示します。距離による料金、待機料金などを設けるなら、どの場合に何がかかるかを説明できる内容にします。

ウェブ掲載の例外は「随伴車1台以下」または「サイトなし」

標識・料金表・約款は、原則として事業者のウェブサイトにも掲載する必要があります。ただし、次のいずれかに当たる場合はウェブ掲載義務の対象から除外されます。

  • 随伴用自動車の台数が1台以下である場合。
  • 事業者が管理するウェブサイトを持っていない場合。

この例外はウェブ掲載についてのもので、営業所での掲示が不要になるわけではありません。また、他業種の「従業者5人以下」という基準を運転代行業へ当てはめないでください。

兵庫県の改正案内では、ウェブサイトのトップページに実際の標識・料金表・約款を掲載する方法を示し、PDFへのリンクのみやSNS上の掲載では足りないと説明しています。自社サイトを用意する場合は、所管の案内に沿って見える位置へ実装してください。

根拠:自動車運転代行業法第6条・第11条・第13条、国家公安委員会・国土交通省関係施行規則、兵庫県の2024年改正案内

標準約款を使う場合と、独自約款を作る場合

自動車運転代行業約款は、利用者との契約条件です。国が公示した標準約款と同一の約款を定めた場合は、法令上の届出をしたものとみなされます。

独自の約款を定める、または標準約款と異なる内容に変える場合は、届出が必要です。国土交通省関係施行規則第6条では、実施予定日の30日前までに、主たる営業所を管轄する都道府県知事へ提出する手続きを定めています。警察署への認定申請だけで約款の手続きもすべて終わるとは限りません。

標準約款の文面を変える場合は、料金、補償、引受け・拒絶、責任、解約等の関係を確認し、変更予定日を決める前に所管窓口へ相談してください。

自動車運転代行業の営業中に守る表示・説明・記録

運転前に酒気帯びの有無を確認する安全運転管理のイメージ

車両表示と、サービス開始前の説明を用意する

お客様の車には代行運転自動車の標識を表示し、随伴車には事業者名等、認定した公安委員会と番号、「代行」「随伴用自動車」など、法令で定められた表示を行います。表示場所・方法にも基準があるため、車両の施工業者には所管の案内を示して依頼します。

利用者へは、事業者・従事者、料金、概算額、約款の概要、随伴車で旅客運送をできないことなど、サービスの条件を説明します。標準約款では、損害賠償措置の概要を書面で提示して説明することも定めています。

サービスの条件は、原則として口頭で説明し、書面も交付します。料金の概算額は口頭の説明で足り、その他の事項も、利用者が条件を十分に知っているなどの事情により了解がある場合は、口頭または書面の一方で説明できる例外があります。

料金表を店内に置くだけで、現場での説明が済むわけではありません。受付担当と運転者の説明が食い違わないよう、使う書面と案内手順をそろえます。

表示・利用者保護の案内は、兵庫県の自動車運転代行業の業務適正化に関する情報をご参照ください。

安全運転管理と帳簿を、毎日の仕事へ組み込む

安全運転管理者が、運転者の状況、運行計画、点呼、酒気帯びの確認、運転日誌、安全運転の指導などを管理できる体制を作ります。酒気帯びの有無は運転前後に、目視等とアルコール検知器で確認し、その内容を記録して1年間保存します。検知器を常時有効に保持することも必要です。開業時だけ名義上選任し、日々の管理を行わない状態にしないことが重要です。

営業所ごとに、従事者名簿、従事制限に関する誓約書、乗務記録、苦情処理や従事者への指導に関する帳簿等を備えます。記録では、誰がどの車を運転し、いつどこで役務を提供し、どのような料金を収受したかを追えるようにします。

例えば、国家公安委員会関係の規則では、従事者名簿は退職後2年間、乗務記録は最後の記載から2年間の保存が必要です。国土交通省関係の帳簿は、種類によって作成日や従事者でなくなった日を基準とします。すべてを「営業日から2年」で一括管理せず、帳簿ごとの起算点を決めてください。

根拠:自動車運転代行業法第15条〜第20条、国家公安委員会関係施行規則第12条〜第15条、国土交通省関係施行規則第7条〜第10条

自動車運転代行業の変更・増車・移転・廃業

申請事項が変わった場合は、変更届を提出します。名称・住所、営業所、損害賠償措置、安全運転管理者、法人役員、随伴車などの変更を、申請時の控えと照合して確認します。

変更届の期限は原則として変更日から10日以内、登記事項証明書を添付すべき場合は20日以内です。増車や車両入替えでは、変更届だけでなく保険・共済の対象、車両表示、副安全運転管理者が必要になる台数かも一緒に確認します。

主たる営業所を別の都道府県へ移すときは、移転後の公安委員会への手続きになります。個人から法人へ変える場合は営業主体が異なるため、単なる屋号変更として扱わず、新たな認定や廃業の手続きと営業開始日の関係を事前に相談してください。

営業を廃止したときなどは、法第9条と国家公安委員会関係施行規則第10条に従い、事由が生じた日から10日以内に廃業等届出書を提出します。従業者・利用者への対応、帳簿の保存、保険の扱いも整理し、営業を止めただけで手続きが終わったと思わないようにしましょう。

自動車運転代行業認定の準備で、最初に整理する6項目

  1. 個人・法人のどちらで、どのようなサービスを始めるか。
  2. 主たる営業所とその他の営業所の所在地。
  3. 二種免許を持つ運転者と、随伴車の運転者の確保状況。
  4. 安全運転管理者の候補者と、管理経験を説明できる資料。
  5. 随伴車の台数と、顧客車・随伴車それぞれの保険・共済の状況。
  6. 開始希望日と、まだ決まっていない事項。

これをもとに主たる営業所の所轄警察署へ、担当窓口、要件確認、最新の様式・添付書類、受付方法、審査の目安を尋ねます。候補者の経験や保険内容が未確定なら、先に何を整えるべきかを確認して準備を進めましょう。

サクセスファン行政書士事務所へ相談する場合も、上記の状況と、書類作成・申請準備のどの部分を依頼したいかをお知らせください。対応できる範囲と費用を確認しながら、開業までの段取りを検討できます。

制度確認日:2026年11月6日。申請時には、所在地の警察・都道府県が案内する最新の様式・手数料・運用をご確認ください。