ドローンの包括許可を取得した後も、飛ばすたびの準備は残ります。国家資格や機体認証などの条件を満たし、飛行許可の申請が不要となる場合も同じです。
特定飛行を行う場合は、原則として飛行前に計画を通報し、飛行日誌を備えて必要事項を記録します。許可・承認、飛行計画の通報、飛行日誌は、それぞれ役割が異なります。
この記事では、通常の業務・趣味の飛行を想定し、対象の確認からDIPS2.0での通報、日誌の記載・携行・保管までを整理します。
飛行計画と飛行日誌が必要なのは、どの飛行か
判断の軸は、許可書を持っているかどうかだけではなく、今回の飛行が「特定飛行」に当たるかどうかです。特定飛行は、航空法の規制対象となる空域や方法による飛行を指します。
| 予定している飛行 | 計画の通報と日誌 |
|---|---|
| 許可・承認を受けて行う特定飛行 | 原則として必要。包括許可があっても別に準備する |
| 技能証明・機体認証等の条件を満たし、許可申請が不要となる特定飛行 | 原則として必要。申請不要と、通報・記録不要を混同しない |
| 特定飛行に当たらない飛行 | 通報・日誌の記録が推奨される |
法令で定める者が行う捜索・救助等には、特例が設けられています。急ぎの撮影や、自己判断で行う災害現場の飛行に、そのまま特例を当てはめることはできません。
今回の場所や飛ばし方の判断は、ドローン飛行許可・承認の総合ガイドで整理できます。制度の最新情報と公式様式は、国土交通省「飛行計画の通報・飛行日誌の作成」から確認してください。
飛行計画は「これから飛ぶ内容」、日誌は「実際に行った内容」
飛行計画の通報は、日時・経路・高度などを事前に共有し、他の無人航空機との衝突を防ぐための手続きです。一方、飛行日誌は、その機体がどのように飛び、点検・整備されてきたかを残す記録です。
| 手続き・記録 | 主な役割 | 進める時点 |
|---|---|---|
| 飛行許可・承認 | 規制対象の飛行について、必要な許可・承認を得る | 許可等が必要な飛行を始める前 |
| 飛行計画の通報 | 実際に予定する日時・経路・高度などを共有する | 原則として飛行前。変更・中止時も対応 |
| 飛行日誌 | 飛行、日常点検、整備・改造等の実績を残す | 飛行時に備え、実施内容を遅滞なく記載 |
1年間の包括許可は、1年分の飛行計画を通報したことにはなりません。また、計画の通報を済ませても、許可されていない飛行や、管理者が認めていない施設での飛行が可能になるわけではありません。
DIPS2.0で飛行計画を通報するときの確認順
日時・経路・機体・操縦者を、今回の飛行に合わせる
必要な許可・承認を取得したうえで、DIPS2.0の飛行計画通報機能を使います。主に、次の情報を準備します。
- 飛行する日時、出発地・目的地、経路、所要時間、高度・速度
- 使用機体と操縦者、取得している場合は許可・承認番号や技能証明の情報
- 飛行目的、対象空域、夜間・目視外などの飛行方法
- 補助者・立入管理、保険、調整に使う連絡先
時刻は日本標準時、高度は対地高度を基準に入力します。実際に飛ばす範囲を確認し、必要以上に広い場所を通報しないようにしてください。
現行の通報要領では、所要時間は最大24時間で、これを超える部分は別の飛行計画として通報します。複数日をまとめて入力する機能もありますが、予定の日時・経路や飛行条件を正しく反映させることが前提です。
入力後は、登録の確認操作まで進め、飛行計画の詳細で内容を確認します。操作画面は変わることがあるため、DIPS操作マニュアル(飛行計画通報編)の現行手順を参照してください。
他の飛行計画と重複したら、調整してから飛ばす
自分の飛行経路に関係する他の計画を確認します。日時・経路・高度が全て重複する場合は、飛行を中止するか、当事者間で調整し、重複しない計画を通報しなければなりません。
DIPSには調整メッセージの機能があります。ただメッセージを送っただけで調整が終わったと考えず、変更する時間帯や経路などを確認し、実際の計画にも反映させます。
変更・中止が決まったら、通報した計画も直す
予定日時や経路などを変更する場合は、DIPSで変更事項を通報します。飛行開始前に中止が決まった場合は、判明した時点で速やかに通報を取り消します。
通報は飛行前が原則です。システム障害により飛行開始までに通報する手段がない場合には事後通報が認められますが、単なる入力忘れを同じように扱うことはできません。余裕を持って準備してください。
詳細は国土交通省の飛行計画の通報要領で確認できます。飛行時は、安全確保のためやむを得ない場合を除き、通報した計画に従います。
飛行日誌は、機体ごとに3種類の記録をそろえる
飛行日誌は、操縦者個人の練習時間だけを記録するものではありません。機体ごとに「飛行記録」「日常点検記録」「点検整備記録」を備えます。
| 記録 | 主に残す内容 |
|---|---|
| 飛行記録 | 飛行日、操縦者、目的・経路、離着陸場所と時刻、飛行時間・累計、安全に影響した事項や不具合への対応 |
| 日常点検記録 | 点検した項目と結果、実施日・場所・実施者、発見した不具合など |
| 点検整備記録 | 点検・修理・改造・部品交換等の内容と理由、実施日・場所・実施者、総飛行時間など |
各記録には、機体の登録記号などの必要な機体情報も記載します。公式様式と記載事項は飛行日誌の取扱要領、具体的な記載例は飛行日誌の取扱いに関するガイドラインで確認できます。
飛行記録には、計画ではなく実績を書く
飛行記録は原則として1飛行ごとに記載します。1つの計画で複数回飛ばした場合も、計画の所要時間をそのまま実績として転記しないでください。
記録上の「1飛行」は、電源を入れて離陸し、目的地に着陸して電源を停止するまでを基本とします。一方、記載する「飛行時間」は、実際に離陸から着陸まで空中にいた時間です。
たとえば、準備や待機を含めて1時間の計画を通報していても、実際の飛行が10分なら、計画の1時間を飛行時間として書くことはできません。総飛行時間には、前回までの累計に今回の飛行時間を加えます。
機体認証を受けていない機体で、単一エリア・同一の作業を連続して行う場合などには、記載単位を柔軟に扱えるケースがあります。何度も離着陸する業務では、公式ガイドラインの条件と記載例を確認してください。
点検した結果と、修理・整備した内容を残す
日常点検は、メーカーの取扱説明書や整備手順書、適用する飛行マニュアル等に基づいて行います。プロペラ、機体の取付状態、通信、電源など、対象機体で必要な項目を確認し、結果を残します。
不具合を見つけた場合は、単に「異常あり」とするだけでなく、その内容や対応を分かるように記録します。修理、部品交換、定期的な点検整備などを行ったときは、点検整備記録にも必要事項を記載します。
メーカー等へ整備を委託した場合も、返却された機体だけでなく、整備内容の記録を受け取り、日誌と一緒に確認・保管します。
紙・電子のどちらでも、現場で確認できる状態にする
飛行日誌は、紙でも電子データでも作成できます。公式様式と同じ必要項目を網羅していれば、独自様式やアプリ、クラウドを利用することも可能です。
ただし、3種類の記録を必要に応じて一括して参照・提示できる状態にする必要があります。アプリへ飛行時間だけを入力しても、それだけで点検・整備の記録までそろうわけではありません。
携行する範囲と、保管する範囲は分けて考える
紙で管理する飛行記録と日常点検記録は、直近の点検整備以降の記録を携行します。それより前の記録も、必要時に確認・提示できるよう保管します。点検整備記録は、紙・電子のどちらでも全ての記録を携行します。
飛行日誌の記載・保管は、機体が登録されている間、継続する必要があります。 「1年たったから処分する」「機体登録を更新したから過去の記録を捨てる」といった扱いは避けてください。
電子データを使う場合は、現場の通信状態や端末の電池切れも考えておくと安心です。必要な記録を事前に端末へ保存するなど、通信できない場所でも速やかに参照できる方法を準備しましょう。
飛行前・当日・飛行後の分担を決めておく
複数人で仕事をする場合は、「誰かが入力したはず」とならないよう、担当と確認方法を決めておきます。
- 飛行前: 許可条件と現地条件を確認し、飛行計画を通報する。他の計画との重複があれば調整する。
- 当日: 機体の日常点検を行い、必要な日誌・許可書・マニュアル等を確認できるようにする。予定が変われば計画も見直す。
- 飛行後: 実際の飛行時間や経路、安全上の事象を記録する。点検・整備や不具合への対応も記載し、次に使う人へ引き継ぐ。
事故や重大インシデントが発生したときは、日誌への記載だけで終わらせず、救護などの必要な対応と国土交通省への事故等報告を確認してください。
現在の包括許可が次の現場に合うか不明な場合は、包括申請と個別申請の違いで、経路・日時・許可条件の確認を整理できます。
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ドローンの包括申請と個別申請の違い|飛行経路・日時を特定するケース
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サクセスファン行政書士事務所では、予定する飛行に応じた許可・承認の確認、申請書類の作成・申請手続きをサポートします。相談を希望される方は、現在の許可書、使用機体、予定する現場・飛行方法をまとめ、お問い合わせフォームまたは電話078-201-4009へご連絡ください。
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