20年で5000社の開業・許認可・各種法人設立サポート

神戸のサクセスファン行政書士事務所

酒類販売場の移転手続き|申請書類と営業の切替

酒販店を引っ越すときは、物件の契約や在庫の移動と合わせて、酒類販売場の移転手続きを準備します。酒類販売業免許は販売場ごとの制度です。住所を後から届け出るだけで、新店舗での販売を始められるとは限りません。

特に注意したいのは、旧店を閉める日と、新店で営業を始める日の切替です。移転許可は、同じ免許で二つの店舗を並行営業するための手続きではありません。この記事では、同じ免許者が販売場を別の場所へ移すケースを中心に、確認の順序と必要資料を整理します。

店舗の契約や移転日を決める前に、酒類販売業免許の手続きを整理しませんか。現在の免許通知書と移転候補の資料をもとに、移転申請の準備について無料でご相談いただけます。

酒類販売場の移転は、住所変更や店舗追加と分けて考える

変わるのは「場所」「表示」「営業者」のどれ?
実際の販売場所が変わる

移転許可を事前に確認
旧店を残すなら店舗追加として確認

場所は同じ、住所の表記等が変わる

異動申告の対象・省略の取扱いを確認

営業する個人・法人が変わる

法人成り・承継等の別手続も確認
移転だけでは完了しない

同一建物内の移動や倉庫だけの変更は、図面と実際の業務内容を示して確認します。

同じ個人・法人が現在の販売場を別の物件へ移す場合は、通常「酒類販売場移転許可申請書」で手続きをします。一方、住居表示などで住所の呼び方だけが変わり、販売場の実際の位置は変わらない場合は、通常は異動申告の確認になります。変更内容が明確に特定できる場合などには、省略の取扱いもあります。

同じビルの中で階や区画を変える場合も、住所だけを見て判断しないでください。国税庁の取扱いでは同一建物・施設内の移動を異動に含め、同じ販売業者が確実に管理している場合には申告省略の余地があります。新旧の平面図、レジ・受注・保管場所を示して確認しましょう。

旧店を残す場合と、倉庫だけを動かす場合

旧店を営業したまま新しい店舗でも販売するなら、単なる移転ではなく、新たな販売場の免許を確認する計画です。移転許可を受ければ旧店と新店の両方で売れる、とは考えないでください。

販売場を動かさず、保管だけを行う倉庫を設けたり廃止したりする場合は、酒類蔵置所の報告をあらかじめ確認します。免許のない倉庫を、販売契約の締結や受注を行う場所として使うことはできません。「倉庫」という名称よりも、そこで実際に何をするかが大切です。

個人の自宅や法人の本店の住所だけを変えるときも、酒類の販売場まで移るのかを分けてください。免許者の住所等の異動と、販売場の移転許可は同じ手続きではありません。

移転先の物件と免許条件を、契約前に確認する

移転先では、販売場としての場所の要件、他の営業との区分、施設や資金などを確認します。たとえば別の店舗の棚だけを借りる計画では、誰が販売し、誰が会計を行い、どの区域を自社が管理するのかを明確にする必要があります。名義を貸すだけの計画になっていないかも確認されます。

候補物件の図面には、売場、レジ、事務・受注を行う場所、在庫の置場、他の事業者が使う部分を記入すると、担当者に計画が伝わりやすくなります。賃貸物件なら、酒類販売という利用目的が契約内容に合っているか、必要な期間・範囲を確実に使えるかも確認しましょう。

一般酒類小売業免許の移転を、昔の人口・距離基準だけで一律に判断するものではありません。また、全酒類卸売業免許やビール卸売業免許などでは卸売販売地域の確認も関係します。県境を越えるかどうかだけで、可否や条件が決まるわけではありません。

販売方法などの条件変更は、こちらの記事で整理しています。

酒類販売業免許の条件緩和(解除)|通販・卸売追加の手続と登録免許税

「酒販店のネットショップを全国向けに広げたい」「酒屋さんへの卸売も始めたい」「いまの免許で扱えるお酒を増やしたい」。すでに酒類販売業免許を持つ方が事業を広げるときは、現在の免許条件と、新しく行う取引を ...

移転許可の申請先・書類・期間を整理する

管轄が変わるときも、提出は移転前の税務署を経由する

移転先の税務署長の許可を受ける手続きです。管轄をまたぐ場合は、移転先の税務署長宛の申請書を、移転前の販売場を管轄する税務署へ提出します。同じ管轄内であれば、その税務署へ相談します。

最初の相談では、現行の免許通知書、新旧の住所、移転候補の図面、賃貸条件、希望する切替日を用意してください。免許者を変えないか、旧店も残すか、倉庫だけが変わるのかを一緒に伝えると、別の手続きとの混同を防げます。

基本になる資料と、個別に確認する資料

資料 確認する内容
酒類販売場移転許可申請書 旧・新販売場、移転予定日、選任予定の販売管理者等
申請書次葉・図面 敷地、建物等の配置、事業概要。同等の資料を使える場合も確認
賃貸借契約書等 土地・建物・設備を確実に使用できること
土地・建物の登記事項証明書等 物件の範囲・地番。新築・仮移転等の取扱いも確認
移転申請チェック表 必要資料、提出内容、省略できる資料の確認

上の表は、国税庁のチェック表をもとにした基本資料です。新規免許の申請書類一式が、そのまま移転にもすべて必要という意味ではありません。税務署が確認できる資料の省略や、計画に応じた追加資料があります。最新のチェック表と個別の案内を合わせて準備してください。

様式は国税庁「酒類販売場移転許可申請」で確認できます。e-Taxまたは書面での提出方法が案内されています。

開店日から逆算するときの注意

税務署長限りで処理するものの標準処理期間は、申請書類提出日の翌日を起算日として、原則2か月以内です。すべての案件の完了日を保証するものではなく、補正・追加資料への対応期間などは除かれます。物件の工事日程や契約期限に合わせ、余裕を持って相談しましょう。

移転許可申請の手数料は不要と案内されています。ただし、証明書取得費、物件・設備の費用、依頼する専門家への報酬は別です。法人成りに伴う新規免許などを同時に行うなら、その手続きの税金や費用も分けて確認します。

図面や契約書を前に、どの資料をそろえるか迷ったらご相談ください。現行免許と移転計画を確認し、移転許可申請の資料整理・書類作成・提出や補正対応の範囲を整理します。

旧店から新店への営業の切替を、許可と合わせて決める

旧店の営業終了、新店の営業開始、在庫の移動、受注・出荷の担当場所を一つの日程表にまとめ、酒類指導官へ相談します。申請書を提出しただけで、新しい場所で営業を始めることはできません。許可通知と効力が切り替わる時点を確認して進めましょう。

通販がある場合は、店頭の営業だけでなく、注文を受けて管理する場所も確認します。新住所からネット販売だけ先に始めてもよい、と一律には判断できません。工事のための仮店舗も、仮店舗への移動と元の場所への復帰を含めて相談してください。

切替に合わせて、酒類販売管理者の選任等、販売場の標識、帳簿、仕入先への案内、通販画面に掲載する所在地なども見直します。すべてを同じ届出一枚で処理するのではなく、それぞれの必要な対応を確認します。

法人成りや譲渡も重なる場合は、場所と営業者の変更を分ける

個人事業を法人へ変える、別の人へ事業を譲るなど、営業者も変わる場合は、通常の移転だけで完了しません。法人成り等の特例的な取扱いには、同じ場所で営業することなどの条件が関係します。移転と同時に行うなら、どの手続きをどの順番で進めるかを事前に確認する必要があります。

会社設立や契約の日だけ先に決めず、「誰が・どこで・いつまで販売し、誰が引き継ぐか」を整理して相談してください。免許の名義だけを書き換えればよい、移転申請も同時に出せばよい、と自己判断しないことが大切です。

すでに引っ越してしまった場合も、後から住所変更を出せば解決すると考えず、現在の販売場所と受注の実態を担当税務署へ早めに伝え、必要な対応を確認してください。

移転前に確認しておきたいこと

準備の出発点は、現行の免許通知書と新旧の図面です。移転か店舗追加か、免許者は同じか、売り方も変わるかを整理し、物件の契約期限と希望する切替日を担当者に共有しましょう。許可・物件・営業の三つを別々に進めないことが、手戻りを減らすポイントです。

サクセスファン行政書士事務所では、酒類販売場の移転に関する申請準備をご相談いただけます。免許通知書、候補物件の資料、希望日をお知らせください。必要資料の整理から申請書類の作成・提出、補正対応まで、ご依頼内容を確認して進めます。無料相談は下の窓口をご利用ください。

免許取得後の管理や変更手続き全般は、こちらの記事もご覧ください。

酒類販売業免許を取った後の管理と必要な対応|管理者・記帳・報告・変更手続

酒類販売業免許を取得した後は、販売開始前の準備、営業中の記録、毎年の報告、事業を変更するときの手続を分けて管理することが大切です。 免許通知書を受け取っても、酒類販売管理者の選任や表示、年齢確認の準備 ...

確認した公的資料

確認日:2026年11月6日。個別の免許条件や移転計画によって確認事項が変わります。実際の申請には、最新様式と担当税務署の案内を使用してください。

国税庁:販売場移転の手続きQ&A

国税庁:酒税法第16条等の取扱い

国税庁:異動に関する取扱い

国税庁:移転申請チェック表

国税庁:移転申請書の記載要領

国税庁:酒類販売場の移転許可の要件