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神戸のサクセスファン行政書士事務所

警備業の営業所は自宅・賃貸でもよい?契約と管理体制の解説

警備業の営業所は、単に会社の住所を置く場所ではなく、所属する警備員の日常の配置運用や業務の指揮統轄を行う拠点です。自宅か賃貸事務所かという名称だけで可否は決まらず、営業の実態、責任者の勤務、建物の使用条件、書類・情報の管理を確認します。

自宅で開業したい、家賃を抑えたい、賃貸契約を結ぶ前に条件を知りたい方に向けて、物件と運営体制の確認点を整理します。全国共通の警備業制度を基本とし、賃貸借契約やマンションの管理規約は、実際の物件ごとの内容を確認します。

ここで扱うのは、警備会社自身の営業所です。顧客施設の警備・施設管理の仕事内容は、1号警備・施設警備をご覧ください。認定申請全体は警備業認定の総合ガイドで確認できます。

警備業の営業所は、自宅・賃貸より先に実際の使い方を確認

物件を決める前の4つの確認

① 営業の拠点になるか
日常の配置運用・業務の指揮統轄を行う場所か
↓
② 責任者が勤務できるか
扱う区分の資格と、教育・指導を行える体制があるか
↓
③ 建物をその用途で使えるか
所有・賃貸借契約・管理規約・必要な承諾を確認
↓
④ 書類と情報を管理できるか
名簿・教育記録・契約関係・鍵等を適切に管理できるか

住所を借りられることと、警備業の営業所として運営できることは別に確認します。

警察庁の解釈運用基準では、営業所を営業の拠点となるものとし、その規模の大小を問わないとしています。小規模だから直ちに営業所にならないという意味ではありませんが、広さだけで要件を満たすと判断することもできません。

例えば、警備員の配置や業務指示は実際には別の場所で行い、申請上の住所だけを置く計画では、営業所としての実態を説明できるかが問題になります。どこで、誰が、何を管理するのかを先に決めましょう。

確認先:警察庁「警備業法等の解釈運用基準について」(第5)

主たる営業所・登記上の本店・警備現場の違い

主たる営業所は原則として会社法上の本店と一致しますが、他の事業を併せて行い、警備業の営業の中心が支店にある場合などは、一致しないこともあります。認定申請の窓口を考えるときは、登記住所だけで決めず、警備業の営業の中心を確認します。

新規認定の申請は、主たる営業所の所在地を管轄する警察署を経由して行います。他にも営業の拠点がある場合は、それぞれの所在地・役割・所属警備員・業務区分を整理します。

場所確認する内容
登記上の本店会社法上の所在地。警備業の主たる営業所と同じとは限らない
警備業の営業所所属警備員の配置運用や日常業務の指揮統轄を行う拠点
顧客施設の警備室・詰所警備を実施する現場。名称だけで自社の営業所と決まるものではなく、実際の機能で確認

顧客施設の一室を利用できるからといって、その場所を自由に自社の営業所として申請できるわけではありません。利用の契約内容、施設管理者との関係、実際の配置・指揮の機能を整理し、営業所に当たるかを管轄警察署へ確認してください。

確認先:北海道警察「警備業の認定申請要領」(主たる営業所とは)

自宅を営業所にする場合の確認点

自宅での開業を検討する場合も、営業所としての実態と責任者の勤務体制を説明できるようにします。「自宅だから必ず認定される」「住宅だから一律に不可」といった判断ではなく、実際の使い方を確認することが必要です。

  • 事業で使う範囲を整理し、日常の配置・連絡・指揮の業務を行えるか。
  • 所属警備員や責任者が利用する時間、来客・出入りを住宅利用と両立できるか。
  • 警備員名簿、診断書等の個人情報、顧客の警備情報を家族や来客から守れるか。
  • 主たる営業所の標識を見やすい場所に掲示できるか。
  • 賃貸住宅や分譲マンションの場合、契約・規約上の使用条件に反しないか。

机や収納を用意する際は、教育記録を確認する場所、個別の面談を行う場所、書類を扱う人の範囲まで考えます。生活空間と事業の管理を分ける工夫は、認定手続きだけでなく、営業開始後の情報管理にも役立ちます。

物件の図面、使用する部屋、勤務する人、所属する警備員の人数、業務区分を整理して相談すると、抽象的な「自宅でもできますか」より具体的な確認につながります。これらは相談準備の資料例であり、全てを全国共通の法定添付書類とする趣旨ではありません。

賃貸事務所・マンションは、契約と管理規約を別に確認

賃貸物件では、契約書の使用目的、事業利用の制限、転貸・共同利用の条件、看板や標識の掲示、従業員の出入りに関する条件を確認します。「会社の登記に使える」と案内されていても、警備業の営業拠点として予定する使い方まで認められているかは別に確認しましょう。

国土交通省の賃貸住宅標準契約書は、居住目的の契約のモデルです。実際の契約で事務所併用が認められるか、特約や貸主の承諾が必要かを確かめます。標準契約書そのものが全ての賃貸契約へ自動的に適用されるわけではありません。

確認先:国土交通省「賃貸住宅標準契約書について」

分譲マンションでは、自分が所有者でも管理規約や使用細則を確認します。国土交通省の標準管理規約はひな型であり、実際のマンションの規約はそれぞれ異なります。貸主の承諾があるだけで管理規約の問題まで解決したと考えないようにしてください。

確認先:国土交通省「マンション標準管理規約」

承諾が必要な場合は、使用目的と実際の運営内容を示して確認し、後から食い違いが起きない形で記録を残します。建物の用途・利用方法を変える場合や設備工事を行う場合は、必要に応じて建築・消防等の担当窓口にも確認してください。警備業認定を受けることと、建物の利用条件に適合することは別の確認事項です。

レンタルオフィス・共有スペースは住所貸しと実利用を分ける

レンタルオフィスやシェアオフィスという名称だけで可否を決めるのではなく、警備業の拠点として使える実態を確認します。郵便の受取や登記住所の提供しかないサービスは、日常の配置運用・指揮統轄を行う場所としての説明ができるかを慎重に確認する必要があります。

利用契約上、責任者が通常の営業時間に勤務できるか、継続的に使える場所があるか、書類を管理できるか、他の利用者へ顧客情報や従業員情報が漏れないかを確認します。単に「個室あり」という案内だけで、教育・記録管理・標識掲示まで対応できるとは限りません。

候補物件が見つかった段階で、利用契約の案、利用可能時間、専用部分と共用部分、収納・掲示の条件を整理し、契約前に確認してください。営業所として使えないことが契約後に分かると、家賃や契約費用が発生していても別の場所を探す必要が生じます。

責任者の勤務、書類・鍵・情報の管理を整える

警備員が所属する営業所では、扱う区分ごとの指導教育責任者を選任します。原則としてその営業所に常勤し、職務に従事できる状態が必要です。資格者証を持つ人の名前を記載するだけでは足りません。別営業所との兼任には条件と承認があるため、詳細は指導教育責任者の専任・兼任をご覧ください。

警備業法第45条と施行規則第66条には、営業所に備える警備員名簿や教育関係の記録などが定められています。申請時の添付書類を保管するだけでなく、営業開始後の記録を更新し、必要なときに確認できる運用を整えます。

  • 書類:担当者、保管場所、持出し・廃棄のルールを決め、閲覧できる人を限定する。
  • 電子記録:担当者のアクセス権、バックアップ、必要時の表示方法を整える。
  • 顧客情報:警備対象の図面、連絡先、警備体制などを他社や来客の目に触れさせない。
  • 鍵・カード等:預かる場合は契約に沿って受渡し・返却・紛失時の連絡を管理する。

施錠収納やアクセス権の設定は、情報を守るための実務上の対策です。特定の収納製品を置けば認定要件を満たす、という意味ではありません。電子記録についても、単にクラウドへ置くだけでなく、法令上求められる表示・保存の条件と営業所での運用を確認します。

確認先:e-Gov法令検索「警備業法」(第22条・第45条)

確認先:e-Gov法令検索「警備業法施行規則」(第39条・第66条・第67条)

主たる営業所には所定の標識を見やすい場所へ掲示します。令和6年4月から認定証が廃止されたため、古い認定証を前提に掲示場所を計画しないようにしてください。ウェブサイトへの標識掲載は例外も含めて別に確認します。

確認先:兵庫県警察の標識制度案内

移転・営業所追加・他県進出は、引越しだけで終わらせない

開業後に営業所を移転・追加する場合は、認定事項の変更届や営業所設置等の届出、責任者の体制、標識・備付書類の移動を確認します。名称を「連絡所」にしていても、実際に日常の配置運用や指揮統轄を行えば、営業所に当たるかの確認が必要です。

主たる営業所がある都道府県以外で初めて営業所を設ける場合や、営業所を設けずに警備業務を行う場合には、警備業法第9条の届出が問題になります。店舗や事務所を借りない営業形態だから届出も不要、とは判断しないでください。

営業所を設けずに業務のみを行う場合は、施行規則第14条の届出対象からの除外に当たるかも確認します。第9条の届出対象となる場合は、営業所を設ける日または業務を開始する日の前日までに提出します(施行規則第11条第2項)。

既に届出済みの都道府県内での追加や変更、主たる営業所そのものの移転では手続きが異なります。予定地、移転日、他県での業務開始日、所属警備員、責任者を整理し、事前に窓口で必要な手続きと期限を確認しましょう。

確認先:茨城県警察「営業所設置等届出」(他都道府県での営業の案内例)

警備業の営業所についてよくある質問

小さな事務所では認定を受けられませんか?

営業所の定義は規模の大小を問いません。ただし、責任者の勤務、日常の配置運用・指揮統轄、書類管理など、実際の業務を行えるかを確認します。面積だけで可否を決めないでください。

法人登記ができる物件なら、そのまま営業所にできますか?

登記に利用できることだけでは判断できません。警備業の営業拠点としての実態、責任者の勤務、賃貸借契約・管理規約上の使用条件を別に確認します。

顧客施設の警備室は、必ず自社の営業所になりますか?

必ずではありません。警備を実施する現場であることと、自社の配置運用や指揮統轄の拠点であることを分け、実際の機能と利用関係から確認します。

営業所の相談は、物件契約前の資料整理から

サクセスファン行政書士事務所への認定申請相談では、予定地、自宅・賃貸等の利用形態、使用部分、業務区分、所属警備員と責任者の予定をお伝えください。賃貸借契約や規約の確認が必要な場合は、どこまで確認できているかも整理しておくと、開業準備の次の手順を考えやすくなります。

営業所と体制が決まった後の書類収集は、警備業認定の必要書類・費用・申請手順にまとめています。