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神戸のサクセスファン行政書士事務所

運転代行業の営業ルール|利用者への説明・記録・禁止行為

運転代行業の営業開始後は、依頼を受ける前の体制確認、利用者への説明、安全な運行、記録、従事者への指導を継続します。認定を取得したことや二種免許を確認したことだけで、日々の管理が終わるわけではありません。

この記事では、神戸・兵庫で運転代行業を営む方に向けて、一件の依頼を受けてから記録を残すまでの流れと、帳簿・禁止行為の確認点を整理します。料金表や約款の作り方、標識・車体表示の詳しい基準は、関連記事へ分けています。

一件の運行を、受付・説明・運行・記録に分ける

以下は、法律上の義務を現場の手順に落とし込むための整理例です。図の各項目だけで、すべての法定記録や管理業務を網羅するものではありません。担当者、確認するタイミング、問題がある場合の連絡先を決めておきましょう。

受付時:依頼内容と、対応できる体制を確認する

利用者がどの車に乗り、どこからどこまでの運転を希望しているかを確認します。顧客車の運転者と随伴車の運転者を混同せず、車種や免許条件に合う人員を配置します。顧客車の運転に必要な二種免許などは、必要な免許と人員で確認してください。

採用・配置では、免許の有効性だけでなく、法第14条の従事制限も確認します。代表者が認定を受けているから、誰でも運転代行業務に就かせてよいという制度ではありません。個別事情の確認と、所定の誓約書などの準備を行います。

体調、疲労、酒気帯びの確認など、安全運転管理者が行う日常の管理も別に必要です。確認の内容・記録は安全運転管理者の選任と日常管理へ整理しています。人員不足を理由に、安全確認を省いて出動させないようにします。

提供前:条件を説明し、説明に沿ってサービスを行う

法第15条は、利用者が受けたいサービスを確認してから、料金・約款の概要などを説明し、その説明に従って提供することを求めています。事業者名と従事者名、料金と概算額、約款の概要、随伴車で利用者を運ぶタクシー類似行為はできないことなどが確認事項です。

説明は原則として口頭と書面交付によります。ホームページに掲載してあることや、利用者が常連であることだけを理由に、一律に説明を省かないでください。料金の計算、説明書面、例外の扱いは料金・約款・標識の掲示と利用前説明をご参照ください。

行先や待機時間などの条件が変わった場合は、現場で独自の料金を加えるのではなく、採用している料金・約款と説明に沿って対応します。判断に迷うときの責任者への連絡方法も、事前に共有しておきます。

運行中・終了時:安全と引継ぎを優先する

顧客車の所定の代行マーク、随伴車の表示、必要な保険等が整った状態で業務を行います。表示の詳細は営業所・随伴車・顧客車の表示、補償は保険と損害賠償措置で確認できます。

車の状態、運行中の異常、利用者からの申出など、あとから確認が必要になる事項は、記憶だけに頼らず担当者間で共有します。これは紛争予防のための実務上の工夫です。記録のために安全を犠牲にせず、運転中に端末を操作することは避けてください。

終了後は、実際の料金とその算出の根拠、運行に関する事項、必要に応じた苦情や事故の対応を記録します。事故が起きた場合の救護・危険防止・警察への報告等は、社内の記録や保険会社への連絡だけで代わるものではありません。

帳簿は「県の4種類」だけで全部と考えない

法第20条は、国家公安委員会規則による運転に関する帳簿等と、国土交通省令によるサービス提供に関する帳簿等を分けて定めています。営業所ごとに必要な帳簿・書類を備え、所定の事項を記載します。

利用者対応・指導・提供実績の記録

兵庫県の事業者向け案内は、苦情処理簿、業務従事者指導簿、乗務記録簿、従業員名簿の様式例を掲載しています。帳簿名だけをそろえず、記載すべき内容を理解して使います。

  • 苦情の処理:利用者からの申出と、調査・対応の内容を記録する。
  • 従事者への指導:指導した人と受けた人の氏名、日時、場所、指導内容を記録する。
  • サービスの提供:運行の区間や日時、担当者、収受した料金など、所定の提供事項を記録する。
  • 従事者の名簿:氏名・顔写真等の所定事項をそろえ、保存期限の管理のため従事を終えた日も把握する。

ここでの箇条書きは役割の要約です。必要な項目を省かないよう、兵庫県「帳簿等の備付けについて」の様式例と、所在地の最新案内で確認してください。

公安委員会規則による誓約書・運転記録等も確認する

これとは別に、公安委員会規則では、従事者の名簿、従事制限に該当しないことの誓約書、従事者ごとの乗務記録を定めています。事故の日時・場所・概要も、この乗務記録に記載する事項です。県の利用者保護部門の様式を入手しただけで、警察側の必要書類もすべてそろったとは判断しないでください。

同じ「名簿」「乗務記録」という名称でも、根拠となる規則や必要な記載事項が異なります。まとめて管理する様式を使う場合は、両方の必要事項と保存条件を満たすかを管轄窓口へ確認しましょう。

根拠:法第20条、国家公安委員会関係施行規則第14条・第15条、国土交通省関係施行規則第10条。

保存期間は「2年」の起算点まで確認する

帳簿類をまとめて「すべて作成日から2年」と扱うと、廃棄する時期を誤るおそれがあります。少なくとも、次の違いを分けて管理してください。

  • 国土交通省令側の苦情処理・指導・役務提供の記録:作成の日から2年間。
  • 国土交通省令側の従事者名簿:その人が運転代行業務従事者でなくなった日から2年間。
  • 公安委員会規則側の従事者名簿:その人が退職した日から2年間。
  • 公安委員会規則側の乗務記録:最後の記載の日から2年間。

誓約書は備付けが必要ですが、公安委員会規則第15条が定める上記の2年の保存期間に、誓約書を一律に当てはめないでください。保管・廃棄の扱いを管轄窓口へ確認し、「運転者が退職したので、関係資料をすぐ処分する」「帳簿を作った年だけ見て処分する」といった運用を避けましょう。

実務上は、帳簿の種類、適用する規則、起算日、保存期限、保管場所を管理表にしておくと確認しやすくなります。電子化する場合も、必要事項が残り、営業所で確認・提示できる運用かを先に確認し、単に写真を保存したから原本を処分してよいとは判断しないでください。

従事者への指導は、採用時の一度で終わらせない

法第18条は、料金の受け取り方、提供条件の説明方法など、利用者の利益を守るために必要な指導を事業者に求めています。実際に行った指導を記録し、現場の説明や対応に反映させます。

たとえば、料金や約款の変更、利用者からの苦情、事故やヒヤリとする事案があったときに、従事者へ何を共有すべきかを確認します。これは指導を現場に生かすための運用例であり、法律にない一律の研修回数・時間を示すものではありません。

  • 受付と現場で、料金・追加料金・払戻しの説明が一致しているか。
  • 利用者を随伴車へ乗せるよう求められた場合の断り方と案内。
  • 事故・苦情が起きた際に、誰へ連絡し、何を記録するか。
  • 必要な記録を、事実に沿って残す方法。
  • 従事者が自分だけで判断できない場合の相談先。

指導簿は、実施していない研修を実施済みに見せるための書類ではありません。実際の日時・対象者・内容を記録し、必要な改善を継続します。

営業上、特に避けるべき行為

随伴車で利用者を有償運送する

運転代行業の認定は、随伴車をタクシーとして使う許可ではありません。飲食店から顧客車の駐車場までの短い区間でも、随伴車で利用者を有償運送することは道路運送法上の問題になります。待合せや顧客車までの移動方法を決め、利用者から求められても、その場の都合だけで運用を変えないようにします。

送迎分の料金を別に取らなければよい、とは限りません。「無料サービス」という名称だけで判断せず、料金全体と実際のサービス内容を合わせて確認してください。

根拠:岡山県の随伴用自動車による有償運送の注意。サービスの対象範囲は認定が必要なサービスと回送の違いも参照してください。

認定の名義を他人へ貸す

法第10条は、自分の名義で他人に運転代行業を営ませることを禁じています。認定番号だけを貸したり、実際には別の者が営む事業に自社の認定を使わせたりしないでください。業務提携や委託を予定する場合も、誰が事業を営み、誰が利用者と契約して責任を負うのかを整理し、名義貸しに当たらないか事前に確認します。

従事できない人を配置し、安全上の問題を放置する

法第14条に該当する人を業務に従事させることはできません。また、無免許・酒気帯びなど違法な運転を命じたり、見過ごしたりする運用は認められません。人手や売上を優先して、必要な免許・条件や運転できる状態を確認せずに配置しないことが重要です。

個別の従事制限を病名や経歴の一言だけで決めず、法令の対象と具体的な事情を確認してください。事業者側の認定要件との違いは認定要件と欠格事由に整理しています。

苦情や事故の記録を残さず、説明と異なる対応をする

苦情の内容や対応を記録せずに終わらせたり、説明した料金・条件と異なる内容をその場で押し付けたりしないようにします。利用者との認識が食い違った場合は、説明書面、運行記録、実際の対応を確認し、責任者へ共有します。記録を都合よく作り替えるのではなく、事実と調査中の事項を分けて扱ってください。

開業前に、誰が記録・確認するかまで決める

書式をそろえても、記入する担当と確認する担当が決まっていなければ、忙しい時間帯に抜けが出やすくなります。営業所ごとに、出動前の確認、利用者への説明、業務後の記録、苦情対応、従事者指導の担当を整理しましょう。

まずは、現在の帳簿・説明書面・指導の方法を一覧にし、根拠や保存期限が分からないものを管轄窓口へ確認します。認定申請から準備を進める場合は必要書類・費用・手順、全体像は運転代行業認定の総合ガイドをご覧ください。

申請・開業準備の整理について相談したい方は、営業予定地域、開始希望時期、人員や帳簿の準備状況を添えて、サクセスファン行政書士事務所へお問い合わせください。すでに営業中の場合は、確認したい運用や書類を具体的にお知らせください。

制度情報の確認日:2026年11月7日。記載事項・保存条件・説明方法などは、営業所を管轄する警察署と都道府県の担当窓口の最新案内で確認してください。