ドローンの飛行場所を地図で調べ、「色が付いていないから大丈夫」と判断していませんか。土地の所有者から了承を得た場合も、それだけで全ての手続きが終わるわけではありません。
飛行場所は、航空法の空域、重要施設の周辺規制、土地・施設の管理ルール、実際の飛ばし方を分けて確認します。地図は確認の出発点であり、飛行できることを保証するものではありません。
この記事では、初めて使う場所で空撮や点検を行うときに、何を調べ、どこへ確認するかを整理します。特定の場所を「必ず飛ばせる場所」として紹介するものではありません。
飛行場所は、4つの確認を重ねて判断する
同じ住所でも、離着陸する地点、飛行経路、高度、時間帯によって必要な手続きが変わります。最初に次の4つを分けて整理しましょう。
| 確認すること | 主な確認先 | 見落としやすい点 |
|---|---|---|
| 航空法上の空域 | 国土交通省、地理院地図、空港管理者・管轄機関 | DID外でも、空港周辺や高さの規制があり得る |
| 重要施設の周辺規制 | 警察庁、対象施設・管轄警察の指定図 | 航空局の許可とは別の法律で規制される |
| 土地・施設の利用 | 所有者、施設管理者、自治体、河川・道路等の担当窓口 | 公共の場所でも管理ルールは一律ではない |
| 飛行方法と現場の安全 | 許可書、飛行マニュアル、現地確認 | 夜間・目視外・第三者との距離などは場所とは別に判断する |
機体登録や飛行カテゴリーを含む全体の手順は、ドローン飛行許可・承認の総合ガイドで確認できます。ここでは、候補地を具体的な計画に落とし込む手順に絞ります。
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【全国対応】ドローンの飛行許可・承認申請サポート|手順と注意点
ドローンの機体登録と飛行許可の違い、3つの飛行カテゴリー、DIPS2.0での申請、レベル3.5飛行の要件を解説。全国共通の制度と、土地・施設ごとの手続きを分けてご案内します。
まず、離着陸地点・経路・高さを地図にまとめる
問い合わせる前に、「この公園で飛ばしたい」という施設名だけでなく、予定する範囲を示せるようにします。
- 離陸・着陸する地点と、操縦者・補助者が立つ場所
- 機体が通る経路と、撮影・点検する対象
- 地表・水面からの高さと、近くの建物・樹木・電線
- 予定日時、飛行目的、機体、目視内・目視外などの飛ばし方
- 人や車が入る場所と、安全確保の方法
出発点だけでなく、経路全体を確認します。離陸地点は規制区域外でも、途中で区域内へ入る計画になっていることがあります。
地図は、国土交通省の案内から地理院地図へ進むと、人口集中地区や空港等周辺の情報を確認できます。表示した項目と情報の時点を確かめ、古いスクリーンショットだけで判断しないようにしてください。
航空法の空域は、地図と高さを組み合わせて確認する
空港周辺は、低い飛行でも確認を省かない
空港やヘリポートの周辺では、航空機の離着陸を守るための空域が設定されています。飛行する地点によって確認すべき高さが異なり、一部の空港では進入表面等の下や空港敷地上空も規制対象です。
国土交通省は、地図には誤差が含まれる場合があるため、境界付近では空港等の設置管理者や空域を管轄する機関への確認を求めています。画面上で境界線の外に見えることだけを根拠に飛ばさないでください。
空港周辺や地表・水面から150m以上の高さでの飛行を検討するときは、国土交通省の飛行禁止空域の案内で、対象空域と管轄機関を確認します。該当する場合は、必要な調整を行ってから許可申請へ進みます。
DIDは、実際に人が少ないかでは判断しない
人口集中地区(DID)は、国勢調査の結果に基づいて設定されます。その時間に人がいない、広い空き地である、といった現地の印象だけでDIDの対象外になるわけではありません。
一方、2026年7月1日から、都市計画法上の「工業専用地域内の区域」は、人又は家屋の密集している地域から除外されています。DIDに含まれていても、この区域ではDIDを理由とする飛行許可は不要です。
「工業専用地域」は、工場が建っている場所全般を指しません。「工業地域」や「準工業地域」とも区別が必要です。 該当区域は自治体に確認し、国土交通省の告示・説明資料で対象を確かめてください。他の空域や飛行方法、施設管理の条件までなくなるわけではありません。
緊急用務空域は、飛行直前にも確認する
災害時などに警察・消防等の航空機が活動するため、緊急用務空域が指定されることがあります。
通常の空港周辺、150m以上、DIDでの飛行許可を受けていても、その許可だけで緊急用務空域を飛行することはできません。国土交通省の公示を、実際に飛ばす前に確認してください。
数日前に指定がなかったという確認だけで済ませず、予定変更や災害等があったときも確認し直します。
重要施設の周辺は、航空法とは別の指定図を見る
国会議事堂、官邸、防衛関係施設、対象空港、原子力事業所などの周辺には、小型無人機等飛行禁止法による規制があります。
2026年7月14日施行の改正により、対象施設周辺地域として指定する範囲は、施設の敷地・区域と、その周囲おおむね1,000mへ拡大されています。古い資料にある「300m」のままで確認しないよう注意してください。
正確な範囲は、単に施設の中心から円を描くのではなく、警察庁の対象施設一覧と指定関係の案内から、施設ごとの指定図を確認します。一時的な指定もあるため、最新の指定・改正情報も確認しましょう。
同意や通報は、DIPSの手続きとは別
対象施設の管理者等の同意を得るなど、飛行禁止の例外に該当する場合でも、原則として飛行開始の48時間前までに、管轄警察署を経由した都道府県公安委員会への通報が必要です。対象施設や海域によっては、施設管理者や海上保安機関への通報も必要になります。
土地所有者の了承だけで、どの対象施設周辺でも飛ばせるわけではありません。例外の適用条件は場所によって異なるため、警察庁の規制概要と通報手続きを確認し、必要な同意・通報先を整理してください。
航空局の許可・承認や、DIPSの飛行計画通報を済ませても、この手続きに代わるものではありません。
公園・河川・道路は、それぞれの管理ルールを確認する
航空法上の条件を満たしていても、土地や施設の利用方法が認められない場合があります。離着陸地点の所有者・管理者を確認し、自治体の条例や施設の利用案内も調べます。
| 場所 | 確認する相手・内容 |
|---|---|
| 都市公園・運動施設 | 自治体や指定管理者。ドローン利用、撮影、立入り・使用区域の条件 |
| 国立公園などの自然地域 | 土地・施設の管理者、所管の環境省事務所等。利用者・野生生物への影響、施設設置等の別手続き |
| 河川・河川敷 | その区間の河川管理者、占用している公園等の管理者。飛行・離着陸・一時使用・占用の扱い |
| 道路やその周辺 | 管轄警察署、道路管理者。交通への影響、作業・撮影方法、看板等の設置 |
| 私有地・事業所 | 所有者・管理者。離着陸・立入り・撮影の範囲と条件 |
公園は、都市公園と国立公園を一括りにしない
都市公園では、自治体の条例や管理ルールによりドローンの利用が制限される場合があります。航空局の許可を見せれば必ず使える、と考えないようにしてください。
国立公園について、環境省は、飛行や離着陸そのものは自然公園法の許可申請・届出が必要な行為ではないと案内しています。ただし、土地等の管理者が飛行を禁止している場合や、工作物の設置・木竹の伐採など別の規制行為を伴う場合があります。
環境省のドローン使用上の注意を確認し、野生生物、他の利用者、撮影時のプライバシーにも配慮します。「自然公園法の申請が不要」と「その場所を自由に使える」は同じではありません。
河川敷は、届出を出せば独占できる場所ではない
河川の利用には、自由使用として扱われるものと、占用許可等が必要なものがあります。ドローンの利用についても、管理区間や使い方に応じた確認が必要です。
たとえば、荒川下流河川事務所の案内では、ドローン等の一時使用に条件があり、一時使用届は利用の予約や独占を認めるものではないとされています。
この扱いを全国の河川へそのまま当てはめず、飛行する区間の管理者に確認してください。河川敷の公園やグラウンドを使う場合は、その施設の管理者への確認も分けて行います。
道路は、上空を通ることと交通に影響する作業を分ける
道路の上空を飛行するということだけで、直ちに道路使用許可が必要となるわけではありません。一方、交通に危険や妨げを生じる作業、人が集まって一般交通に大きく影響する撮影などは、道路使用許可の対象となります。
国土交通省等のドローン物流ガイドライン(2022年公表、33ページ)は、道路使用についてこの違いを説明しています。看板等を道路に設置する場合には、道路占用の手続きも必要となることがあります。
具体的な利用方法は、警察庁の道路使用許可の案内を参照し、管轄警察署や道路管理者へ相談します。道路使用許可の要否と、航空法上の飛行条件・第三者への安全確保は別に確認してください。
問い合わせるときは、地図と予定する飛行内容を添える
確認先に連絡するときは、次の情報をまとめておくと、必要な手続きを相談しやすくなります。
- 場所と範囲: 住所、離着陸地点、経路、高度を示した地図
- 日時と目的: 予定日・時間帯、撮影や点検等の内容
- 機体と体制: 使用機体、操縦者・補助者の配置、第三者の立入りへの対応
- 手続きの状況: 取得済みの許可、管理者への確認結果、未確定の条件
回答を得たら、確認日、担当窓口、認められた範囲や条件を記録します。経路や日時、利用方法が変わった場合は、前の回答がそのまま当てはまるか確認し直してください。
飛行当日は、緊急用務空域などの最新情報に加え、人や車の動き、工事、天候、通信・電線等の現場状況も確認します。地図上の条件がそろっていても、安全を確保できないときは、飛行を見合わせる判断が必要です。
今の包括許可で予定の現場に対応できるかは、包括申請と個別申請の違いを、申請に必要な情報の整理はDIPS2.0の飛行許可申請準備ガイドをご覧ください。
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ドローンの包括申請と個別申請の違い|飛行経路・日時を特定するケース
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DIPS2.0の飛行許可申請で準備するもの|必要情報・補正・許可書の確認
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サクセスファン行政書士事務所では、予定する場所・経路・飛行方法に応じた許可・承認の確認と申請手続きをサポートします。相談をご希望の方は、候補地の地図と予定内容をまとめ、お問い合わせフォームまたは電話078-201-4009へご連絡ください。