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神戸のサクセスファン行政書士事務所

探偵業の立入検査と行政処分|日常点検と不備の是正を解説

探偵業は、開始届を提出した後も、契約書面、従業者名簿、教育、調査資料の管理などを適切に運用する必要があります。立入検査に備える際も、書類を一度揃えて終わりにせず、実際の業務と記録が一致しているかを確認しましょう。

立入検査は、営業所の業務や帳簿・書類などを確認する監督の仕組みです。不備が見つかったときは、事実と不足を整理して是正し、実施していない教育や過去の交付を、後から行ったように記録しないことが重要です。

この記事では、探偵業法に基づく立入検査、指示・営業停止・営業廃止の違い、日常点検と不備対応を解説します。確認日:2026年11月7日。個別の処分見通しや不服申立てなどは、通知書と具体的な事実を基に専門家へ確認してください。

実態と記録を確かめ、実際の対応日を残して改善するための整理例です。

探偵業の立入検査では、何を確認できるのか

警察庁の探偵業の案内と探偵業法第13条によると、公安委員会は法律の施行に必要な範囲で、業務状況の報告・資料提出を求め、警察職員に営業所へ立ち入らせ、業務状況や帳簿・書類等を検査させ、関係者へ質問させることができます。

立ち入る警察職員は、身分を示す証明書を携帯して関係者に提示することとされています。また、この立入検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならないと定められています。

警察庁の解釈運用基準(第13、PDF)は、法の目的と関係のない事項に及ぶなど、無用の負担をかけないよう配慮するとしています。一方、必要な範囲では、所在地を管轄する都道府県以外の公安委員会による報告・資料提出の要求や、他県の警察職員による立入りも可能としています。

「自分の県の警察でないから応じなくてよい」「顧客の秘密なので一律に資料を見せない」と決めつけず、担当者の身分、求められる資料、目的や範囲を確認して対応します。検査の拒否・妨害・忌避や、虚偽の報告・資料提出には罰則があります。

日常点検は、届出・契約・人員・資料管理をつなげます

次の項目は、日常の管理を点検するための整理例です。全国共通の検査票や、これだけ揃えれば検査に合格するという一覧ではありません。実際の確認内容は、法令と営業所の業務状況などに応じます。

  • 届出と実態:営業所、代表者・役員、広告に用いる名称などに未届の変更がないか。
  • 標識:営業所の見やすい場所に現在の内容で掲示されているか。ウェブ掲載の要否と内容も確認したか。
  • 契約書面:違法利用をしない旨の書面の受領、契約前の説明・書面交付、契約後の書面交付が適切に行われているか。
  • 従業者名簿:営業所ごとに備え、採用・退職や担当業務の変化が反映されているか。
  • 教育:担当業務に必要な教育を行い、計画と実施内容を説明できるか。
  • 調査資料:保管、閲覧権限、持出し、複写、廃棄の手順が実際に守られているか。
  • 受任・委託:違法利用を知った依頼を続けていないか。探偵業務の委託先を確認しているか。

例えば、契約書のひな形が最新版でも、実際の案件で説明や交付を行っていなければ、ひな形を保管しているだけでは十分ではありません。担当者への聞取りと実際の記録を合わせて点検します。

従業者名簿は、営業所ごとの実態と保存期間を確認

探偵業法施行規則では、従業者名簿に、氏名・住所・性別・生年月日、採用年月日・退職年月日、従事させる探偵業務の内容を記載することが定められています。名簿には、3年以内に撮影した、無帽・正面・上三分身・無背景の写真(縦3cm、横2.4cm)を貼り付けることも必要です。退職した日から起算して3年を経過する日まで、その者の名簿を備えておく必要があります。

警察庁の解釈運用基準は、担当する探偵業務の内容を具体的に記載するよう求めています。役割を実態に合わせて記録し、退職者を単に一覧から消して終わりにしないようにしましょう。

この3年という期間を、すべての契約書・調査写真・教育記録に共通する保存期間として転用してはいけません。また、大阪府の条例に基づく別の名簿ルールと、探偵業法の名簿ルールも混同しないでください。

教育・契約・資料管理の詳しい整え方

教育については、警察庁の解釈運用基準が、教育計画書と教育実施記録簿を作成するよう指導するとしています。計画や記録は実施状況を確認する手段であり、未実施の研修を実施済みと書くものではありません。

不備が見つかったときは、事実と是正を分けて記録

自主点検や検査で不足が分かった場合は、まず、何が・いつから・どの案件や従業者に関係するかを確認します。以下は実務上の対応例で、処分を免れることを保証するものではありません。

  • 事実確認:元の資料や記録を保全し、推測と確認済みの事実を分ける。
  • 影響の確認:進行中の案件、情報漏えい、依頼者や対象者への影響を確認する。
  • 是正:不足する手続きや教育、管理方法を見直し、実際に対応した日を記録する。
  • 再発防止:原因、責任者、期限、確認方法を決め、運用できているか再点検する。

過去の教育日をさかのぼって記入する、交付していない書面を交付済みにする、検査に関係する資料を隠すといった対応は避けてください。過去の不足はそのまま整理し、現在できる是正と再発防止を区別します。

届出内容に変更がある場合は、探偵業の変更・廃止届も確認してください。期限を過ぎた届出は、実際の発生日と状況を管轄警察署へ説明し、日付を作り替えないようにします。

指示・営業停止・営業廃止は、それぞれ要件が違います

探偵業法第14条・第15条では、次のような行政処分が定められています。口頭での一般的な助言と、法律に基づく「指示」は同じものではありません。

  • 指示:法令違反があり、業務の適正な運営が害されるおそれがあると認められる場合に、必要な措置をとるよう命じるもの。
  • 営業停止命令:法令違反により適正な運営が著しく害されるおそれがある場合、または指示に違反した場合に、当該営業所の探偵業の全部または一部を、6か月以内の期間を定めて停止させるもの。
  • 営業廃止命令:欠格事由のいずれかに該当する者が探偵業を営んでいる場合に、営業の廃止を命じるもの。

必ず「注意、指示、停止、廃止」の順に進むわけではありません。営業停止は指示違反だけが要件ではなく、営業廃止も単に違反回数が増えた場合の最終段階という仕組みではありません。

また、「営業停止は必ず6か月」と決まっているわけではありません。具体的な処分内容は、事実関係、法令、処分基準などを踏まえて判断されます。行政処分と刑事上の責任は別であり、是正したことだけで過去の違反の問題が当然になくなるものでもありません。

行政処分の公表と、通知を受けたときの確認

警察庁の行政処分の公表基準(PDF)は、営業停止・営業廃止などを公表対象とし、指示については、過去3年以内に指示を受けた場合、または過去5年以内にその他の処分を受けた場合に限るとしています。公表期間は、処分の日から起算して3年間とされています。

公表対象や期間には条件があるため、「公表一覧に載っていないから過去の指導・処分が一切ない」とまでは判断できません。兵庫県の情報は兵庫県公安委員会の行政処分公表ページで確認できます。

処分に関する通知を受けたときは、対象営業所、理由と根拠、提出期限、弁明などの手続き、命令の内容を確認します。警察庁の解釈運用基準は、指示や営業停止を不利益処分として扱い、弁明の機会を付与する手続きを示しています。通知を放置せず、事実関係と資料を整理して対応してください。

処分の争い、不服申立て、刑事事件や損害賠償が関係する場合は、弁護士等への相談を検討します。具体的な通知の内容を確認せずに、「必ず処分を避けられる」「書類を直せば営業を続けられる」と判断することはできません。

開業後も続けられる管理体制を整えましょう

開業から営業上の義務までの全体像は、探偵業届出の総合ガイドをご覧ください。神戸・兵庫で届出や営業所の書類整備について相談したい方は、営業所の所在地、個人・法人の別、整理したい手続きや書類をお知らせください。

初回のお問い合わせでは、実際の調査報告書や調査対象者の住所・写真を送らず、必要な資料と送付方法を確認してから進めてください。行政処分への対応が必要な場合は、その有無と期限を先に伝え、対応範囲も確認しましょう。