
医療機器を販売・レンタルするときは、まず取扱製品の区分と「特定保守管理医療機器」に当たるかを確認します。高度管理医療機器等は営業所ごとの許可、管理医療機器は原則として事前の届出が必要です。一般医療機器でも、特定保守管理医療機器に当たれば許可の対象になります。
「家庭用だから不要」「クラスⅡだから届出だけ」と商品名やクラスだけで決めず、製造販売業者に品目ごとに確かめることが出発点です。本記事では、神戸・兵庫で販売・貸与を始める方が、製品・管理者・営業所・提出先を順に確認できるよう整理します。
対象は医療機器の販売業・貸与業です。医薬品を扱う方は医薬品販売業のガイド、調剤を行う薬局を開く方は薬局開設許可のガイドをご覧ください。製造販売・製造・輸入・修理まで、この許可で行えるわけではありません。
制度確認日:2026年11月2日。以下の申請書類・受付運用は、特記がない限り神戸市の新規営業を想定しています。
申請準備の支援を検討する方は、取扱製品と営業所の予定地をお知らせください。対応範囲・費用のお問い合わせ: メール・LINE・電話 090-3542-8440
許可・届出・不要を分ける順番
最初に特定保守管理への該当性、その次に高度管理・管理・一般の区分を見ます。「特定保守管理」はクラスⅠ~Ⅳとは別の確認軸です。販売だけでなく貸与、業としての授与等も規制対象となるため、レンタルや無償提供という名前だけで対象外にはなりません。

| 取扱機器 | 販売・貸与の手続き | 営業所管理者 |
|---|---|---|
| 特定保守管理医療機器(クラスにかかわらず) | 高度管理医療機器等販売業・貸与業の許可 | 資格要件を満たす管理者が必要 |
| 特定保守管理ではない高度管理医療機器(Ⅲ・Ⅳ) | 同上の許可 | 資格要件を満たす管理者が必要 |
| 特定保守管理ではない管理医療機器(Ⅱ) | 原則、事前の届出 | 特定管理医療機器は必要。指定された家庭用管理医療機器のみなら不要 |
| 特定保守管理ではない一般医療機器(Ⅰ) | 販売・貸与業の許可・届出は原則不要 | この販売・貸与業制度上の設置は不要 |
管理医療機器のうち、電子体温計・男性向け避妊用コンドーム・女性向け避妊用コンドームのみを扱う場合には届出不要の扱いがあります。他の品目を追加するときは改めて判定してください。「不要」は製品の品質管理や広告などの規制までなくなる意味ではありません。
また、同じ営業所で高度管理医療機器等の許可を受けて管理医療機器も扱う場合、管理医療機器の別届出は不要とされています。申請時には扱う機器全体と陳列・保管場所を伝えます。
出典:神戸市・高度管理医療機器等の手引、神戸市・管理医療機器の手引
仕入れる前に「品目リスト」を作る
仕入先への確認は、「血圧計を売りたい」ではなく、販売名・型番を特定して、製造販売業者の回答をもらう形にします。同じ通称の機器でも区分が異なるためです。
品目ごとに次の項目を一行にまとめると、行政への相談や管理者の資格確認にも使えます。
- 販売名・型番、製造販売業者名
- 一般的名称・JMDNコード、クラス分類
- 特定保守管理医療機器に該当するか
- 管理医療機器の場合、特定管理医療機器に該当するか
- 新品・中古の別、販売・貸与の別、保管場所
- 根拠にした添付文書等と、製造販売業者への確認日
PMDAの医療機器情報検索では、公開されている添付文書等を販売名・一般的名称から調べられます。ただし、検索で見つからないことだけで「医療機器ではない」と判断しないでください。表示や資料に疑問が残る品目は、製造販売業者に照会し、その回答と製品資料を薬務窓口へ示します。
兵庫県の手引でも、分類を確かめる方法として製造販売業者への確認を案内しています。通称だけで申請区分を決めない点が大切です。兵庫県・高度管理医療機器等の手引
管理者は「誰でも講習を受ければよい」わけではない
高度管理医療機器等は、扱う範囲と経歴を照合する
一般的なルートの一つは、対象となる高度管理医療機器等の販売等業務に3年以上従事した後、基礎講習を修了するものです。この3年に、指定視力補正用レンズ等のみ・プログラム高度管理医療機器のみを扱う業務をそのまま算入できるわけではありません。
指定視力補正用レンズ等のみを扱う営業所には1年以上の対象業務経験と基礎講習によるルートがあり、プログラム高度管理医療機器のみを扱う営業所にも別の要件があります。限定された取扱範囲の資格を、すべての機器に使える資格と読み替えないことが重要です。
医師・歯科医師・薬剤師など、同等以上の知識・経験があるとされる別の資格ルートもあります。登録販売者という資格名だけで医療機器の管理者になれるとは限りません。
管理医療機器は、管理者が要る品目かを先に確認する
特定管理医療機器を扱う場合は管理者が必要です。対象となる高度管理医療機器等の業務経験1年以上、又は所定の特定管理医療機器の業務経験3年以上の後に基礎講習を修了するルート等があります。補聴器のみ、家庭用電気治療器のみ、プログラム特定管理医療機器のみを扱う場合には、それぞれの限定要件があります。
候補者の免許証・講習修了証だけでなく、勤務先、従事期間、実際に扱った機器の区分と業務内容を揃えて照合してください。基礎講習の受講資格と、開業後の継続研修は別の話です。
管理者は名義だけを置く人ではなく、営業所を実地に管理する人です。複数拠点や他業務との兼務を予定する場合は、認められる条件・許可の要否を事前に窓口へ確認します。
資格の詳細:神戸市・高度管理の手引(管理者資格)、兵庫県・管理医療機器の手引
営業所は契約・改装前に図面で相談する
営業所には、適切な採光・照明・換気、清潔さ、居住場所や不潔な場所との区分、取扱品目を安全・衛生的に保管できる設備などが求められます。神戸市では、常時居住する場所との区分をカーテン等だけで済ませることはできません。
自宅兼事務所、倉庫を別に借りる計画、在庫を仕入先から直送する販売などは、名称だけで適否を判断せず、受注・保管・出荷・管理をどこで誰が行うかを図面とともに説明してください。大型機器を営業所以外に保管する場合にも、その場所の図面や管理体制の確認が必要です。
神戸市の高度管理医療機器等の新規申請は、設計段階での事前相談を案内しています。建物配置図、フロア全体の図、営業所の平面図を用意し、品目リストと保管場所を添えて相談すると、確認点が具体的になります。プログラムだけを通信回線で提供する営業所には構造設備規定の特例がありますが、許可や管理者まで一律に不要になるわけではありません。
相談・図面の案内:神戸市・高度管理医療機器等販売業貸与業の手続き
品目・管理者候補・図面のどこまで準備できているかをお知らせください。申請支援について、対応できる範囲と費用を確認する相談入口です。
神戸市で用意する書類と進め方
許可ルート:製品・管理者・営業所を固めてから申請する
新規の高度管理医療機器等販売業・貸与業許可では、次の書類等を基本に準備します。兼務など個別条件に応じた添付もあるため、一覧を全件共通の完結した提出セットとは考えないでください。
| 基本となる書類等 | 確認すること |
|---|---|
| 許可申請書 | 申請者・営業所・管理者・取扱区分。法人は薬事の責任役員も確認 |
| 付近の見取り図、建物配置図・フロア図、営業所平面図 | 所在地と施設内の位置、保管・陳列場所。建物の状況による省略条件あり |
| 法人の登記事項証明書 | 神戸市では法人番号の記載で添付省略可。登記完了が前提。添付する場合は発行後3か月以内、写し可 |
| 管理者との使用関係を示す書面等 | 申請者以外の人が管理者になる場合に準備 |
| 管理者資格を証する書類の写し | 資格ルートに対応する免許・講習・経験等を確認 |
| 申請手数料 | 新規29,000円。事務所へ依頼する費用とは別 |
資格関係書類等の写しに疑義がある場合には、原本照合を求められることがあります。「写し可」を「原本を一切用意しなくてよい」と受け取らないでください。
進め方は、品目確認→管理者候補の要件確認→図面の事前相談→必要な施設整備・書類準備→申請・審査対応→許可開始後の営業、の順です。申請しただけで営業を始めることはできません。
届出ルート:営業開始前に提出する
管理医療機器の届出は営業所ごとに行います。神戸市の基本書類は、届書、付近の見取り図、建物配置図又はフロア図、営業所平面図です。特定管理医療機器を扱う場合には管理者資格の書類の写しも用意します。
電子・郵送・窓口の提出方法があり、書面提出は2セットを準備します。営業開始前(休日を除く)に提出してください。許可申請の「20日前」をそのまま届出の期限として当てはめる必要はありません。
最新様式は、神戸市の許可申請ページ又は管理医療機器の届出ページから取得してください。
申請先・費用・開業までの日程を確認する
神戸市内の営業所は、神戸市保健所医務薬務課が窓口です。所在地は神戸市中央区加納町6丁目5-1、神戸市役所1号館20階。来所時は市の案内から窓口予約を行います。
兵庫県内でも、神戸市・姫路市・尼崎市・西宮市・明石市は各市保健所、それ以外は営業所所在地を管轄する県の健康福祉事務所が窓口です。本社ではなく、申請する営業所の所在地から探してください。兵庫県・申請受付窓口と手引
神戸市の新規許可は営業開始日の20日前(休日を除く)までの提出が案内されています。これは「相談から20日で必ず開業できる」という約束ではありません。管理者の経験・講習、物件整備、補正等の準備期間も見込んで、開業希望日から逆算します。
高度管理医療機器等の神戸市の公的手数料は新規29,000円、更新11,000円です。新規申請では窓口のキャッシュレス決済、又は窓口で受け取る納付書による納付が案内されています。納付書を使う場合は、金融機関で納付して領収証を戻す流れがあるため、市は14時までの来所を案内しています。
設備費、講習・研修費、書類の取得費、申請支援を依頼する場合の報酬は別に考えます。県管轄や他市では提出・支払方法が異なるため、神戸市の方法を流用しないでください。
開業後も、管理記録・研修・変更手続きを続ける
高度管理医療機器等の販売・貸与は、許可取得で管理が終わる仕事ではありません。管理者の毎年度の継続研修、品質管理、従業者への教育、苦情・回収への対応、必要な取引・管理記録を運用します。機器区分によって義務や記録の扱いが異なるため、取扱品目に対応する管理方法を開業時に決めておきます。
神戸市は更新の際、取引記録、管理記録、継続研修修了証等を確認します。更新時期は許可期限の3か月前から1か月前までのなるべく早い時期が案内されています。許可証と期限管理を担当する人を決め、更新直前に記録を探し始める状態を避けましょう。
管理者等の変更、休止・廃止・再開にも届出が必要です。移転や営業者変更は、単なる変更届で済むと決めず、次の営業を始める前に新規手続きの要否を窓口へ確認してください。
参照:神戸市・更新と変更等の手続き、厚生労働省・継続研修の実施機関
よくある確認事項
ネット販売なら営業所の許可・届出はいりませんか?
ネット販売という販売方法だけで不要にはなりません。取り扱う機器と営業実態から判断します。実店舗に来客がない場合も、所在地、保管・発送の場所、管理者がどこを管理するかを説明できるようにしてください。
中古の機器やレンタル戻り品を扱う場合は?
中古であっても機器区分に応じた許可等の確認が必要です。原則として、販売等に先立つ製造販売業者への通知と、その指示への対応も検討しなければなりません。事業者間の流通や繰り返し貸与などには個別の取扱いがあるため、「毎回必ず同じ書類」「一度通知すれば永久に不要」と決めつけず、製造販売業者と運用を確認します。
厚生労働省の販売業・修理業Q&A及び中古医療機器の個別事案の取扱いが確認先です。修理を事業として行う場合の手続きは、販売・貸与とは別に確認してください。
修理部門を始める方は、作業の範囲・修理区分・責任技術者を整理する次のガイドをご覧ください。
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兵庫県の医療機器修理業許可|販売業との違い・修理区分・責任技術者
兵庫県で医療機器の修理業を始める方へ。販売業との違い、保守点検と修理の境界、特管・非特管の修理区分、責任技術者、事業所・申請書類と県への事前相談を整理します。
続きを見る
薬局や医薬品販売の許可があれば、何でも扱えますか?
いいえ。許可施設内で管理医療機器を扱う場合の届出には例外がありますが、高度管理医療機器等の許可まで自動的に得られるわけではありません。医薬品販売の店舗で特定管理医療機器を扱う場合の管理者届出も含め、追加品目を薬務窓口に伝えてください。
海外製品を直接輸入して売りたい場合も、この手続きで足りますか?
足りるとは限りません。国内で流通している製品を仕入れて売ることと、輸入して市場に出すことは別の制度上の確認が必要です。販売・貸与の準備に進む前に、兵庫県の製造販売業等の案内から事業内容を相談してください。
次の一歩:商品・人・場所の3点を持って相談する
まだ全てが決まっていなくても、次の情報があれば確認を進めやすくなります。
- 商品:販売名・型番と区分が分かる資料、販売/貸与、新品/中古の予定
- 人:申請者、管理者候補の資格・従事歴、兼務の有無
- 場所:営業所・保管場所の住所と図面、営業開始希望日
製品区分は製造販売業者へ、申請要件と施設・資格の判断は所在地の薬務窓口へ確認します。申請準備の支援を検討する場合は、事務所へこれらの資料と「どこまで決まり、何が未確定か」をお知らせください。対応できる手続きの範囲と費用を確認するところから進められます。
商品・人・場所の情報を添えて、申請準備についてお問い合わせください。ご依頼前に、対応範囲と費用をご確認いただけます。
