「酒屋で働いたことがなくても申請できる?」「会社が赤字だと免許は取れない?」「自宅や飲食店の一角で販売したい」。一般酒類小売業免許の準備では、このような条件判断で迷う方が少なくありません。
確認するのは、人的要件・場所的要件・経営基礎要件・需給調整要件の4つです。 経験年数や決算書の一項目だけでは判断できず、申請者や役員の状況、実際の販売場、資金と管理体制を合わせて確認します。
こんにちは。神戸のサクセスファン行政書士事務所、行政書士の小野馨です。この記事では、全国共通の要件について「誰の、いつの、どの資料を見るのか」を解説します。ご自身の計画で確認が必要な点を見つけ、税務署への相談に持参する資料を整理していきましょう。
一般酒類小売業免許は、販売場で消費者や店内提供用に仕入れる飲食店などへ、原則として全ての品目の酒類を小売するための免許です。全国向けの通販や酒販店への卸売を計画している方は、先に酒類販売業免許の種類と選び方で免許の区分をご確認ください。
本記事は、国税庁「一般酒類小売業免許申請の手引」の令和8年9月改訂版を基にしています。参照頁は同手引の頁番号です。
一般酒類小売業免許を取れる条件か、資料をどうそろえるか迷っていませんか。販売方法と店舗の予定を伺い、事前確認・必要資料の整理・申請書類の準備について相談できます。

一般酒類小売業免許の人的・経営基礎要件を確認する
申請者・役員等の対象範囲と、取消処分・違反歴などの期間。
現在の納税、決算、経歴、必要資金と管理体制。
販売場の区分と、ほかの営業からの独立性。
飲食店経営などの該当状況と、例外的な取扱いの確認。
4つを照合 → 不明点を資料と結び付ける → 販売場の所在地を担当する酒類免許の相談窓口へ相談
申請者だけでなく、法人の役員なども審査対象になる
人的要件は、免許の取消処分や一定の違反歴などを確認する要件です。法人で申請する場合も、「新しい会社だから過去の経歴は関係ない」とは考えられません。
ただし、全ての項目が全員に同じように適用されるわけではありません。まず、次の区分を押さえてください。
| 確認する項目 | 主な対象者 |
|---|---|
| 人的要件の取消処分・一定の罰金刑等・拘禁刑以上の刑 | 申請者に加え、該当する法定代理人、申請者または法定代理人が法人の場合の役員、販売場に置く支配人 |
| 人的要件の申請前2年以内の滞納処分 | 申請者。法人申請なら申請法人について確認 |
| 経営基礎要件の現在の滞納や銀行取引停止処分など | 申請者。法人の場合は代表権を有する役員や主たる出資者も含めて確認 |
人的要件でいう法定代理人は、申請者が営業に関し成年者と同一の能力を有しない未成年者である場合などに問題になります。法人の役員については、代表取締役だけでなく監査役も含めて確認します。申請書類でも、監査役を含む役員全員の履歴書や免許要件誓約書が求められます。
また、「支配人」は単なる店長という意味ではなく、手引の記載例では支配人登記をした者とされています。販売実務の担当者や酒類販売管理者とは役割が異なります。法人の登記事項、役員一覧、出資関係を整理し、どの人について確認が必要かを明確にしておきましょう。
取消処分・違反歴は、対象と起算日を分ける
人的要件の主な確認事項は次のとおりです。「3年前の出来事だから大丈夫」と、出来事の日だけで判断しないことが大切です。
- 酒類等の製造免許・酒類販売業免許、アルコール事業法の許可の取消処分: 法定の対象となる取消処分を受けた場合、その日から3年を経過していることを確認します。処分の理由と根拠を確認し、全ての「取消し」を一括りにしないでください。
- 取消処分を受けた法人の役員だった場合: 取消原因があった日以前1年内に、その法人の業務を執行する役員だった人が対象です。期間は、その法人が取消処分を受けた日から3年です。
- 国税・地方税に関する法令等の違反: 対象となる罰金刑や通告処分がある場合、刑の執行を終えた日、執行を受けることがなくなった日、または通告の旨を履行した日から3年を確認します。
- 20歳未満への酒類提供等に関する一定の罰金刑: 対象法令・犯罪に該当するときは、刑の執行を終えた日または執行を受けることがなくなった日から3年です。
- 拘禁刑以上の刑: 執行を終えた日または執行を受けることがなくなった日から3年を確認します。
一定の罰金刑の対象には、二十歳未満ノ者ノ飲酒ノ禁止ニ関スル法律、風営法のうち20歳未満への酒類提供に係る部分、暴力団対策法、刑法の傷害・現場助勢・暴行・凶器準備集合及び結集・脅迫・背任、暴力行為等処罰に関する法律の違反があります。全ての罰金刑が同じ扱いという意味ではありません。
心当たりがある場合は、処分通知書や判決、納付・履行の記録などから、処分内容と日付を確認してください。関係する役員の経歴も含め、判断に迷う事実は申請前に相談します。免許要件誓約書に事実と異なる内容を記載すると、拒否処分や、取得後の取消処分の対象になり得ます。
根拠:国税庁「一般酒類小売業免許申請の手引」6、21、33、37頁。取消しの対象は酒税法第10条参照。
「2年以内の滞納処分」と「現在の税の滞納」は別に確認する
税金については、次の二つを分けます。
人的要件では、申請者が申請前2年以内に国税・地方税の滞納処分を受けていないかを確認します。 国税庁の通達では、ここでいう滞納処分は財産の差押えを受けたことです。納期限に遅れたことや督促状が届いたことと、同じ意味ではありません。
2年の期間は、通達上、滞納処分が終了した日の翌日から申請書を受理した日までで計算します。申請後の状況の変化についての取扱いもあるため、差押えを受けた日だけから数えず、終了日と現在の状態を示して確認してください。
経営基礎要件では、現に国税・地方税を滞納していないかを確認します。 差押えを受けていなくても、現在の滞納があれば別に問題になります。法人申請では、法人だけでなく代表権を有する役員や主たる出資者も確認対象に含まれます。
したがって、「今は完納しているから、過去の滞納処分は関係ない」「差押えはないから、現在の未納は問題ない」という判断はできません。納付状況と処分歴をそれぞれ整理しましょう。
提出する地方税の納税証明書も、未納の税額がない旨と、2年以内に滞納処分を受けたことがない旨の両方を証明するものが必要です。納税額だけが載った証明書で足りるとは限りません。証明書の取り寄せ方は後半で説明します。
根拠:国税庁手引6〜7、39頁、酒税法及び酒類行政関係法令等解釈通達・第10条第6号関係1〜2。
赤字の判定は、繰越損失と3期分の当期純損失を分ける
「一度でも赤字なら取れない」という基準ではありません。国税庁の手引が挙げている財務上の確認は、次の二つです。
① 最終事業年度の繰越損失が、資本等の額を上回っていないか
最終事業年度の確定した決算に基づく貸借対照表を使います。繰越利益剰余金がマイナスの場合、その繰越損失の額と「資本等の額」を比較します。売上高や預金残高との比較ではありません。
② 最終事業年度以前3事業年度の全てで、資本等の額の20%を超える欠損が出ていないか
直近の確定した事業年度を含む3事業年度について、各年度の当期純損失を確認します。各年度の当期純損失が、その年度の資本等の額の20%を超えており、それが3事業年度の全てに当てはまる場合が問題になります。
「3期連続で少しでも赤字」「3年間の赤字の合計が資本金の20%超」という意味ではありません。税務上の繰越欠損金だけで判定するものでもありません。
ここで使う資本等の額は、手引で次のように定義されています。
資本等の額=資本金+資本剰余金+利益剰余金-繰越利益剰余金
資本金だけでも、貸借対照表の純資産合計そのものでもありません。増資や積立金の変動などにより、資本等の額は年度ごとに異なり得ます。3期の判定では、毎期の決算書からそれぞれ計算してください。
各年度の数字が違う場合は、次のように横に並べると判定箇所を見失いません。金額は架空の例です。
| 古い年度から | 資本等の額 | その20% | 当期純損失 | 20%を超えるか |
|---|---|---|---|---|
| 1期目 | 500万円 | 100万円 | 120万円 | 超える |
| 2期目 | 800万円 | 160万円 | 150万円 | 超えない |
| 3期目 | 1,000万円 | 200万円 | 250万円 | 超える |
2期目が20%を超えないため、この例は②の「3事業年度の全てで20%超」には当たりません。
これは架空の数値による②だけの確認例です。①の繰越損失、現在の滞納、必要資金などは別途確認するため、この計算だけで免許を取得できると判断することはできません。
決算書は、法人なら原則として直近3事業年度分の貸借対照表と損益計算書を用意します。個人の場合は最近3年間の収支計算書等です。自社の勘定科目を上記の定義に当てはめにくいときは、決算内容を税理士等に確認したうえで、免許審査上の取扱いを担当税務署に相談しましょう。
根拠:国税庁手引7、41頁。
財務以外の経営基礎要件も確認する
経営基礎要件には、前述の税金や決算以外にも次の事項があります。
- 破産手続開始の決定を受け、復権を得ていない状態ではないこと。
- 申請前1年以内に銀行取引停止処分を受けていないこと。
- 酒税に関係する法律に違反し、通告処分を履行していない場合や告発されている場合に該当しないこと。
- 販売場の設置が建築基準法・都市計画法・農地法等や条例に違反し、店舗の除却・移転を命じられている場合に該当しないこと。
- 酒類の適正な販売管理体制を構築できないことが明らかと見込まれる状態ではないこと。
銀行取引停止処分の確認期間は1年です。税の滞納処分に関する2年、人的要件の一定の処分等に関する3年と混同しないようにしてください。
さらに、酒類小売業を経営する知識・能力と、継続販売に必要な資金・施設・設備も必要です。申請書の提出後に決算期が到来するなど、最新の財務諸表を追加で確認される場合もあります。
根拠:国税庁手引7〜9頁。
未経験でも、知識・能力を具体的に説明する
手引では、おおむね次の経歴があり、酒類の知識や記帳能力などを備え、独立して営業できると認められる場合は、原則として知識・能力の要件を満たす取扱いが示されています。
- 免許を受けた酒類の製造業・販売業の業務に、引き続き3年以上直接従事した経験。薬用酒だけの販売業は除かれます。
- 調味食品等の販売業を3年以上継続して経営した経験。または、これらの業務に従事した期間を相互に通算して3年以上となる場合。
- 酒類業団体の役職員として相当期間継続勤務した経験や、酒類製造業・販売業の経営者として直接従事した経験などがあり、酒類の事業や業界の実情に十分精通していると認められる場合。
これらの経験がない場合は、他業種での経営経験、酒類販売管理研修の受講の有無等を踏まえ、商品管理や酒税法上の記帳義務などを適正に行う知識・能力があるかが実質的に審査されます。
「未経験だから一律に申請できない」「研修を受ければ必ず認められる」のどちらも適切ではありません。 履歴書に勤務先と在籍年数を書くほか、仕入れ、在庫管理、接客、帳簿作成など、実際に担当した仕事を説明してください。新しく学ぶ必要がある点は、研修の受講状況と、販売開始後に誰がどう管理するかを整理します。
酒類販売管理者の選任は、免許を受けるための知識・能力の審査とは別の義務です。管理者は販売場ごとに販売開始までに選任し、過去3年以内に研修を受けたことなどの要件を満たす必要があります。受講証だけで申請者側の経営能力の説明が済むわけではありません。
根拠:国税庁手引8、16〜17、30、37頁。
資金と設備は、事業規模に合う裏付けを用意する
必要なのは、酒類を継続的に販売するための資金、販売施設、設備です。資金を有し、免許が付与されるまでに施設・設備を備えることが確実と認められる場合も対象になります。内装完成前に検討する余地はありますが、「取得後に資金を探す」「設備は未定のまま」という計画で足りるとは限りません。
仕入れ、初期在庫、設備費などを見積もり、収支見込みと資金調達方法をつなげてください。手引の資金計算例に掲載された金額や計算方法は一例であり、全国一律の最低資金額ではありません。
自己資金なら資金繰表、資金捻出の根拠説明書、残高証明書、預金者名と残高が分かる通帳の写しなど、融資なら金融機関の融資証明書等が確認資料になります。予定仕入先、販売数量の算出根拠、店舗設備の見積りも整合させると、計画を説明しやすくなります。
根拠:国税庁手引8、21、27〜29、43頁。
決算書のどの数字を見るのか、経験や資金をどう説明するのかで止まったら、手元の資料からご相談ください。免許申請に向けて確認すべき点を整理します。税務上の判断が必要な事項は税理士等の確認と分けて進めます。

場所的要件と需給調整要件は、販売場と兼業の実態で確認する
販売場は、区画だけでなく営業の独立性も見られる
場所的要件では、正当な理由なく取締り上不適当な場所に販売場を設けようとしていないかを確認します。手引が示す基本は、次の二点です。
- 酒類の製造免許を受けた製造場、販売業免許を受けた販売場、酒場・料理店等と同一の場所でないこと。
- 区画割り、専属の販売従事者の有無、代金決済の独立性などにより、他の営業主体の営業と明確に区分されていること。
例えば、他店の狭い店内の陳列棚だけを借りて申請すればよい、というものではありません。図面上の線に加えて、誰が販売し、誰の売上として決済し、誰が在庫を管理するのかを説明する必要があります。
図面には建物全体の中での販売場の位置、売場、保管場所、事務所、他の営業部分を示します。実際の運営方法と図面が食い違わないようにしましょう。
「高さ1メートルの壁」「レジ2台」「施錠庫」「一定以上の最低面積」は、手引が示す全国一律の必須条件ではありません。 一方、仕切りや決済をどのように分けてもよいわけでもありません。他の事業者との混同を防げるか、予定する営業内容に照らして確認します。
根拠:国税庁手引7、21、25〜27頁。
自宅・賃貸物件は、使用権限と実際の使い方を確認する
自宅を使う計画では、「住宅」という名称だけで判断せず、販売場として使う範囲、居住部分との関係、販売・保管・管理の方法を具体化します。住所だけを置き、実際の営業場所が説明できない状態では、販売場の審査に必要な確認ができません。
特に賃貸住宅や賃貸店舗では、申請者がその場所を確実に使えることを確認します。契約上の用途、事業利用や転貸に関する定め、必要な承諾を確認してください。所有者と申請者の間に転貸人が入る場合、手引では所有者から申請者までの賃貸借契約書等の写しを求めています。
相談の際には、次の資料をまとめると説明しやすくなります。
- 販売場として使う範囲と、住宅・他の営業部分との関係を示した図面。
- 物件の全部事項証明書、賃貸借契約書等の使用権限を確認できる資料。
- 受注、代金受領、商品の引渡し、保管をそれぞれどこで行うかの説明。
- 建築・用途や営業に関する他法令、条例上の確認が必要な場合は、その関係資料。
酒類販売業免許を受ければ、賃貸借契約や建築・用途に関する問題も解消するわけではありません。契約や内装工事を進める前に、物件側の条件と免許の条件を並行して確認しましょう。
根拠:国税庁手引7〜8、21、40、42頁。上記の準備事項は、これらの要件と書類を自宅・賃貸物件の計画に当てはめた確認例です。
飲食店併設は、場所的要件と需給調整要件の両方を確認する
飲食店が店内で飲んでもらうためにお酒を提供する場合と、持ち帰り用に販売する場合は区別します。持ち帰り販売を始める計画では、必要な販売業免許を確認しなければなりません。
需給調整要件では、原則として、申請者が次のいずれにも該当しないことが求められます。
- 設立の趣旨から見て、販売先が原則として構成員に特定されている法人・団体。
- 酒場、旅館、料理店等、酒類を取り扱う接客業者。
ただし、接客業者でも、国税局長が販売業免許を付与することについて支障がないと認めた場合は、免許を受けることができます。 飲食店を経営していることだけで一律に不可とはなりませんが、区画を作るだけで例外が認められるとも限りません。
同じ営業主体が飲食店と酒販店を兼業する場合、手引は飲食店部分と酒販店部分の場所的区分に加えて、飲用と酒販用の酒類について、仕入れ・売上・在庫管理を明確に区分し、帳簿で確認できるなどの措置を求めています。仕入先等を含めて混同しない管理が必要です。
相談に向けて、次のように図面と管理方法を対にして整理してください。
| 区分するもの | 説明する内容 |
|---|---|
| 場所 | 飲食部分、酒販部分、陳列場所、保管場所の位置関係 |
| 仕入れ | 飲食用と販売用を、仕入先・伝票・記帳でどう判別するか |
| 売上 | 店内提供と持ち帰り販売を、決済記録・帳簿でどう分けるか |
| 在庫 | どの商品が飲食用か販売用か、保管と記録でどう確認するか |
このほか、構成員向けに設立された法人・団体も、一般小売の前提を満たすか確認が必要です。通常の店舗が顧客向け会員制度を設けることと、法人・団体の設立趣旨から販売先が構成員に特定されていることは、同じではありません。定款等と販売計画を基に判断します。
なお、通信販売で国産酒の対象範囲を判断する「3,000キロリットル未満」の基準を、一般小売の取扱酒や販売数量の上限に当てはめるものではありません。通販も行う場合は、別途通信販売酒類小売業免許の解説をご確認ください。
根拠:国税庁手引4、8〜9、15頁。
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飲食店でお酒を持ち帰り販売するには|必要な免許と売場・在庫の分け方
飲食店が、自宅など店の外で飲むためのお酒を持ち帰り用に販売するには、原則として酒類販売業免許が必要です。 飲食店営業の許可を持っていても、その許可だけでボトルの小売販売を始めることはできません。 こん ...
不安があるケース別に資料をそろえ、担当窓口へ相談する
創業・新設法人・赤字など、相談したい点に資料を対応させる
申請書類を一式そろえる前でも、課題がありそうな部分から事実と資料を整理できます。次の表は、相談準備のための例です。全てが一律の必須添付書類という意味ではありません。
| 気になる状況 | 先に確認すること・用意する資料 |
|---|---|
| 酒販経験がない | 職歴と担当業務、他業種での経営経験、研修の受講状況、商品・帳簿の管理方法 |
| 創業・新設法人で3期の決算がない | 設立時期、存在する決算書、現時点の財務資料、出資・資金調達の裏付け、収支計画 |
| 赤字や繰越損失がある | 直近3期の貸借対照表・損益計算書、各年度の資本等の額と当期純損失、最終年度の繰越損失 |
| 税金の未納・差押えがあった | 現在の納付状況、滞納処分の内容と終了日、必要事項を証明する納税証明書 |
| 自宅・賃貸物件を使う | 使用範囲を示す図面、契約上の用途・使用権限、販売と保管の方法 |
| 飲食店に併設する | 場所を分けた図面と、飲食用・販売用の仕入れ・売上・在庫を分ける管理案 |
創業直後や新設法人で3期分の決算がないことだけを理由に、一律に申請できないと判断する必要はありません。ただし、決算がないことをもって経営基礎要件の確認が不要になるわけでもありません。会社の設立時期と実際にある資料を示し、不足期間を含めて何を提出するかを担当部署に確認してください。
赤字などの懸念がある場合も、「今後売上が伸びる予定」という説明だけで問題が解消されるとは限りません。確定決算の数値と将来計画を分け、どの要件に関する懸念なのかを先に確認することが大切です。
地方税の納税証明書は、証明事項と発行元を指定する
申請者が法人なら本店所在地、個人なら住所地の属する都道府県と市区町村の両方から、地方税の納税証明書を取り寄せます。窓口では酒類販売業免許の申請用であることを伝え、次の二点が証明されるか確認してください。
- 未納の税額がないこと。
- 2年以内に滞納処分を受けたことがないこと。
法人の場合は、証明事項に特別法人事業税を含めます。2年以内に別の都道府県・市区町村へ本店移転や転居をした場合は、移転前・転居前の自治体が発行した証明書も併せて添付します。
証明書の名称や請求様式は自治体によって異なります。ある自治体の様式名を全国共通の名称として探すのではなく、必要な証明事項で確認しましょう。国税の納税証明書は、特別法人事業税を除き、手引では添付不要とされています。これは国税の滞納が審査対象外という意味ではありません。
なお、過去3年分の所得税・法人税の確定申告書を添付書類とともに税務署へ提出している場合など、財務諸表の添付を省略できる取扱いもあります。資料の不存在と添付省略は区別してください。
根拠:国税庁手引21、39、41頁。
相談先は販売場の所在地から探す
免許を受ける相手方は、販売場の所在地を所轄する税務署長です。一方、酒類免許の具体的な相談を担当する酒類指導官部門は、別の税務署に置かれている場合があります。本店所在地やご自宅の近くという理由だけで相談先を決めないようにしましょう。
国税庁「酒税やお酒の免許についての相談窓口」から、販売場の予定地を所管する国税局と担当部署を確認できます。来署前に連絡し、予約方法と持参資料を確認してください。
相談では、「免許は取れますか」と聞くだけでなく、販売方法・対象者・商品・場所を一枚にまとめ、心配な要件と対応資料を示すと、確認すべき点が伝わります。相談段階の見通しは免許の付与そのものではなく、申請後には追加資料や現地確認を求められることもあります。
神戸・兵庫で申請を検討している方は、地域の窓口や手続き、当事務所の申請支援をまとめた神戸の一般酒類小売業免許ガイドをご覧ください。全国共通の要件を確認したうえで、販売場の所在地に合う窓口へ進みましょう。
よくある質問
Q.一般酒類小売業免許が「取れない」のは、どのような場合ですか?
人的要件の対象となる期間内の処分歴がある、現在の滞納や所定の財務条件に該当する、販売場を区分できないなど、要件を満たさない場合です。懸念が一つあるだけで自己判断せず、対象者・期間・数値と根拠資料を確認してください。
Q.赤字決算でも申請できますか?
赤字というだけで一律に不可ではありません。最終年度の繰越損失と、直近3事業年度全てにおける当期純損失の基準を別々に確認し、資金や他の要件も検討します。
Q.酒類販売管理研修を受ければ、未経験でも大丈夫ですか?
研修受講は確認材料の一つです。経験や商品管理・記帳の能力も実質的に審査されるため、受講だけで取得が保証されるものではありません。
Q.自宅や飲食店でも申請を検討できますか?
実際の場所と営業の使い分けから確認します。自宅では使用権限や販売場の範囲、飲食店では場所的区分に加え、需給調整要件の例外と取引・在庫管理の区分が重要です。物件契約や工事の前に図面と管理案を相談しましょう。
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酒類販売業免許の必要書類・費用・期間|申請準備のチェックリスト
「申請書は見つかったけれど、添付書類をどこまで集めればよいのか」「開店までに間に合うのか」。酒類販売業免許の準備では、書類の名前だけでなく、誰が作り、どこから取り寄せ、いつまでにそろえるかを決めること ...
一般酒類小売業免許の準備について、無料で相談できます。予定する販売場・商品・販売方法と、判断に迷っている点をお知らせください。役所への事前相談、必要資料の整理、申請書類の作成・提出、補正対応について、ご依頼の範囲を確認します。

