
深夜にお酒を提供しながら、店側が演奏や演出、参加の呼び掛けなどでお客様を楽しませる営業では、特定遊興飲食店営業の許可を確認する必要があります。
「接待はしないから、深夜酒類の届出だけでよい」とは限りません。
一方、店内で音楽を流すことや、カラオケ機器があることだけで、この許可が必要と決まるわけでもありません。
営業する時間、酒類の提供、店側がどのようにお客様へ働き掛けるかを、組み合わせて考えます。
この記事では、全国共通の制度から対象を整理し、営業地の条件と申請準備へ進む順序を説明します。

特定遊興飲食店営業は、深夜・遊興・酒類の3要素で考える
特定遊興飲食店営業は、設備を設けて客に遊興と飲食をさせる営業のうち、酒類を提供し、深夜にも及ぶものです。
ただし、風俗営業に該当するものは除かれます。
対象となる営業は、営業所ごとに、所在地を管轄する公安委員会の許可を受けます。
風営法第2条・第31条の22
ここでいう深夜は、午前0時から午前6時までです。
警察庁は、深夜に酒類を提供しないものや、深夜に客へ遊興をさせないものなどは、この営業に当たらないと説明しています。
警察庁・解釈運用基準 第10
計画を整理するときは、次の順に分けてください。
| 営業内容 | 確認する方向 |
|---|---|
| 特定のお客様の相手となる接待をして飲食をさせる | 風俗営業1号の許可を確認する。特定遊興の許可に置き換えない |
| 深夜に、店側が遊興をさせ、酒類も提供する | 風俗営業に当たらないかを確認したうえで、特定遊興の許可を検討する |
| 深夜に酒類を提供するが、接待や遊興をさせない | 深夜酒類提供飲食店営業の届出などを確認する |
| 音楽・イベントがあっても、深夜・酒類・遊興の条件がそろわない | この許可の対象かを実態に沿って整理する。別の許可や規制までなくなるわけではない |
接待との境界が分かりにくいときは、会話・歌・ゲームから接待を判断する案内もご覧ください。
接待や遊興を伴わない深夜営業の準備は、深夜酒類提供飲食店営業の届出で分けて説明しています。
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「遊興」は、店側の積極的な働き掛けを見る
警察庁の基準では、営業者側の積極的な行為によって、お客様を遊び興じさせることが対象になります。
鑑賞してもらうサービスと、お客様が参加するサービスの両方があります。
| 場面 | 遊興に当たるとされる行為の例 | 区別される行為の例 |
|---|---|---|
| 音楽・ショー | 不特定の客に歌手の歌やバンドの生演奏、ショーを見聞きさせる | 単に録音された音楽やテレビ映像を流す |
| ダンス・ゲーム等 | 場所を設け音楽や照明で演出して踊らせる、参加型の大会に客を参加させる | 客が自分から希望した場合だけ行わせ、店側が何ら反応しない場合など |
| スポーツ観戦 | 映像を見せるとともに、客へ呼び掛けて応援に参加させる | 単に映像を見せる。客が自分で応援する場合を含む |
たとえば「音楽を流す店」という説明だけでは、BGMとして流すのか、演奏や照明の演出で客を楽しませるのかが分かりません。
カラオケも、希望に応じて機器を操作するだけなのか、店側から歌唱や大会への参加を呼び掛け、盛り上げるのかを分けて説明します。
また、イベント形式であっても、営業としての継続性や営利性が問題になります。
「一日限り」「貸切」という名称だけで結論を出さず、開催頻度、主催者、店舗側の役割、料金や酒類の提供方法を整理してください。
物件を決める前に、場所と設備の条件を確認する
営業できる地域は、所在地の条例で確認する
特定遊興飲食店営業は、どの地域でも許可を受けられる制度ではありません。
条例で定められた許容地域など、営業所の場所に関する条件があります。
ホテル等内適合営業所に関する特則もありますが、単にホテルの建物内にあるだけで適合するわけではありません。
風営法第31条の23/施行規則第76条
契約前なら、候補地の住所と募集図面を用意しましょう。
既に契約済みなら契約書、内装済みなら現在の図面・写真もそろえ、追加の契約や工事を進める前に、管轄警察署へ営業計画と合わせて確認します。
他県の記事にある許容地域や周辺施設との距離を、そのまま自分の店舗へ当てはめないでください。
賃貸借契約上の使用条件、食品衛生上の飲食店営業許可等、消防・建築関係の確認も別に必要です。
客室面積だけでなく、見通しや照明も確認する
国の構造・設備の基準には、次のようなものがあります。
- 客室面積:一室33㎡以上。
- 内部の見通し:客室内部の見通しを妨げる設備を設けない。
- 出入口:客室の出入口に施錠設備を設けない。ただし、営業所外へ直接通じる出入口は例外。
- 照明:規定の方法で測った照度が10ルクス以下にならないための構造・設備。
- 騒音・振動:営業地の条例で定める数値に関する基準を満たすための構造・設備。
出典:施行規則第75条。
上記は主な基準であり、全項目を列挙したものではありません。
ココがポイント
1号営業や深夜飲食店の「客室が一室の場合」の面積の例外を、特定遊興へそのまま使うことはできません。
客室の区分や面積、照明の調整、スピーカー、仕切りなどを図面と合わせて確認しましょう。
営業計画と資料をそろえて、許可申請へ進む
申請準備では、店舗の図面だけでなく、誰がどのような営業をするかを説明できる状態にします。
申請者や管理者の人的な条件もあるため、店の設備が整っていることだけで準備を終えないようにしてください。
特に、昼間と深夜で内容が変わる場合は、時間帯ごとに書き分けると確認が進めやすくなります。
- 営業方法:営業時間、酒類提供の時間、演奏・ショー・参加型企画の内容、店側の働き掛け。
- 物件と設備:住所、使用できる権原を示す資料、平面図・周囲の状況、客室・音響・照明の計画。
- 申請する人・法人:申請主体、法人の場合の役員等、必要な証明書や誓約書。
- 管理者:管理者候補と、必要な証明書・写真等。
許可申請には、営業方法や営業所、申請者・管理者に関する所定の書類を添えます。
既に許可を受けている場合などの取扱いもあるため、最終的な一式は管轄の最新案内で確認してください。
許可申請書の添付書類等に関する内閣府令 第17条・第1条
開業日程は、物件・設備・資料を整える期間と、申請後の確認や補正にかかる期間を分けて考えます。
許可が必要な営業は、申請しただけで始められるものではありません。
手数料や処理期間も、所在地の公式案内で確かめてください。
許可後の運営も見据えて、相談する内容を具体的にする
特定遊興の許可を受けた場合でも、営業時間、騒音、年少者の立入りなどに関するルールがあります。
風俗営業1号の午前0時から午前6時までの原則営業禁止を、そのままこの制度へ当てはめるのではなく、特定遊興に適用される営業地の制限を確認します。
また、客室の構造・設備を変える場合などは、内容によって事前承認や届出が必要になります。
許可後に企画や内装を変えるときも、実施前に変更内容を整理して確認してください。
風営法第31条の23
ご自身で準備を進める場合は、時間帯別の営業計画と物件資料を持ち、管轄警察署へ、営業区分・場所・設備・申請書類の順に相談しましょう。
全体の制度から整理したい方は、風営法の許可・届出ガイドをご覧ください。
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風営法の許可・届出を、接待、客席・遊技設備、営業時間、酒類・遊興、店舗・派遣型の違いから解説。風俗営業1〜5号、深夜酒類、特定遊興、デリヘルの届出と、物件契約前に確認したい条件を整理します。
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