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無店舗型性風俗特殊営業の届出|派遣型と通信販売の違い・手続きの手順

白い大理石の机に電話、書類、配送用の箱を置いた、無店舗型性風俗特殊営業の2種類と届出の案内

無店舗型性風俗特殊営業を始めるには、営業開始予定日の10日前までに、開始届と必要な添付書類を提出します。ただし、最初に書類を集めるのではなく、「人を派遣する1号か、対象物品を配送する2号か」「誰が営業するか」「どの場所を何に使うか」を決めることが先です。この条件によって、必要な書類や図面が変わります。

この記事では、全国共通の届出準備を、営業区分と場所の整理、書類・図面の準備、提出と営業開始の順に解説します。受付所を設けられる地域など、所在地ごとに判断が必要な点は、確認する資料と窓口もあわせて示します。

  1. 営業区分と、使う場所を確認する
  2. 必要な書類と図面をそろえる
  3. 提出し、営業開始までの準備を進める

自分の営業区分と、使う場所を確認する

人を派遣する1号と、対象物品を届ける2号

無店舗型性風俗特殊営業には、風営法第2条第7項で定める次の2種類があります。「無店舗型=デリヘルだけ」ではありません。まず、客の依頼に対して何を、どの方法で提供する営業なのかを整理しましょう。

1号は客の依頼に応じて住居・宿泊施設へ人を派遣し、2号は対象物品を配達して販売・貸付けする比較図
提供の流れを比べた図です。該当性は、下記の営業内容・方法などの要件で判断します。
  • 1号:派遣型ファッションヘルス等
    客の依頼に応じ、住居や宿泊施設へ人を派遣して、異性の客の性的好奇心に応じてその客に接触する役務を提供する営業です。いわゆるデリヘルが代表例です。
  • 2号:対象物品の通信販売等
    客の依頼に応じ、専ら、法令で定める性的好奇心をそそる写真や映像媒体、性具などの物品を、配達し、又は配達させて販売・貸付けする営業です。

届出は、営業者ごとに、1号・2号の種別に応じて行います。両方を営む場合、一方の届出だけでは足りません。

2号では、「対象物品を扱うこと」「それを専ら扱う営業であること」「客の依頼に応じて配達すること」が判断の要点です。対象物品には、衣服を脱いだ人の写真、その写真を主な内容とする写真集、同様の映像を主な内容とするDVD等の記録媒体、性具など、施行令第4条で定めるものがあります。一般商品をインターネットで販売するだけで、すべて2号になるわけではありません。商品一覧と、注文から配送までの流れを整理して判断します。

写真や動画のデータだけを通信で提供する場合は、物品を届ける2号とは別です。法定の要件を満たせば映像送信型性風俗特殊営業として扱われます。また、店頭販売も行い、その営業が店舗型性風俗特殊営業に当たる場合は、店舗型の届出・規制も確認します。別区分との違いは、性風俗関連特殊営業の5区分に整理しています。

根拠:風営法第2条第6〜8項、施行令第4条、警視庁の業種一覧。

事務所・待機所・受付所は、名前ではなく使い方で分ける

営業者を個人にするか法人にするかを決めたら、使う場所を整理します。特に1号では、事務所・待機所・受付所を区別することが、図面や添付書類を選ぶ出発点です。

場所 実際の使い方
事務所 営業活動の本拠となる場所。電話やインターネットで依頼を受け、営業を管理する場所などです。
待機所 派遣する従業者を、派遣できる状態で待機させる施設・区画です。単なる住居が、そのことだけで待機所になるわけではありません。
受付所 来訪した客に対面で対応し、受付や従業者の写真紹介など、客に接する業務を行う施設です。客が来訪せず、電話等で依頼を受けるだけの事務所とは区別します。

同じ建物を兼用する場合も、どの部分を何に使うかを明らかにします。「事務所」という名称で借りていても、客を来訪させて対面で受付をする実態があれば、受付所の規制を避けられるわけではありません。自宅を使う場合は、生活部分と営業に使う部分を分けて説明できるようにします。

物件を契約する前に、使用目的と場所の規制を確かめる

確認は二つに分かれます。一つは、所有者・貸主との関係で、その物件を予定する用途に使えるか。もう一つは、法令や条例上、その場所で予定する営業ができるかです。賃貸借契約で使用が認められているだけでは、後者まで確認できたことにはなりません。

保全対象には、一団地の官公庁施設や条例で追加された施設も含まれ、これらの用途に使うことが決まった土地も対象です。事務所・待機所に受付所の規制をそのまま当てはめることはできませんが、施設名ではなく利用実態に応じた確認が必要です。

契約前に、候補地の住所、募集図面、各部屋の使い方、客が来訪するか・来訪時に何をするかをまとめ、管轄警察署の生活安全担当へ示してください。「この利用方法で受付所に当たるか」「禁止区域・禁止地域に該当しないか」を具体的に確認します。既存営業を引き継ぐ場合などは、従前の届出書・確認書と変更内容も用意します。経過措置は条件付きのため、「以前ここで営業していた」だけで新しい営業者も開業できるとは判断しません。

根拠:風営法第28条・第31条の3。受付所を新設できる地域や経過措置の個別適用は、所在地の現行条例等による確認が必要です。派遣型の施設・受付方法をさらに整理する場合は、デリヘル開業の届出ガイドもご覧ください。

営業開始届出に必要な書類と図面をそろえる

営業区分、個人・法人の別、施設の使い方が決まったら、次の順で自分に必要な資料を選びます。全員共通の書類に、個人・法人別の書類と、1号の施設に応じた資料を加える形です。自分に該当する資料を選び、手元にあるもの・取り寄せるもの・自分で記入や作成をするものに分けておくと、残る作業が分かります。

共通書類と、個人・法人別の資料を用意する

用意する人 必要な書類・準備方法
全員 営業開始届出書(別記様式第25号)と営業の方法を記載した書類(第28号)。提出先の警察が公開する様式を使い、営業計画に合わせて記入します。
全員 事務所の使用権原を示す資料。所有・賃貸などの利用関係に応じて用意します。事務所を設けず住所で届け出る場合も対象です。
個人で営業 営業者本人の住民票の写し。市区町村で取得します。
法人で営業 定款、法人の登記事項証明書、役員全員の住民票の写し。定款は会社で保管するもの、登記事項証明書は法務局、住民票は各役員の市区町村で準備します。

「住民票の写し」は、市区町村から交付される証明書の名称です。手元の証明書を自分でコピーした紙とは区別してください。取得時には本籍、日本国籍を有しない方は国籍等の必要項目を記載し、マイナンバーを記載しないことを確認します。証明書の発行からの期間や必要部数は、取り寄せる前に提出先の案内も確かめておくと、取り直しを防げます。

使用権原の資料は、物件の借り方・持ち方で選ぶ

「使用権原」とは、その場所を営業のために使うことができる法的な根拠です。単に所在地が分かる書類ではなく、その物件を、届出をする個人・法人が使える関係を示します。

  • 自分で所有する場合:建物の登記事項証明書など、所有関係を示す資料を用意します。
  • 借りる場合:所有関係を示す資料と、賃貸借契約書の写しや使用承諾書など、営業者の使用を認める資料を整理します。契約名義と営業者が一致しているか、予定する用途が認められているかも確認します。
  • 転貸・又借り、貸主と所有者が異なる場合:所有者から現在の借主・営業者まで、使用を認める関係が分かる資料を確認します。契約書一枚だけで説明できるとは限りません。

これらは「どれか一つがあれば必ず足りる」という一覧ではありません。手元の契約書や所有関係の資料を提出先に示し、使用承諾書の要否や不足する資料を確かめてください。1号で待機所・受付所を設ける場合は、その施設についても使用権原の資料を用意します。

図面は、1号の施設ごとに必要なものを選ぶ

1号で使う施設 追加する図面・資料
事務所 平面図。事務所を設けず住所で届け出る場合も、営業に使う部分を特定した図面を用意します。
待機所を設ける 待機所の平面図と、使用権原を示す資料。
受付所を設ける 受付所の平面図、周囲の略図、使用権原を示す資料。所在地で受付所営業が可能かは、図面を作る前に確認します。

2号の事務所平面図は、全国共通の添付書類を定める府令第12条には列挙されていません。1号の図面一覧を、そのまま2号に当てはめないようにしてください。ただし、提出先が営業内容や使用場所を把握するために求める確認資料は、別に確かめます。

自宅の住居部分と営業に使う部分を分け、出入口と机・椅子の配置を示す平面図の概念図
説明用の概念図です。特定の間取りや独立した部屋を全国一律に求めるものではなく、実際の使い方が分かる図面を準備します。

平面図は室内の使い方を示す図です。部屋の配置、出入口、椅子・テーブルなどの配置、営業に使う範囲を示します。自宅と兼用するなら、生活部分と営業部分が区別できるようにしてください。募集用の間取り図や建築図面がある場合は、それを出発点に、現況と営業上の使い方を確認して必要事項を追記する方法があります。

周囲の略図は、建物の周辺との位置関係を示す図です。受付所の場所と、学校等の保全対象施設との位置関係が分かるように用意します。平面図とは示す内容が異なるため、室内の間取り図だけでは代わりになりません。

図面の縮尺、寸法の入れ方、求積図などの追加資料は、提出先が求める描き方を確認します。「全国どこでもCAD必須」「必ず縮尺1/100」と決めつけて作り始めず、既存図面を持参して、何を加えればよいかを確認すると手戻りを抑えられます。

根拠・作成の参考:添付書類等に関する内閣府令第12条、警視庁の必要書類一覧、千葉県警の図面等の案内、警察庁の解釈運用基準(第18の7)。地域の案内は、その地域の提出方法も含むため、提出先の案内と照らして利用してください。

届出書を書く前に、屋号・連絡先・営業方法をそろえる

用紙を埋める前に、次の情報を一つのメモにまとめておきます。複数の屋号や受付方法を使う場合は、一つだけでなくすべてを整理します。

  • 営業者の氏名・住所。法人の場合は法人名・所在地・代表者。
  • 広告に使うすべての呼称、1号・2号の営業種別、開始予定日。
  • 客の依頼を受ける方法、電話番号等の連絡先、事務所の所在地。1号で待機所・受付所を設ける場合はその所在地。
  • 使用する広告媒体・サイトURL、18歳未満が客になれない旨の表示方法。
  • 1号は提供する接触役務の種類。2号は販売・貸付けの別と、扱う物品が施行令第4条のどの種類に当たるか。

「営業の方法」には、外国人・18歳未満の従業者を使用するか、その業務内容などを記載する欄もあります。欄があるから、その人にどの業務でも任せられるという意味ではありません。接客業務の年齢制限等と照らして記入します。受付所を設ける1号には追加の記載欄もあるため、予定する営業に合う欄を確認してください。

書式は、警視庁の性風俗関連特殊営業の様式一覧の「無店舗型性風俗特殊営業」から確認できます。記入内容は第28号「営業の方法」の記載例も参考になります。実際の提出には、提出先が案内する最新様式を使います。

書類を提出し、営業開始までの準備を進める

提出先と開始日を決め、必要書類をそろえて届け出る

届出先は、営業の本拠となる事務所の所在地を管轄する都道府県公安委員会です。事務所を設けない場合は住所を基準にします。複数の場所を使う場合は、営業活動の中枢となる本拠を整理してください。実際の提出窓口は通常、管轄警察署の生活安全担当です。部署名や受付方法は、所在地の警察署へ確認します。

  1. 契約前:営業区分と施設の使い方を整理し、候補地の規制・使用目的を確認する。
  2. 提出前:共通書類、個人・法人別の資料、1号の施設に応じた図面をそろえ、記載内容を一致させる。
  3. 営業開始予定日の10日前まで:必要な添付書類とともに営業開始届を提出する。
  4. 営業開始まで:確認書の取扱い、広告、年齢確認、従業者管理の準備を整える。

提出前の最終確認は、必要部数、証明書の発行時期、手数料の金額と支払方法、予約の要否、受付日時・提出方法です。準備した書類一式と営業計画を窓口に示し、不足する資料や、記載・形式上の問題がないかを確かめます。

根拠:風営法第31条の2、施行規則第52条・第54条。

確認書・広告・年齢確認を整えてから営業する

届出確認書は、届出があったことを示す書面であり、営業全体の適法性を保証する許可証ではありません。受付所が、経過措置等を含めても法令上営業できない区域・地域にある場合は、確認書は交付されません。交付された確認書は事務所に備え付け、関係者から請求があれば提示します。事務所と別に受付所を設ける場合は、その受付所にも確認書の写しを備えます。

届出前に、その営業を営む目的で広告・宣伝をすることはできません。受付所の場所を理由に確認書が交付されない場合も同様です。サイトやSNSの公開も広告になり得るため、原稿や画像の準備と、営業広告として公開する時期を分けて考えます。届出後も、広告を出せる場所・方法の規制と、18歳未満が客になれない旨の表示を守る必要があります。

広告への年齢制限表示と、実際の客の年齢確認は別の準備です。1号・2号とも18歳未満を客にすることは禁止されています。対面する1号や自ら配達する2号では、18歳未満と疑われる客の年齢を確認します。郵送等で配送する2号では、申込み段階で18歳以上である証明を受けるなどの措置が必要で、単なる年齢の自己申告だけでは足りません。注文から提供までのどの段階で、どう年齢を確認するかを決めておきます。

従業者を使用する場合は、1号・2号とも事務所に従業者名簿を備えます。名簿は接客担当だけのものではありません。これに加えて、客に接する業務を担当させる人については、生年月日・国籍等を所定の書類で確認し、記録を保存します。外国人の場合は在留資格等の確認も必要です。確認に使った書類の写し等を記録と対応させて保存し、従業者名簿と確認記録は、退職の日から3年を経過する日まで保管します。18歳未満を客に接する業務に従事させることはできません。

1号では、接客役務を提供する人の紹介を受け、その対価として紹介者や第三者へ金銭等を提供する、いわゆるスカウトバックも禁止されています。採用の方法や支払名目を決める際にも、この規制を踏まえてください。

根拠:風営法第31条の2〜第31条の3・第36条・第36条の2、警察庁の解釈運用基準(第20・第35)。

開業後に内容を変える・廃止するときは10日以内に届け出る

開業後、呼称・事務所・連絡先・受付所・待機所などの届出事項を変更したときは、変更の日から10日以内に変更届(第27号)を提出します。廃止したときも、廃止の日から10日以内に廃止届(第26号)が必要です。変更時は確認書と変更に関係する資料、廃止時は確認書を添付します。公安委員会の管轄をまたぐ事務所移転は、移転後の事務所所在地を管轄する公安委員会が提出先です。

ただし、1号・2号の営業種別は通常の変更届の対象から除かれています。別の種別を始める場合や、個人から法人へ変更するなど営業者そのものが変わる場合は、新たな営業者・種別に応じた開始届出が必要になります。根拠は施行規則第53条が準用する第42条等です。

準備資料をまとめて、届出や相談へ進む

自分で届出を進める方は、この資料をもとに管轄警察署へ確認し、書類をそろえて提出します。施設の整理や書類作成・届出手続を相談したい方も、同じ資料を用意すると、どの作業を依頼したいかが伝わりやすくなります。

サクセスファン行政書士事務所へのご相談は、電話またはLINEから、営業予定地と現在の準備状況をお知らせください。対応できる業務の範囲と費用を確認したうえで進めます。

風営法の許可・届出のご相談|サクセスファン行政書士事務所

  • この記事を書いた人

行政書士 小野馨

平成17年行政書士開業・1973年1月生・神戸市出身。兵庫工業高等学校卒業、慶応義塾大学通信教育課中退。富士通株式会社でシステムエンジニアとして2年勤務。自分のやりたい仕事でないと退職。その後、30以上の職種を経験した後、起業家をサポートするため、平成17年2月に行政書士開業。1000社50業種以上に会社設立・許認可など5000以上の行政手続きを代行。