成人向けの写真や動画を配信するとき、まず確認したいのは、自分に届出が必要か、どのサイトについて届け出るかです。
映像送信型性風俗特殊営業に当たる場合は、営業開始予定日の10日前までに届出が必要です。写真だけの配信や、海外サービスを利用する場合も、それだけで対象外とは判断できません。
この記事では、配信の実態の見分け方から、事務所・必要書類・平面図の準備、提出と配信開始までを順に説明します。全国共通の制度を基本とし、兵庫県で求められる資料と費用は地域の例として分けて示します。
すでに配信を始めている方は、URL、配信内容、料金と運営方法をまとめ、早めに事務所所在地を管轄する警察署へ相談してください。
これからの予定日ではなく実際に配信を始めた日を伝え、必要な対応を確認します。
映像送信型性風俗特殊営業の届出が必要な配信とは?
写真・動画の内容と、料金・提供方法を確認する
風営法第2条第8項の対象は、専ら、性的好奇心をそそるため、性的な行為を表す場面や衣服を脱いだ人の姿態の映像を見せ、電気通信設備を使って客へ伝達する営業です。法律上の放送・有線放送は除かれます。ここでいう映像には、動画だけでなく静止画も含まれます。
「専ら」に当たるかは、営業者の意図と実際の営業内容を踏まえて判断します。サイトの一部で対象となり得る映像を見せる場合は、原則としてサイト全体を見ますが、その部分に別料金を設定している場合などは別です。一般の投稿を増やせば届出が不要になる、と単純には考えられません。警察庁が示す映像割合の目安も、数字を下回れば必ず対象外となる安全基準ではありません。
料金についても、有料・無料の表示だけでは結論が出ません。警察庁は、バナー広告等の収入を得て、広告依頼者の客となるべき人へ映像を伝達する形態は、この営業に当たらないとしています。これは一定の広告収入型の説明であり、広告収入があればすべて対象外になるという意味ではありません。
まず、配信する写真・動画の内容、誰が見られるか、会費・個別購入・広告収入等の仕組みを分けて書き出しましょう。一部だけに料金を設ける場合は、無料部分と有料部分の画面も分けて示せるようにすると、何を判断すべきかが明確になります。
プラットフォームを使う場合も、誰が営業しているかを見る
届け出る義務を負うのは、実質的にその営業を営む人・法人です。配信サービスの運営会社が手続きをしていれば、利用する配信者の手続きもすべて済むとは限りません。一方、出演しているというだけで、必ずその人が営業者になるわけでもありません。
警察庁は、ホームページの開設サービスだけを提供するサーバー設置者や、料金の回収だけを代行する電気通信事業者は、一般的にはこの営業を営む者に当たらないとしています。配信者、サービス運営者、サーバー設置者、料金回収者を、すべて同じ立場として扱わないことが大切です。
サービスの規約や契約を開き、誰が提供する映像を決め、料金・会員・運営を管理しているかを整理してください。契約の表題だけで判断しにくいときは、契約内容と実際の運営の両方を管轄警察署へ示します。日本国内で営業していれば、海外のサーバーを使っていることだけで届出が不要になるわけではありません。
配信先のURLをまとめ、届出が何件になるか確認する
映像送信型の届出は営業ごとに行い、インターネットを利用する場合は、通常、ホームページ単位です。同じ営業者なら配信先がいくつあっても一件でよい、とは扱いません。
準備用のメモとして、利用するサイトごとに、URL・サイト名・配信内容・料金・営業する人や法人を並べておきます。同じサイト内の各投稿、宣伝だけに使うSNS、新しい配信サイトの追加は同じものではありません。複数のURLがある場合は、このメモを見せて、どの営業について開始届を出すかを確認しましょう。これは相談や届出の準備に使うメモで、全国共通の法定添付書類ではありません。
根拠・届出単位:警察庁の解釈運用基準(第18の4)、警視庁の映像送信型性風俗特殊営業の届出案内。ほかの営業との違いから確認したい方は、性風俗関連特殊営業の5区分をご覧ください。
事務所を決め、必要書類と平面図をそろえる
営業の本拠となる場所と、使用できる根拠を確認する
届出の基準となる事務所は、営業活動の中心となる場所です。複数の場所があるなら中枢となる場所、事務所といえる場所がない場合は営業者の住所で扱います。撮影する場所や、配信サービスの運営会社・サーバーの所在地が、そのまま自分の事務所になるわけではありません。
必ず専用オフィスを新しく借りなければならない制度ではありません。自宅を使う場合も、実際にそこで営業を管理することと、その場所を使える根拠を説明できるようにします。賃貸借契約の使用目的や禁止事項、管理規約も確認しましょう。
- 自分が所有する建物:建物の登記事項証明書等、所有関係が分かる資料を用意します。
- 所有者から直接借りる建物:所有関係の資料に加え、賃貸借契約書の写し又は賃貸人の使用承諾書等を用意します。
- 転貸で借りる建物:所有関係の資料に加え、所有者から営業者までの契約・使用承諾のつながりが分かる資料をそろえます。
親族名義や会社名義の建物も、「自分の家だから」で済ませず、所有者と届出者の関係を確かめます。契約書では、所在地・契約者・使用目的を見てください。営業者がその場所を使えることや用途を説明できない部分があれば、契約書等を持って提出先へ相談し、必要な承諾を整理します。使用承諾書を用意すれば、契約上の禁止まで無条件に解消されるわけではありません。
共通書類と、個人・法人で異なる書類をそろえる
全国共通の開始届と添付書類は、次のように分けると集めやすくなります。事務所関係の資料だけでなく、個人なら本人、法人なら法人と役員全員の資料が必要です。
| 対象 | 必要な書類・準備先 |
|---|---|
| 全員 | 営業開始届出書(別記様式第31号)と営業の方法を記載した書類(第32号)。提出先が案内する様式へ記入します。 |
| 全員 | 事務所の使用権原を示す資料。前項のとおり、所有・賃貸・転貸等の関係に合わせてそろえます。 |
| 個人 | 営業者本人の住民票の写し。市区町村で取得します。 |
| 法人 | 定款、法人の登記事項証明書、役員全員の住民票の写し。定款は会社で保管するもの、法人の証明書は法務局、住民票は各役員の市区町村で準備します。 |
住民票は、日本国籍の方は本籍、日本国籍を有しない方は国籍等の必要事項が記載されたものを用意します。兵庫県の案内では、マイナンバーの記載がないものとされています。「住民票の写し」は市区町村から交付される証明書の名称です。手元の証明書を自分でコピーした紙ではありません。
すでに別の映像送信型営業を営んでいる場合
開始届を提出して現に営業している人・法人が、別の映像送信型営業について同じ公安委員会へ開始届を出す場合には、個人の住民票、又は法人の定款・登記事項証明書・役員の住民票が添付対象から除かれます。営業の方法や事務所の使用権原資料まで全部不要になる制度ではありません。過去に廃止した営業や、別区分の届出があるだけの場合とは分けてください。
根拠:添付書類等に関する内閣府令第13条、兵庫県警の必要書類案内。証明書の発行時期など、提出先が案内する扱いも取得前に確認しておきます。
第31号と第32号に書く情報を、配信の準備と一緒に集める
記入用の空欄用紙は、警視庁が掲載する営業開始届出書(第31号)と営業の方法(第32号)で確認できます。提出先から用紙の指定がある場合は、その案内に従ってください。
第31号「営業開始届出書」には、営業者の情報、広告・宣伝に使う呼称、事務所所在地、配信に使うURL等、他人の送信装置を使う場合の設置者の情報、開始予定日などを記載します。法人は代表者の情報も必要です。住民票・法人の証明書と、氏名・名称・住所の表記を合わせておきましょう。
配信用URLの欄には、客が映像の提供へ接続するためのURL等を書きます。広告だけを掲載するURLとは役割が違います。また、他人のサーバー等を使う場合に書くのは、その設置者の氏名・名称と住所です。サーバー機器が置かれた場所に置き換えたり、配信サービスの名前から会社名や住所を推測したりしないでください。契約書やサービスの公式案内で確認できなければ、提供元へ設置者情報を問い合わせ、分かった範囲を提出先へ示します。
兵庫県警の第31号記載例を開くと、どの情報をどの欄へ書くか確認できます。※印の受理・交付欄は記入せず、書ききれない事項は様式の備考に従って別紙を使います。
第32号「営業の方法」では、次の三つを区別して記載します。
- 広告・宣伝の方法:広告をするか、どの媒体を使うか。看板等の場所、新聞・雑誌の掲載頻度、インターネットのURL、ビラの頒布場所等、使う媒体に応じた事項を整理します。
- 広告で18歳未満の利用禁止を明らかにする方法:どこに、どのような文言や音声で表示・告知するかを決めます。
- 18歳未満を客にしないための措置:依頼の受付方法と、年齢確認・決済から配信までの手順を具体的に書きます。
「18歳未満は利用できません」と表示することと、実際に利用を防ぐ措置は別の欄です。兵庫県警の第32号記載例をそのまま写すのではなく、採用するサービスで実行する手順に合わせます。必要な年齢確認は後述の年齢確認の説明で確認してください。
兵庫県で求められる平面図は、実際の間取りから準備する
事務所の平面図は、全国共通の法定添付書類の一覧には列挙されていません。一方、兵庫県警の映像送信型の必要書類案内には含まれています。「映像送信型だから図面は不要」「全国どこでも同じ図面が必須」のどちらとも決めつけず、提出先の案内に沿って用意します。
兵庫県で準備する場合は、手元の建築図や間取り図を使い、まず次の順に下書きを整えると進めやすくなります。
- 元の図と現在の部屋の区切り・出入口が一致しているかを確認する。
- 事務所として使う部屋や範囲を示す。自宅の一部なら、生活部分と業務に使う部分を区別する。
- 出入口、机・椅子等の配置を記入する。
- 届出書の所在地・部屋番号、使用権原資料が示す場所と照合する。
警察庁の解釈運用基準は、建築確認申請時の図面へ出入口・椅子・テーブル等の必要事項を記載したものでも足りるとしています。最初から特殊なソフトで一式を作り直すことだけが出発点ではありません。兵庫県の公開一覧では、この区分の固定の縮尺やCAD使用等までは指定されていないため、下書きを用意して、提出先が求める追加の記載を確認しましょう。
参考:兵庫県警の必要書類案内、警察庁の解釈運用基準(第18の7・第12の13)。
開始日から逆算して届け出、配信後の変更にも備える
提出先・10日前の期限・費用を確認する
届出先は、営業の本拠となる事務所所在地を管轄する都道府県公安委員会です。相談先は管轄警察署の担当窓口で、兵庫県では生活安全許可事務担当課が案内されています。届出にはe-Gov電子申請を利用できる手続もあります。対象手続、添付資料、手数料の納付方法や窓口での対応が必要かを、提出先の案内で確認してください。
開始届は、営業開始予定日の10日前までに必要な添付書類とともに提出します。添付書類が欠けたまま届出書だけを出しても、届出義務を果たしたことにはなりません。開始日ではなく、その前の提出期限に書類一式がそろうよう、証明書の取得や補正の時間を見込んでください。10日前という期限は、確認書が必ず10日で交付されるという意味ではありません。
兵庫県警の案内では、提出書類は1通、営業開始届出の手数料は3,400円です。住民票・登記事項証明書等の取得費や、行政書士へ依頼する場合の報酬は別になります。他県で届け出る場合は、その提出先の部数・費用・支払方法を確認してください。
提出前には、書類同士の営業者・事務所・呼称・URLが一致し、第32号に書いた運用を実際に行えるかを照合します。自分の控えも残しておくと、配信開始後に内容を確認しやすくなります。受付日時・予約の扱い・提出方法は、訪問等の前に管轄警察署へ確認しましょう。
年齢確認は、採用する配信方式に合わせて整える
映像送信型性風俗特殊営業では、18歳未満を客にしてはなりません。そのための具体的な措置は、風営法第31条の8第3項・第4項の営業方式に応じて確認します。
電気通信設備による依頼を受け、客の本人確認をせずに映像を伝達する営業(第3項)には、料金徴収の委託先に制限があります。通常18歳未満が利用できない方法による依頼だけを受ける場合を除き、電気通信事業者へ映像料金の徴収を委託できません。すべての決済事業者への委託を一律に禁止する規定ではありませんが、18歳未満を客にしない義務は共通です。
第3項の営業以外は、第4項の対象です。警察庁は、あらかじめ交付したID・パスワード等を入力させて配信する形態を想定しています。対象映像を送る前に、客から「18歳以上である旨の証明」又は「18歳未満が通常利用できない方法で料金を支払う旨の同意」を受けます。具体例は次のとおりです。
- 年齢を証明する方法:年齢を確認できる身分証明書等の写しを送付してもらい、18歳以上であることを確かめます。公的な証明書に限らず、年齢確認ができる会社等の身分証も含まれます。営業者がすでに18歳以上と知っている客なら、その本人であることを確認する扱いもあります。
- 所定の支払方法への同意を受ける方法:18歳未満が通常利用できない方法で料金を支払う旨の同意を受けます。警察庁はクレジットカード決済への同意を例示していますが、すべてのカードや電子決済が同じ条件を満たすわけではありません。
「18歳以上です」のクリックだけで済ませない
年齢の証明を受ける方法について、自己申告だけでは足りないと警察庁は示しています。広告の年齢制限表示と、証明や所定の支払方法への同意を得る手順を分け、確認が終わる前に対象映像を見られる構成になっていないかを確かめます。
プラットフォームを利用する場合は、登録・年齢確認・支払同意・ログイン・配信開始の順番を公式案内や利用画面で確かめ、第32号の記載と一致させます。どちらの形態に当たるか、用意された機能で要件を満たすかが不明なら、その手順を示して管轄警察署へ確認してください。身分証等の情報を扱うときは、取得する範囲と安全な管理方法も決めておきます。
根拠:風営法第31条の8第2項〜第4項、警察庁の解釈運用基準(第21)。
広告表示と、映像・出演契約に関するルールを点検する
広告・宣伝では、18歳未満の者が客となってはならない旨を明らかにします。文字による広告は見やすい文言、音声による広告は分かりやすい告知が必要です。サイト入口だけでなく、SNS等で個別に出す広告も含めて、媒体ごとの表示を確認しましょう。
広告を出す場所・方法にも制限があります。街頭の広告物には保護対象施設の周辺等の区域規制があり、住居へのビラの配布・差入れなども禁止されています。看板やビラを使う場合は、掲出・配布場所と広告案を具体的にして、管轄警察署へ確認します。兵庫県での具体的な地域指定等は、現行条例と実際の場所を照らして判断してください。
また、届出をしたことは、映像の内容・撮影・出演契約等のすべてが適法であるという保証ではありません。わいせつ映像や児童ポルノ等の規制、出演契約や素材の権利に関するルールは別に確認します。営業の届出と、制作・配信してよい内容の判断は分けて進めましょう。
根拠:風営法第31条の8、施行規則第62条・第47条第1項。
確認書を備え付け、変更・廃止は10日以内に届ける
交付された届出確認書は事務所に備え付け、関係者から請求があれば提示します。これは届出をしたことを確認する書面であり、配信内容への許可証ではありません。
提出した届出書の控えとともに管理しておきましょう。
呼称・配信URL・事務所所在地・他人の送信装置の設置者情報など、法定の届出事項を変更した場合は、変更の日から10日以内に変更届(第27号)を提出します。
確認書と、変更内容に対応する資料も必要です。他県へ事務所を移す場合は、移転後の所在地を管轄する公安委員会へ届け出ます。
兵庫県警の案内に記載された変更届出の手数料は1,500円です。
変更内容に応じた費用の扱いと支払方法は、提出先へ確認してください。
営業を廃止した場合は、廃止の日から10日以内に廃止届(第26号)を提出し、交付された確認書を添付します。
新しい配信サイトを追加するときは、既存のURL変更と同じ扱いとは限りません。最初に確認した「営業ごと・通常ホームページ単位」に戻って、別の開始届が必要かを整理します。個人から法人へ変えるなど、営業者そのものが交代する場合も、通常の氏名・名称変更だけで済むとは扱わず、新たな営業者の開始届を含めて事前に確認してください。
根拠:風営法第31条の7、施行規則第59条が準用する第42条、添付書類等に関する内閣府令第13条。
準備で迷ったら、配信内容・URL・料金・実際の運営者・事務所・開始希望日を一度まとめてください。営業の主体や届出単位で迷うのか、物件の使用資料が足りないのか、年齢確認の仕組みが決まっていないのかを分けると、必要な問い合わせ先と作業を絞れます。
書類作成や届出準備について支援を受けたい場合も、この情報と手元の契約書・図面を伝えることで、ご自身で準備するものと依頼したい作業を具体的に相談できます。
サクセスファン行政書士事務所へのご相談は、電話またはLINEから、配信予定の内容・使用するサービス・営業予定地と現在の準備状況をお知らせください。対応できる業務の範囲と費用を確認したうえで進めます。

