警察許可

探偵業開始届出の必要書類・費用・手順|個人と法人の違いを解説

探偵業の開業準備で、住民票や身分証明書を集め始めたものの、「個人と法人で何が違うのか」「どこの警察署へ持っていくのか」「届出にいくらかかるのか」と迷っていませんか。必要書類は、営業する人・会社と営業所を先に決めてから整理すると、取り直しを減らせます。

探偵業の開始届出は、営業開始日の前日までに、営業所ごとに、所在地を管轄する警察署を経由して公安委員会へ提出します。個人は本人の書類、法人は会社の書類に加えて役員の書類を用意します。現在、開始届出の手数料は不要ですが、証明書の取得費用や専門家へ依頼する費用とは別です。

この記事では、全国共通の書類の基本を押さえ、兵庫県警の案内を具体例に、取得・記入・提出・届出後の準備の順番を解説します。確認日:2026年11月7日。実際の提出には、営業所所在地の警察の最新様式と案内を使ってください。

探偵業開始届出はどこへ、いつまでに提出する?

提出先の公安委員会へ直接持ち込むのではなく、営業所所在地を管轄する警察署を経由します。兵庫県警の探偵業の届出要領(PDF)では、窓口は生活安全許可事務を担当する課とされ、警察本部では受け付けないと案内されています。

法人の場合も、本社の所在地だけで提出先を決めないでください。届出は探偵業を営む営業所ごとです。警視庁の届出の注意事項(PDF)では、探偵業を営まない本社は届出不要で、実際に営む営業所の所在地を管轄する警察署へ提出することを説明しています。

法定期限は営業を始める日の前日までですが、「前日に初めて確認すれば間に合う」という意味ではありません。記載の不一致や不足書類があれば準備し直すことになります。営業開始日、証明書の取得、役員からの書類回収、窓口への提出を逆算して進めましょう。

兵庫県警の届出要領では、受付は平日の午前9時から午後4時までです。他地域の窓口時間にそのまま当てはめず、提出先の受付日・時間や事前相談の方法を確認してください。全国一律の「何日で許可が下りる」という待ち日数で予定を組む手続ではありません。

個人は本人の書類、法人は会社と役員それぞれの書類を準備する比較図
必要な書類の対象者を先に整理すると、取得漏れを防ぎやすくなります。

個人で開業する場合の必要書類

個人の開始届出は、届出書と本人に関する添付書類を一組として準備します。基本は次のとおりです。未成年者については、後の追加書類の確認も必要です。

書類準備するときの確認点
探偵業開始届出書提出先の最新様式を使います。氏名・住所、営業所、広告等に使用する名称など、必要項目を確認します。
履歴書警察が案内する様式や必要項目に沿って作成します。住民票等と氏名・住所の表記を照合します。
住民票の写し本籍の記載条件とマイナンバー省略を確認します。外国人は国籍等の記載を確認します。
欠格事由に該当しない旨の誓約書個人用の書面を確認します。不明な事情があれば、署名の前に確認します。
市町村長等が発行する身分証明書本籍地の市区町村が発行する証明書です。運転免許証のコピーではありません。

基本書類は京都府警「探偵業を営むには」でも確認できます。各書類の取り方や記載条件は、提出先の案内に合わせます。

「住民票の写し」は、手元の住民票をコピーする意味ではありません

行政手続でいう「住民票の写し」は、市区町村が交付する証明書の名称です。兵庫県警は、市役所等で取得した原本で、本籍があり、個人番号がないものを案内しています。普通のコピー用紙に複写したものを用意して、同じ意味だと考えないようにしてください。

取得するときは、探偵業開始届出に使うことと、提出先が求める記載事項を確認して請求します。マイナンバー入りのものを取得してから修正する前提にせず、最初から省略した証明書を準備しましょう。外国籍の方の記載事項についても、提出先の案内を確認します。

「身分証明書」は本人確認用のカードとは別です

ここで必要なのは、破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者に該当しない旨を証明する、市町村長等の証明書です。免許証、マイナンバーカード、パスポートなどの本人確認書類を指しているわけではありません。

兵庫県警の案内では、本籍地の市町村長等から発行される書類とされています。現住所の役所で取得できる住民票とは、請求先が異なることがあります。本籍地の市区町村の請求方法・必要な本人確認・手数料を確認して取り寄せます。外国籍などで同じ証明書を取得できない場合は、自己判断で代用品を決めず、所轄警察署へ確認してください。

法人で開業する場合は、会社と役員の書類を分けます

法人では、会社そのものの書類と、役員についての書類を用意します。代表者の分だけを集めて終わりにしないことが重要です。

区分基本となる書類
会社の書類探偵業開始届出書、定款、登記事項証明書。
役員の書類役員ごとの履歴書、住民票の写し、市町村長等の身分証明書、欠格事由に該当しない旨の誓約書。

まず役員の一覧を作り、一人ずつ「履歴書・住民票・身分証明書・誓約書」の取得状況を確認すると、抜けを見つけやすくなります。本人の住所・本籍地、証明書の取得方法によって準備に必要な日数が違うため、全員へ同じ提出直前の日程で依頼するより、先に必要事項を共有しておく方が進めやすくなります。

届出書の商号や所在地は、定款・登記事項証明書と照合します。法人の本店と探偵業を営む営業所が異なる場合は、両者を混同しないように整理してください。役員変更や所在地変更の手続中で書類の状態が揃わない場合は、どの時点の資料で届け出るのかを所轄へ確認します。

欠格事由の意味や、誰を確認するかが不明な場合は、書類収集の前に探偵業の開業要件と欠格事由を確認してください。書類を集めることと、条件を満たすことは別の確認です。

未成年者は、営業の許可や法定代理人に応じて追加書類を確認

未成年者の書類は一律ではありません。探偵業に関して法定代理人から営業の許可を受けているかどうかによって、追加書類が分かれます。

場合追加書類の確認
営業の許可を受けている未成年者法定代理人の氏名・住所(法人なら名称・住所・代表者氏名)を記載した書面と、営業の許可を受けていることを証する書面を用意します。
営業の許可を受けていない未成年者法定代理人が個人なら履歴書・住民票・誓約書・市町村長等の証明書、法人なら定款・登記事項証明書と役員分の関係書類を用意します。

ここでいう営業の許可は、公安委員会から「探偵免許」を取るという意味ではありません。法定代理人との関係についての条件です。法定代理人が法人の場合を含む詳細は、探偵業法施行規則第2条を基に、所轄警察署へ必要書類を具体的に確認してください。

届出費用はいくら?手数料と実費・依頼料を分けます

現在、探偵業の開始届出の手数料は不要です。2024年4月の制度改正で、従来の届出証明書が廃止されました。古い記事に記載された届出証明書の交付手数料を、そのまま現在の届出費用として計上しないようにしてください。

兵庫県警は法令改正の案内(PDF)で開始・変更の届出手数料が不要になったと説明し、京都府警の現行案内も手数料を「なし」としています。ただし、届出手数料がないことと、開業準備に一切費用がかからないことは別です。

費用の区分考え方
警察への開始届出手数料現在は不要です。証明書の取得料金と混同しません。
証明書等の取得実費住民票、身分証明書、法人の登記事項証明書など。請求先・請求方法・必要通数を確認します。
郵送・印刷・移動等の費用遠方の本籍地からの取り寄せや、窓口へ行く場合など、実際の準備方法によって変わります。
行政書士等への依頼料依頼する範囲と見積りを確認します。届出手数料や証明書実費とは分けて比べます。
営業を始めるための費用営業所、標識、機材、契約書面・資料管理などの準備費用は、届出そのものの費用と分けて見込みます。

法人は役員の人数が増えると、用意する証明書の通数も増えます。費用を見積もるときは「開業に一律いくら」ではなく、誰のどの書類が何通必要かを先に数えてください。専門家へ依頼する場合も、証明書取得を含むか、書類作成・提出のどこまでを依頼するかで比較します。

書類の有効な時点・様式を確認してから集めます

証明書を早く集めすぎると、提出先が求める時点に合わず取り直しになることがあります。兵庫県警の届出要領では、個人の添付書類について、おおむね届出日からさかのぼって3か月以内のものを有効と案内しています。これは同県の案内として確認し、全国一律の期限と決めつけないでください。

提出先へは、「何か月以内の書類が必要か」「原本か写しでよいか」「提出部数」「個人・役員・法定代理人の誓約書の使い分け」をまとめて確認すると、取り直しを防ぎやすくなります。書類名が同じでも、別の許認可で使った書面がそのまま適切とは限りません。

様式は提出先の公式サイト又は窓口から入手します。兵庫県警は、公式サイトからのダウンロードに加え、警察署の担当課に様式を備え付けていると案内しています。検索で見つけた古い様式や、別の業種の誓約書を流用しないようにしましょう。

東京の様式・記載例は、警視庁の探偵業届出様式一覧にまとまっています。個人用と役員用の誓約書を取り違えず、所在地が別の都道府県なら、その提出先の公式案内も確認してください。

提出までの進め方と、届出後に残る準備

  • 営業する個人・法人、営業所の所在地、開始予定日を決める。業務の届出該当性と欠格事由を確認する。
  • 所轄警察署へ、最新様式・記載事項・添付書類の時点・部数・受付方法を確認する。
  • 本人・役員・必要な法定代理人の書類を集め、氏名・住所・会社名等の表記を照合する。
  • 届出書を作成し、営業開始日の前日までに所轄警察署を経由して提出する。提出した内容と確認事項を手元にも残す。
  • 届出後は標識の作成・掲示等と、契約書面・資料管理・従業者教育などを整え、適法な営業を始める。

現在は、探偵業届出証明書の交付を待つ手続ではありません。事業者が自ら作成する標識を営業所の見やすい場所に掲示し、一定の例外を除いてウェブサイトにも掲載する制度です。開始届出書を提出する準備と、実際に営業を始める準備を並行して進めてください。

大阪府で興信所・探偵社業を営む場合は、探偵業法に基づく公安委員会への届出だけでなく、府条例に基づく知事への届出も確認が必要です。対象と手続は大阪府の新規届出案内を確認します。所在地による別手続を見落とさないようにしましょう。

開業後の義務を含む全体像は、探偵業届出の総合ガイドで確認できます。このページの書類一覧だけで、契約や情報管理の準備まで完了したと考えないことが大切です。

ご自身で届け出る場合と、書類準備を依頼する場合

個人・法人の区分と必要書類が整理できた方は、提出先の最新案内を使って準備を進められます。取得済みの書類には「発行日」「記載事項」「対象者」をメモし、未取得のものと分けておくと、提出前の点検がしやすくなります。

法人役員が複数いて書類回収をまとめたい、未成年者等の追加書類を整理したい、営業準備に時間を使うため届出書類の作成を任せたい場合は、行政書士への相談も選択肢です。兵庫・神戸で依頼を検討する方は、サクセスファン行政書士事務所の探偵業届出サポートをご覧ください。

最初のお問い合わせでは、営業所の予定地域、個人・法人の別、法人なら役員の人数、営業開始予定日、現在集まっている書類をお伝えください。住民票や身分証明書の画像をいきなり送るのではなく、必要な資料と受け渡し方法を確認してから進めます。

  • この記事を書いた人

行政書士 小野馨

平成17年行政書士開業・1973年1月生・神戸市出身。兵庫工業高等学校卒業、慶応義塾大学通信教育課中退。富士通株式会社でシステムエンジニアとして2年勤務。自分のやりたい仕事でないと退職。その後、30以上の職種を経験した後、起業家をサポートするため、平成17年2月に行政書士開業。1000社50業種以上に会社設立・許認可など5000以上の行政手続きを代行。