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4号警備とは|身辺警備の資格・開業準備の解説

4号警備は、人の身体に危害が及ぶことを、その人の身辺で警戒し、防ぐ業務です。一般に身辺警備・ボディーガードと呼ばれます。独立して仕事を受けるには、護身術や民間資格だけでなく、警備業認定と4号に対応した指導教育の体制を確認します。

一方で、警備業認定を受けても警察と同じ権限が与えられるわけではありません。開業準備では、どのような危険に備える仕事なのか、依頼者に何を約束できるのかを整理することが大切です。

この記事は、身辺警備を事業として始めたい方や、既存の警備会社で4号を追加したい方に向け、業務範囲・資格・教育・受注時の確認点を解説します。認定の共通要件や必要書類は警備業認定の総合ガイドをご覧ください。

4号警備とは|人の身辺で身体への危害を防ぐ仕事

仕事の名前より、守る対象と目的を確認

特定の人の身辺で、身体への危害を警戒・防止する
↓
4号警備(身辺警備)の検討
↓
警備業認定 + 4号の指導教育責任者 + 業務に合った教育・実施体制

会場全体の混雑を防ぐ仕事や、施設を守る仕事も受ける場合は、2号・1号を含むか別に確認します。

警備業法第2条第1項第4号は、人の身体への危害を身辺で警戒し、防止する業務を定めています。警察庁の解釈では、身体の安全に関わる犯罪だけでなく、事故その他の危険な事態も含まれます。

たとえば、移動や外出に同行し、対象者の身辺で危害の発生を防ぐ仕事が考えられます。警備の対象者は、著名人や企業の経営者に限られるものではありません。ただし、同行するサービスすべてが身辺警備になるわけではなく、依頼内容と実際の業務で判断します。

同行・付き添いサービスとの境界

案内、送迎、介助などを主な目的とするサービスと、身辺の危険を警戒・防止するサービスは、役割を分けて考えます。「付き添い」と名付ければ認定が不要になるわけではなく、反対に人に同行するだけで必ず4号になるわけでもありません。

契約で危害の警戒・防止を引き受けるのか、現場では何を行うのかを具体化し、判断が分かれる場合は管轄警察署へ確認してください。医療・介護等の専門的な行為まで、警備業認定だけで行えるということでもありません。

確認先:警視庁「警備業の認定申請・警備業務の区分」

確認先:警察庁「警備業法等の解釈運用基準」(第2・定義)

イベント警備や施設警備と、4号の役割を分ける

同じ会場で行う仕事でも、誰を・何から守るのかによって、確認する区分が変わります。「イベント警備一式」という名称だけでは、必要な体制を決められません。

引き受ける仕事の例確認する区分
特定の出演者等の身辺で身体への危害を防ぐ4号・身辺警備
来場者が集中する場所で混雑による事故を防ぐ2号・雑踏警備
会場施設への出入管理や巡回により盗難等を防ぐ1号・施設警備
運搬中の貴重品を盗難等から守る3号・運搬警備

4号の担当者がいることだけで、会場の雑踏警備に必要な資格者配置まで満たすわけではありません。契約の範囲と担当を分け、それぞれの区分に必要な責任者・教育・配置を確認します。

全体の区分選びは1号〜4号の比較記事、会場の混雑に関する条件は2号警備の解説で確認できます。

開業には認定と4号の指導教育責任者が必要

個人で受ける仕事でも、事業として営むなら認定を確認

他人の依頼に応じて身辺警備を事業として営む場合は、法人・個人を問わず警備業認定の対象になります。「フリーランス」「一人で活動する」という形だけで認定が不要になるわけではありません。

認定を受けた警備会社に警備員として所属することと、自ら事業者として契約・受注することは異なります。独立する場合は、自分の事業について認定・営業所・教育体制を整える必要があります。

4号に対応する資格者証を確認する

警備員が所属する営業所ごと、取り扱う警備業務の区分ごとに、警備員指導教育責任者を選任します。身辺警備を扱うなら、4号に対応する資格者証が必要です。1号や2号の資格者証だけで、4号も指導できると判断しないでください。

これから4号の指導教育責任者資格者証を取得する場合は、講習の受講資格・申込条件・必要書類を、公示と管轄警察の案内で確認します。講習には新規・追加の区別があり、格闘技や民間講習の経験だけで受講資格を満たすとは限りません。予定する開業日から逆算して確認しましょう。

確認先:北海道警察「警備員指導教育責任者」

身辺警備の民間資格と、警備業法上の資格は区別する

警備員等の検定等に関する規則に定められた検定の種別には、身辺警備は含まれていません。「身辺警備1級・2級」という法定の警備員検定があることを前提に準備しないようにしてください。

民間団体の資格や研修は、知識・技能を学ぶための選択肢になり得ますが、警備業認定や4号の指導教育責任者資格者証に置き換わるものではありません。また、身辺警備の法定検定がないことは、教育なしで誰でも独立開業できるという意味ではありません。

確認先:e-Gov法令検索「警備員等の検定等に関する規則」(第1条)

警備員に特別な権限は与えられない

警備業法第15条は、警備業者・警備員が、この法律によって特別な権限を与えられているわけではないことを定めています。依頼者を守る目的があっても、他人の権利・自由を侵害したり、正当な活動に干渉したりすることはできません。

警察と同じ捜査権限があるように説明する、相手を威圧して要求を通す、依頼者に代わって紛争を強制的に解決する、といった約束は避ける必要があります。警備の契約は、相手との法的な紛争解決や結果の保証を当然に含むものではありません。

受注時には、警戒・危険回避・必要な通報など自社が担う役割と、警察・弁護士等に相談すべき事項を分けます。今まさに危害が迫っている依頼については、申請相談や契約手続を先に進めるのではなく、警察への緊急の連絡を優先することが必要です。

確認先:e-Gov法令検索「警備業法」(第15条)

4号警備を始める前に整える実務体制

業務に合った教育と人員を準備する

警備業者は、警備員に必要な教育・指導・監督を行います。免除・短縮の対象でない場合、新任教育は基本教育と業務別教育を合わせて20時間以上、現任教育は年度ごとに10時間以上が基本です。資格・経験によって取扱いが変わるため、対象者ごとに確認します。

他の区分で働いた経験があっても、それだけで4号に必要な業務別教育を終えているとはいえません。必要な新任教育を終えてから現場に配置する日程を組み、指導教育責任者が計画・記録を管理できる体制を用意します。

対象者の人数や業務時間、継続期間、交代の必要性に応じて、無理なく担当できる体制を検討します。一般的な「1人の対象者につき必ず何人」という固定人数を、根拠なく法定基準として案内しないことも大切です。

確認先:警視庁「警備員に対する教育時間」

依頼者と警備対象者、業務の範囲を確認する

企業が役員等の身辺警備を依頼する場合など、契約者と警備の対象者が同じとは限りません。誰の依頼で、誰を対象として、どの範囲の仕事を行うのかを確認し、関係者間の認識の違いを残さないようにします。

  • 警備の対象者と、依頼者の関係・依頼権限
  • 希望する業務の期間・場所・時間帯
  • 自社が担う警備と、他社や関係者が担う業務
  • 緊急時の連絡先と、報告する相手
  • 料金・実費・延長や中止の条件、損害賠償に関する事項

警備業法第19条に基づく、契約締結前・締結後の書面交付も準備します。法定の条件を満たす電磁的方法を使う場合は、依頼者の承諾等を確認してください。電話での依頼内容や見積書だけで、当然にすべての交付義務を満たすとは判断しません。

服装・用具と営業区域の手続きを確認する

身辺警備では、業務の性質に応じた服装や用具を検討します。警察官等と誤認されるような表示や、権限があると誤解させる説明を避け、使用する服装・用具について適用される制限や必要な届出を確認してください。

営業区域が他の都道府県へ広がる場合も、対象業務や営業所の有無によって確認すべき手続きが変わります。「短期間の同行だから何も手続きは要らない」と一括りにせず、具体的な計画を管轄警察署へ伝えて確認します。

確認先:e-Gov法令検索「警備業法」(第9条・第16条・第17条・第19条)

身辺情報を必要な範囲で管理する

身辺警備では、行動予定や連絡先、勤務先など、対象者の安全に直結する情報を扱うことがあります。共有する相手と目的を限定し、記録の保管・閲覧・廃棄の扱いを決めておきます。

初期の申請相談では、予定する業務の概要、営業所、責任者候補、警備員の人数などから整理できます。具体的な対象者の氏名・住所・行動予定は、公開のコメント欄や誰でも閲覧できる資料へ載せないようにしてください。

4号警備でよくある質問

ボディーガードの民間資格だけで開業できますか?

資格だけでは開業できません。身辺警備を事業として営むなら警備業認定が必要で、4号の指導教育責任者や教育体制も整えます。民間資格はこれらの法定要件を代替するものではありません。

4号の検定がないなら、現場に出る警備員の教育も不要ですか?

不要ではありません。法定検定の対象かどうかと、教育・指導・監督の義務は別です。担当する4号業務に必要な教育を受け、人員・連絡・実施体制を整える必要があります。

1号や2号を扱う会社が、4号を追加するときは何を確認しますか?

4号の指導教育責任者、業務別教育、契約書類、業務区分の変更届等を確認します。既存の認定があることだけで、4号の体制も整っているとは判断しないでください。

身辺警備の開業準備は、業務内容と4号の体制から

4号警備を始めるときは、受けたい仕事の範囲と、責任者・教育・契約の準備を一緒に整理しましょう。サクセスファン行政書士事務所への申請相談では、新規開業か業務追加か、予定する営業所、責任者候補の資格、提供したいサービスの概要をお伝えください。認定や変更手続きについて、確認すべき点をまとめやすくなります。

警備業認定のご相談。業務区分・人員体制・申請準備を整理
  • この記事を書いた人

行政書士 小野馨

平成17年行政書士開業・1973年1月生・神戸市出身。兵庫工業高等学校卒業、慶応義塾大学通信教育課中退。富士通株式会社でシステムエンジニアとして2年勤務。自分のやりたい仕事でないと退職。その後、30以上の職種を経験した後、起業家をサポートするため、平成17年2月に行政書士開業。1000社50業種以上に会社設立・許認可など5000以上の行政手続きを代行。